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冒険者のまかない②

第1話 恋人と友達

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 深夜、自分はウッキウキやったわ。

 昼間、副隊長にやけどイツキはんから通達があって……深夜の試食係に今日は自分も来て欲しいと書いてあったんや。

 副隊長としては二人きりがええやろうけど、イツキはんが言うんやから行くしかあらへん!!

 だいたいの時間になってから、あと最近開設したばっかの食堂の飯を抑えておくことを副隊長に言われた。今日の『まかない』のメニューはなにやらガッツリもんらしい。


「なあ、副隊長~」

「……なんだ」


 並んで歩いてるんやけど、不機嫌丸出しすぎへん?

 そりゃ、自分はふたりの時間を邪魔する野郎には変わらんけど。今日は! 何度も言うがイツキはんに呼ばれたんや!!


「副隊長がいっつも食う『まかない』ってどんなん??」

「色々あるが……リーゾを使ったのが多いな? 王妃殿下は、イツキが作る『たぬきおにぎり』がお好きだ」

「たぬき……にぎり??」

リーゾを三角などに握った料理だ。味付けしたものだが……美味い」

「今日もそんな感じやろか?」

「わからん。だが……イツキの作るものは何でも美味い!」

「自分はまだまんじゅうだけやけど」


 あれは正確には菓子やったし、食事は初めてや。どんな料理か気分が悪くなるわけがあらへん!!

 それに、イツキはんのは異世界の料理やからな!!

 厨房に到着して、副隊長が声かけたら中からイツキはんの声が聞こえてきた。中に入ると……ちょい久しぶりに会うんやけど、イツキはんがにっこりと出迎えてくれた。

 そのちょい久しぶりで気づいたんやけど……イツキはんの男装の具合がちょぉ変わってたんや。


「やあ、イツキ」

「こんばんは、アーネストさん」

「ちょぉ久しぶり、イツキはん」

「少しぶりですね、レクサスさん」


 俺にも気づくと、いつも通りの笑顔やけど……。副隊長には恋人らしい笑顔を向けていた。俺今ここに居てもええんか??


「男装、ちょぉマシになったなあ?」

「あ、それは……この前ジェイシリアで調達出来た防具のお陰です」

「ほーん?」


 多分やけど、女もんの胸当やろなあ?

 戦闘中に胸は邪魔でしかないし、苦しくない程度に潰す防具。冒険者ん時に、聞いたことがある程度やけど。


「今日は、お二人には『お好み焼き』を食べていただきたいんです!」

「おこの……」

「みやき……?? なんなん??」

「小麦粉と野菜をたくさん、あとはオーク肉のスライスを載せたり……極め付けはここでご厄介になってから仕込んでいたソースをふんだんに使います!!」

「「おお!?」」


 どんなもんかはいまいち予想がつかんのやけど……イツキはんの手の込んだ料理とくれば食べないわけがないわ!!
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