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第七章 不可思議な罠達②
第2話 迷路の罠①
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次なる迷路の罠。
階段から降りてきた時には少し見えたけど、このフロア全体が……罠になっている。上の階層もだけど、あそこに比べると規模が段違いだ。
出口が見えるどころか、どこにあるのかもわからない。
入り口に立っても、それはよくわかる。
ジェフさんくらいの長身でも、奥はすぐに角しか見えないらしく、奥行きとかがわからないって。
「陣形はさっきの順で行くぞ? 嬢ちゃん……クダウサギが気に入ったからって、万が一の時は保証しねぇからな?」
「はいですの」
ジェフさんが先頭、真ん中はマシュさんで後ろは僕。
モンスターが出ないとは言えない状況になったので、僕はフランツを握った。パンが刀身のフランツを見慣れたつもりでいたけど、やっぱり不思議。
切れ味は抜群だけどね?
とりあえず、洞窟部分とは違う灯りか何かで魔法を使用する必要はないから進むしかない。挑戦者とかは僕達だけか、先に進んでいるのか足音とかは聞こえなかった。
迷路に入り、モンスターに注意しながら進んでいく。僕達のブーツに接着されている金属の板が靴底にあるので、それが当たる音が邪魔して聞こえないだけかも。
どう言う石材かはわからないが、くすみひとつない綺麗な白い石作り。前の階層にあった、ボタンだらけの壁と似ているからか。
進んでも、その景色は角を曲がる以外特に変わらない。
どこまでもどこまでも、ただ白くて高い壁に暗闇にしか見えない天井。
最初は綺麗だと思っていたが、だんだんと見慣れてきたので、飽きてきた……。
「……キリねぇな?」
ジェフさんも飽きてきたのか、頭を軽く掻いたりするくらい。すぐ前にいるマシュさんは、時々壁を軽く叩いたりしていたが。
「大理石だと思いますの」
「……高級品ですね」
名前程度しか知らないが、このダンジョンでは惜しみなく使われている。ちょっと触ってみたけど、氷のように冷たい。今は夏だから逆に嬉しいので、もう少し触ってみた。
【あんま、ペタペタ触らんとき】
すると、フランツからテレパシーが届いてきた。
『どうして??』
【そこやないけど……この迷路んどこかに転送の罠あるわ】
『……飛ばされちゃう??』
【おん。どこに行かされるか分からん】
これは一大事だと、まだ触っているマシュさんを止めた。
「マシュさん、それ以上は」
「どうかしましたの??」
くるんと振り返る彼女は、相変わらず綺麗で可愛いが言うことはちゃんと言わなくちゃ!
「この壁……もしかしたら、その……転送の罠があるかもしれません」
「まあ!? 罠感知の技能をお持ちですの??」
「い、一応……」
そう言うことにしておかないと、フランツが見つけたことは言えない。ジェフさんに振り返っても、首を縦に振ってくれたから。
「んじゃ、ヤベェな? 壁伝いで歩くのも出来ねぇか?」
となると……と、ジェフさんが何故か聖槍を構えて……目の前の壁に突き刺したと言うか……壊した!!?
階段から降りてきた時には少し見えたけど、このフロア全体が……罠になっている。上の階層もだけど、あそこに比べると規模が段違いだ。
出口が見えるどころか、どこにあるのかもわからない。
入り口に立っても、それはよくわかる。
ジェフさんくらいの長身でも、奥はすぐに角しか見えないらしく、奥行きとかがわからないって。
「陣形はさっきの順で行くぞ? 嬢ちゃん……クダウサギが気に入ったからって、万が一の時は保証しねぇからな?」
「はいですの」
ジェフさんが先頭、真ん中はマシュさんで後ろは僕。
モンスターが出ないとは言えない状況になったので、僕はフランツを握った。パンが刀身のフランツを見慣れたつもりでいたけど、やっぱり不思議。
切れ味は抜群だけどね?
とりあえず、洞窟部分とは違う灯りか何かで魔法を使用する必要はないから進むしかない。挑戦者とかは僕達だけか、先に進んでいるのか足音とかは聞こえなかった。
迷路に入り、モンスターに注意しながら進んでいく。僕達のブーツに接着されている金属の板が靴底にあるので、それが当たる音が邪魔して聞こえないだけかも。
どう言う石材かはわからないが、くすみひとつない綺麗な白い石作り。前の階層にあった、ボタンだらけの壁と似ているからか。
進んでも、その景色は角を曲がる以外特に変わらない。
どこまでもどこまでも、ただ白くて高い壁に暗闇にしか見えない天井。
最初は綺麗だと思っていたが、だんだんと見慣れてきたので、飽きてきた……。
「……キリねぇな?」
ジェフさんも飽きてきたのか、頭を軽く掻いたりするくらい。すぐ前にいるマシュさんは、時々壁を軽く叩いたりしていたが。
「大理石だと思いますの」
「……高級品ですね」
名前程度しか知らないが、このダンジョンでは惜しみなく使われている。ちょっと触ってみたけど、氷のように冷たい。今は夏だから逆に嬉しいので、もう少し触ってみた。
【あんま、ペタペタ触らんとき】
すると、フランツからテレパシーが届いてきた。
『どうして??』
【そこやないけど……この迷路んどこかに転送の罠あるわ】
『……飛ばされちゃう??』
【おん。どこに行かされるか分からん】
これは一大事だと、まだ触っているマシュさんを止めた。
「マシュさん、それ以上は」
「どうかしましたの??」
くるんと振り返る彼女は、相変わらず綺麗で可愛いが言うことはちゃんと言わなくちゃ!
「この壁……もしかしたら、その……転送の罠があるかもしれません」
「まあ!? 罠感知の技能をお持ちですの??」
「い、一応……」
そう言うことにしておかないと、フランツが見つけたことは言えない。ジェフさんに振り返っても、首を縦に振ってくれたから。
「んじゃ、ヤベェな? 壁伝いで歩くのも出来ねぇか?」
となると……と、ジェフさんが何故か聖槍を構えて……目の前の壁に突き刺したと言うか……壊した!!?
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