588 / 603
第588話 カウルの実態
しおりを挟む
あっしが……あっしが『エンシェントスライム』??
なんかの間違いじゃないでやんすか!?
兄さんと出会う前から、話すことは出来てたでやんすけど。
身体の構造以上に、進化してたでやんすかぁあ!?
全然気づかなかったでやんすよぉ!?
「……たしかに、俺の鑑定でもエンシェントスライムと表示される」
ラティスト兄さんでもやんすよ!?
創始の大精霊様がおっしゃることはマジでやんすぅ!!
「あ、あ、あ、あっしがエンシェントスライム!?」
「個体としては通常のスライムのままだが、バカ神が色々付与しているからな。考えれば、それくらいに進化していてもおかしくはない」
「どぇええええ!?」
ラティスト兄さんが本当にそうおっしゃるんだったら……あっしの個体は本当に『エンシェントスライム』。
てことは……ダメダメスライムでしかなかった、あっしはあの時に進化していた?
ケント兄さんの、獣魔もでやんすけど……兄さんに踏まれて、いっしょにいることを決めたあの瞬間から。
あっしの生き方が、もうとっくに変わってたでやんすか!?
「すごいよ、カウル!!」
ぎゅっと抱きしめられた感触と嬉しいがあふれた声。
ケント兄さんでやんす。いつも以上の抱擁をあっしにしてくれたでやんすよ!
「……兄さん」
「これから大変かもしれない。けど、やっぱりすごいことだよ。君が大きく成長してたんだから!」
「……成長?」
「そうだよ。僕の相棒が成長したのは喜ばしいことだから!!」
ケント兄さんは。
本当に凄い御方でやんす。
あっしを、ひと言もダメスライムと言わないでやんすから。
進化出来たのは、兄さんのおかげなのに偉ぶったりされない。
兄さんこそ、素晴らしい御方でやんすよ!
「……あっし。パン作りもでやんすけど、もっと強くなるでやんすよ! 足手まといも、利用もされたくないでやんす!!」
「うん! いっしょに強くなろう!」
「感動のところ悪いが、根本的な問題解決にはなっていないぞ」
せっかくの時間でしたのに、お師匠はんの指摘で現実に戻されたでやんすぅ。
「「そうでした……」」
「まあ、ラティストだけでなくルカリア嬢とスインも居るがな。絶対という言葉はない。そもそも、しゃべるスライムだけでリオーネでは知られているんだ。既に狙っている輩が出てきておかしくない」
「……今までは」
「今までなくても、今後がないとは先程も似たように言っただろう? スインのこともこの前あったではないか? 報告はロイズから聞いている」
「だな。カウルは単純に獣魔扱いだが……時折、きな臭い噂は耳にしてる」
「……そうですか」
狙われるのは、スインだけではない。
あっし、さっき決めたようにもっともっとエンシェントスライムとして強くなるでやんすよ!!
なんかの間違いじゃないでやんすか!?
兄さんと出会う前から、話すことは出来てたでやんすけど。
身体の構造以上に、進化してたでやんすかぁあ!?
全然気づかなかったでやんすよぉ!?
「……たしかに、俺の鑑定でもエンシェントスライムと表示される」
ラティスト兄さんでもやんすよ!?
創始の大精霊様がおっしゃることはマジでやんすぅ!!
「あ、あ、あ、あっしがエンシェントスライム!?」
「個体としては通常のスライムのままだが、バカ神が色々付与しているからな。考えれば、それくらいに進化していてもおかしくはない」
「どぇええええ!?」
ラティスト兄さんが本当にそうおっしゃるんだったら……あっしの個体は本当に『エンシェントスライム』。
てことは……ダメダメスライムでしかなかった、あっしはあの時に進化していた?
ケント兄さんの、獣魔もでやんすけど……兄さんに踏まれて、いっしょにいることを決めたあの瞬間から。
あっしの生き方が、もうとっくに変わってたでやんすか!?
「すごいよ、カウル!!」
ぎゅっと抱きしめられた感触と嬉しいがあふれた声。
ケント兄さんでやんす。いつも以上の抱擁をあっしにしてくれたでやんすよ!
「……兄さん」
「これから大変かもしれない。けど、やっぱりすごいことだよ。君が大きく成長してたんだから!」
「……成長?」
「そうだよ。僕の相棒が成長したのは喜ばしいことだから!!」
ケント兄さんは。
本当に凄い御方でやんす。
あっしを、ひと言もダメスライムと言わないでやんすから。
進化出来たのは、兄さんのおかげなのに偉ぶったりされない。
兄さんこそ、素晴らしい御方でやんすよ!
「……あっし。パン作りもでやんすけど、もっと強くなるでやんすよ! 足手まといも、利用もされたくないでやんす!!」
「うん! いっしょに強くなろう!」
「感動のところ悪いが、根本的な問題解決にはなっていないぞ」
せっかくの時間でしたのに、お師匠はんの指摘で現実に戻されたでやんすぅ。
「「そうでした……」」
「まあ、ラティストだけでなくルカリア嬢とスインも居るがな。絶対という言葉はない。そもそも、しゃべるスライムだけでリオーネでは知られているんだ。既に狙っている輩が出てきておかしくない」
「……今までは」
「今までなくても、今後がないとは先程も似たように言っただろう? スインのこともこの前あったではないか? 報告はロイズから聞いている」
「だな。カウルは単純に獣魔扱いだが……時折、きな臭い噂は耳にしてる」
「……そうですか」
狙われるのは、スインだけではない。
あっし、さっき決めたようにもっともっとエンシェントスライムとして強くなるでやんすよ!!
84
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる