スライムからパンを作ろう！〜そのパンは全てポーションだけど、絶品！！〜

第578話 蒸しパンで確認

　材料を準備。

　粉とかのふるいは僕が。

　スインが混ぜる工程は、本人がボウルの上でくるくる回ると出来ちゃうと言うチート展開があったけど。

　とりあえず、レイザーさんには真横で見てもらっているので僕らは作っていくのみ。

　型に入れるのは僕とリトくんがやって、今回はカウルを使わないのでフライパンと蒸し器を使って火を通していくよ！


「ほぉ？　シェリーがたまに買う蒸しパンとやらはこう作るのか？」

「オーブンだと、火力が違うので一気に火が通っちゃうんですよね。これは、時間をかけて蒸気で火を通すんです」

「……なるほどな」


　前いっしょにポーションパンを作った時は、蒸しパンは作らなかったからレイザーさんが知らなくて当然だもんね？

　いい感じに蒸し上がったら……取り出して、ポーションパンのステータスを確認したんだけど。


【『シンプルたまご蒸しパン』

　・擦り傷(度合い関係なく)瞬時完治

　・土魔法属性の攻撃大幅アップ

　・風邪瞬時完治


　以上となります】



　とまあ、少し前に作ったポーションパンと効能的には似た感じになってしまった！？


「……やっぱり？」

「なっているな……」


　ロイズさんも鑑定眼鏡で確認していたから、まず間違いないと言うことだ。

　そして、レイザーさんは魔眼で工程を全部見ていたので……。


「高揚していた時に、魔力とかが異様に付与される可能性……ばっちし当たっていたぞ。スインの中で魔力の塊が精製されてそれがパンに流れて行った」

「マジかよ……」

「封印はちゃんとしたのに？」

「一部封印しても、性質はどうしようもないからな？　俺としてはまだいいと思うぜ？　その前に錬成したポーションパンの方が効能的にえぐいし」

「…………まあ、あれはな」

「……とりあえず。オークションで扱ってみます？」

「荒れそうだ……」

「オークションは荒れてなんぼだろ？　ま、その分阿呆連中が出て来たら……ほこり取り兼ねてひっ捕らえればいいじゃねぇか」

「他人事のように言うな！」

「手伝うって。そう言う時こその冒険者だろ？」


　なので……スインには、楽しく作るのはいいけどちょっと魔力のコントロールが出来ないか、それから何度か試したけど。三回に一回は、封印直後に作ったような効能にはなった。

　それが安定したものは、スバルの方に並べることにして、異常なのはオークションでだいたい的に競りにかけることになったのだ。

　オークションは毎日行うけど、僕のポーションパンが特に人気らしく……バージョンアップしたポーションパンの効能を知ったら、どれだけ高値で取り引きされるんだろう？

　今までのでも一部はお金が回ってくるから、それで仕入れにかなり力を入れているから特別パンも美味しいんだよね。