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第574話 普通のポーションパン?

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 あんぱんは、ちょっと多めにあんこを包んで焼いたらラティストの冷却魔法で常温まで冷まし。

 ホイップクリームはせっかくだからと、エリーが頑張ってかき混ぜて作ったのを絞り袋に入れていく。

 それを、あんぱんのパンの部分に注ぎ口を作ってきゅっと入れていくんだ。ちょっと膨らんだら、それで完成。



【『生クリームたっぷり贅沢あんぱん』


 ・魔力大回復

 ・水魔法会得可能

 ・切り傷即完治


 以上の効能となります】



 普通……うん、多分普通のポーションパン。

 魔法会得とか気にしない!!


「……まあ、落ち着いてはいるか」


 お師匠さんもちょっと明後日の方向を向いていたけど、気にしない方向でいこう!!

 とりあえず、せっかくの出来立てポーションパンを食べようと、改めてジェイドがお茶を淹れてくれたよ。

 これにはカフェオレの方が合うから甘めに淹れてもらったんだー。


「いただきます」


 ちょっと四角っぽい形になったけど。ふかふかふわふわな感触から絶対に美味しいものだとわかる。スインもいっぱい手伝ってくれたからね!

 かぶりつけば、香ばしいパンの中からたっぷりのホイップクリームにあんこの波が口いっぱいに流れ込んできた。あんことホイップクリームは常温だけど、それがちょうどいい塩梅でパンとの相性が抜群だった。

 カフェオレの存在を忘れるくらい、ぱくぱく食べ進めてしまう!! もぐもぐ食べていくのは僕だけじゃなく、他の皆も一緒で……食べ終えてから、カフェオレのカップを取るくらい。スインは流石に手がないから無理だけど。


『「美味しい!」』

「病みつきになる組み合わせだな?」

「あんこクリームはあんバター並みに正義だ!」

「美味いでやんすー」

「へぇ? 本当に水の魔法がいくつかレベルアップしたね?」


 最後に、ジェイドがびっくりすること言ったんだけど!?


「レベルアップ?!」

「ほら。もともと水魔法は会得してるからさ? 僕でもそれがレベルアップした感じがするんだよ」

「……創始の大精霊でもか」

「兄さんは系統違うから、そこまででもないんじゃない?」

「そうだな」

「「えぇえ」」


 大精霊にまで、そんなにも影響があるだなんて……僕もだけど、関わった存在の力で効能も変わってくる。

 あのチート過ぎるポーションパンはもう作れないけど……エディは残りを亜空間収納に入れて封印してるのかな?

 心配なのは、スインの噂を聞きつけたように悪いお貴族さんとかが狙いそうな気がするんだよね……。

 エディだから、極度の心配する必要はないけど。万が一ってこともある。親友に怪我をしてほしくないもん。
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