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第570話 ウキウキ差し入れ作り

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 お師匠さんがスインのために頑張ってくれているから、僕は差し入れのポーションパンを作ろうと決めた。

 お師匠さんが大好きなフィレオフィッシュバーガーをちょっと豪華にしようと、市場でいいお値段のした白身魚だけでなく、卵も魔物のをね! 家畜以上に美味しい卵だから、いいタルタルソースが出来そう。

 せっかくだから、リトくんの修行も兼ねていっしょに作るよ!


「ししょー。卵をつぶすんですか?」

「そうそう。このマッシャーって道具で白身も黄身も遠慮なく潰しちゃって」

「はーい」


 フライの方はまだ大変だから、出来る範囲を少しずつ増やしていこうと思ってる。バンズの分割とかはもちろんお願いしたよ。生地は今カウルのドウコンで発酵中だ。


「ケント、俺は何をすればいい?」


 今はスバルの方は休憩タイムだから、ラティストもオープンキッチンにいるだよね。


「うーん。バンズは終わったし、フライの下ごしらえはほとんど終わったけど……先に揚げて冷ますのをいっしょにしようか?」

「ああ、わかった」


 魚のおろしとかは市場でお願いしちゃったし、臭み抜きとかもだいたい終わってる。製パン学校に行ってたけど、料理の基本も学科によっては学べたから僕は専攻してたんだよね。

 おばあちゃんにも習ったんだけど、魚の捌きもまあまあ出来るんだ。


「店長、お掃除終わりましたわ」

「ありがとう、ルカリアちゃん」

『私、もお手伝いした』


 ルカリアちゃんもだいぶお店の業務が出来るようになって、どんどん無くてはならない従業員に成長している。

 スインも接客以外に、ゴミを吸い取ってエネルギーに変える方法があるとわかってからは、トレーにつくパン屑とかを吸い取ってもらってる。

 ちょっとしたおやつ代わりもあるけど、浄化のように綺麗になるからお願いしてるんだ。


「ありがとう。ちょっと休んでていいよ? 試食はまたお願いするから」

「わかりましたわ。スインちゃん、お茶にお付き合いくださるかしら?」

『うん』


 スインのために、お師匠さんは専用のポーションを作ってくれるからね!

 そのための差し入れに力を入れて、頑張らなくちゃだね!!

 フライを揚げ、リトくんにはタルタルソースの仕上げを教えたりして……あとはいつも通り作ったんだけど。


「……ししょー」

「……ケント」

「……兄さん」

「……あはは」


 調子に乗って作ったつもりはないけど……物凄く効能が高いポーションパンが出来てしまった。

 スインの時ほどじゃないが、疲労瞬時に回復や魔力MAXとか……えげつない結果に。

 僕の錬成レベルって、たしかイケメン神様に調整してもらったよね?

 あれれ? と思ったけど、ラティストとカウルにはため息を吐かれちゃった。
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