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第531話 怒髪天
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なんで、こうも次から次へと起こるんだ!?
(……くそ!? なんでこうも次から次へと湧いて出てきやがる!!)
リトの誘拐未遂。
ルカリアへの暴挙。
それらの行動を起こしたのが、準伯爵っつー阿呆ときたか!! ラーシャルゥの調査と派遣のおかげで被害は最小限に済んだものの、幼い子どもに幾らかトラウマを与えた結果には変わらない。
ケント自身も、流石に頻度が多くて対策を取らないと考えるだろう。あいつは全然阿呆じゃないからな。ラティストらもいるが、護られるだけの存在ではないと自覚があるんだ。
と言っても、国の宝と言っていい俺のマブダチに手出ししようとする愚か者がまだまだいたとは……俺の落ち度だ。
この間ケントがここに来た時点で、相当間引いたのにまだ出てくるとはいい度胸してるぜ!!
(あったま、きた!!)
こりゃもう完全に一掃宣言してもいいよなあ!?
「陛下、落ち着かれませ」
爺のギルハーツが近侍らしく宥めて来ようとするが、俺個人としては怒り奮闘なんだよ!?
「だがな、爺」
「今ここで私欲のみで動かれては……まだ潜んでいる輩どもを煽るばかりですぞ」
「……そりゃ」
俺が最初に改革を取り行ったことでほいほい湧いて出てきたんだから、今となっている。たしかに、清掃も出来ていなくはないから全部を急ぎすぎるのもよくない。
むしろ、本格的にケントを攫う隙を作るきっかけとなってしまう。
やはり、俺は賢王としてまだまだ甘いな。爺らがいないと我欲がついつい前に出てしまうぜ。
俺の顔を見て冷静さが少し戻ったのを察したのか、爺は新しい茶を淹れてくれた。
「そろそろ、前王方も一度里帰りなさいます。一度、ケント様方をご紹介なさるのに茶会でも開きませんか?」
「……詫びとバックアップ確保か?」
「そうとも言いますな」
親父とお袋にもポーションパンの噂はとっくに届いているだろうが。
ケントとは気が合うだろうし、それはいい機会だな。
仕事を早急に終わらせ、俺は『エディ』としてリオーネに向かうことにした。そんくらいのことは、爺も止めなくなったしな。
(ケント……喜んでくれっかな)
俺を王としても扱ってくれるが、一個人としても接してくれる貴重な存在。
友人としては最高位と言ってもいい。
異世界からの転生者でも、あんなにも気持ちのいい男は俺は一部を除いて出会ったことがなかった。この先もマブダチとして交流したいのは本当だし、お互いに家族が出来ても続けたいと思ってんだ。
そんくらい、俺はケントを対等に接したいし尊敬もしていた。
(……くそ!? なんでこうも次から次へと湧いて出てきやがる!!)
リトの誘拐未遂。
ルカリアへの暴挙。
それらの行動を起こしたのが、準伯爵っつー阿呆ときたか!! ラーシャルゥの調査と派遣のおかげで被害は最小限に済んだものの、幼い子どもに幾らかトラウマを与えた結果には変わらない。
ケント自身も、流石に頻度が多くて対策を取らないと考えるだろう。あいつは全然阿呆じゃないからな。ラティストらもいるが、護られるだけの存在ではないと自覚があるんだ。
と言っても、国の宝と言っていい俺のマブダチに手出ししようとする愚か者がまだまだいたとは……俺の落ち度だ。
この間ケントがここに来た時点で、相当間引いたのにまだ出てくるとはいい度胸してるぜ!!
(あったま、きた!!)
こりゃもう完全に一掃宣言してもいいよなあ!?
「陛下、落ち着かれませ」
爺のギルハーツが近侍らしく宥めて来ようとするが、俺個人としては怒り奮闘なんだよ!?
「だがな、爺」
「今ここで私欲のみで動かれては……まだ潜んでいる輩どもを煽るばかりですぞ」
「……そりゃ」
俺が最初に改革を取り行ったことでほいほい湧いて出てきたんだから、今となっている。たしかに、清掃も出来ていなくはないから全部を急ぎすぎるのもよくない。
むしろ、本格的にケントを攫う隙を作るきっかけとなってしまう。
やはり、俺は賢王としてまだまだ甘いな。爺らがいないと我欲がついつい前に出てしまうぜ。
俺の顔を見て冷静さが少し戻ったのを察したのか、爺は新しい茶を淹れてくれた。
「そろそろ、前王方も一度里帰りなさいます。一度、ケント様方をご紹介なさるのに茶会でも開きませんか?」
「……詫びとバックアップ確保か?」
「そうとも言いますな」
親父とお袋にもポーションパンの噂はとっくに届いているだろうが。
ケントとは気が合うだろうし、それはいい機会だな。
仕事を早急に終わらせ、俺は『エディ』としてリオーネに向かうことにした。そんくらいのことは、爺も止めなくなったしな。
(ケント……喜んでくれっかな)
俺を王としても扱ってくれるが、一個人としても接してくれる貴重な存在。
友人としては最高位と言ってもいい。
異世界からの転生者でも、あんなにも気持ちのいい男は俺は一部を除いて出会ったことがなかった。この先もマブダチとして交流したいのは本当だし、お互いに家族が出来ても続けたいと思ってんだ。
そんくらい、俺はケントを対等に接したいし尊敬もしていた。
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