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第526話 無事で良かった
しおりを挟む「なんだって!?」
ルカリアちゃんが対応してくれたけど、リトくんが拐われそうになった!?
ロイズさんが犯人とかを捕縛してくれてるって聞いても、僕らはスバルに戻ってきたルカリアちゃんの報告を聞いてめちゃくちゃ驚いた!!
今回の犯行はお貴族様か、悪い冒険者とかの仕業かはロイズさんが確認中だからまだわかんないけど。
「ええ。少し油断しましたが、ギルマスも来ていただけたので無事ですわ」
「怪我してない?」
「おねーさん、お腹なぐられたの!」
「何? ルカリア、少し見せろ!」
「え、はい。ほとんど痛みもないですが」
ルカリアちゃんラブのラティストがすぐに処置をしようと、服の上から手を当てて魔法で治癒していく。直接的な怪我だろうけど、ポーションパンが浮かばないくらい焦ってるんだろうね? すぐに赤い光がルカリアちゃんのお腹辺りを包み込み、終わったらすぐに消えた。
「……気を失わせようとしてたな。青痣がひどかった」
「……ご心配おかけしましたわ」
「大事ないならいい。……そいつは潰したいくらいだが、ケントが許さないだろう」
「うん。犯罪はダメ」
気持ちはわからなくもないけど、身内に犯罪者が出るのは嫌だからね? 今回のケースを考えたら、ラティストが激怒するのも仕方がないけど。
「ルカおねーさんすごかったんですよ! シュッて、ゴッてあのおじさんやっつけたの!」
「ふふ。淑女の嗜みですわ」
「……お貴族様のお嬢様でも?」
「体を適度に動かすのに、武道は淑女でも嗜みますわよ?」
「……そう」
どれくらい強いお嬢様とかがいるのは聞きたくないが、エディが護衛につけるくらいだからルカリアちゃんはめちゃくちゃ強いんだよね。今回は、リトくんといっしょだってこともあってちょっと油断したみたいだけど。
「しかし。城でもやんしたけど、また兄さんを狙う人間どもが増えているでやんすね! あっしも成敗するでやんすよ!」
「カウルししょー! ぼくも強くなりたい!!」
「いい意気込みでやんすよ! あっしの特訓についてこれるでやんすか!?」
「はい!」
「落ち着いて。カウルの本気はまだ見たことないけど、リトくんも無事で良かったよ」
「! ししょー!」
僕が間に割り込むと、リトくんは嬉しくなったのか僕に抱きついてきた。怖かったかなあと思ったら、心配されたことが嬉しかったみたい。
「危ない目に遭っても、無闇に立ち向かっちゃダメだよ? 怪我以上のことが起きたらいけないから」
「はーい!」
「うん、いい子」
エディが色々対処してても、ポーションパンを狙う人はまだまだ隠れているみたい。しかも僕だけじゃなく、周りを狙い出すだなんて……これは、僕だけの問題じゃないから冒険者ギルドやエディたちにも相談に乗ってもらおう。
僕だけじゃなく、大事な人たちが危険な目に遭うのは嫌だからね!!
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