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第506話 ランクは必要なのは
しおりを挟む「マジですまん!!」
生産ギルドに行ってロイズさんに会えば、思いっきり申し訳ないの姿勢を取っていた。そこにエディがこれまた思いっきりげんこつをお見舞いしましたぁ……。
「唯一だったポーションパンの錬金術師だぞ!? 普通それなりのランク与えるだろ!?」
「……全くその通りです」
「試験は特に受ける必要ないだろ? だったら、ランクへの昇格前の処置くらいでいい。ケントなら、とりあえずAでいいはずだ」
「……その言い方だと、マーベラス殿くらいに昇格させるのですか?」
「いや? まだまだ発展途上があると見て、一歩手前のSにさせる」
「エディ、それでも凄いよ……」
マーベラスさんやお師匠さんのような凄いこと……ポーションパンで既に成し遂げているから、持ってなきゃいけないんだろうね。
それにスバルは王家御用達になっているから、技術者としても相応しい称号がないといけないだろう。いつか、リトくんがスバルを継ぐか暖簾分けするとなったら手続きに困ったとかになってもいけないからね。
「ケントの功績は国内外に広まっているんだ。さっきも言ったが、舐められるわけにはいかない。それなりの守りも兼ねて、立場も固めておいた方がいい」
「……そうですね」
「兄さんを守る方法が増えるのはいいことでやんす」
「物理的には俺達がいるが」
「まあ、ラティスト達がいるのはもちろんわかってる。だが、技術者の立場も確立しておかないとな。ケントのポーションパンはとにかく素晴らしい……クレイヴ王国とも近々同盟国だけでなく、友好国にしようと盟約を変えたいって言い出してきたからな」
「クレイヴ王国?」
なんか聞いたことがあるような? と首を傾げていると……エディにぽんぽんと肩を叩かれた。
「レイザーとトラディスの母国、あいつらの両親が国王夫妻だ」
「お、おお……そうだった」
あんまり似てないけど、美形兄弟のお二人は王子様だったってこと。その故郷であるお国もこの国と友好関係を築いていくってことは……凄いことだ。
二人はまだまだ冒険者を続けていくようだけど……ジェフさんとシェリーさんが結婚しても同じかな? こっちの世界の結婚生活に詳しくないからわかんないんだよね。
僕も僕で、エリーちゃんとはもっとデートを繰り返してから……多分、プロポーズすると思う。まだまだ仕事をして一年程度の僕じゃ、物理的にも精神的にも養えると思えないから。
「んじゃ、ロイズは書類用意してくれ。印は俺が今ここで押す」
「……かしこまりました」
「サクサクいくぞ!!」
僕のぼんやりは気にせずに、エディ達はささーっと動いてくれて……僕はその日のうちに、A級の錬金術師になっちゃいましたとさ。
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