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第480話 久しぶりに神様と②
しおりを挟む『であれば、あれか? ケントの以前の世界にあった……保存期間を引き延ばし出来る薬剤があったが』
「薬剤??」
『薄い板だったり、粒を集めた袋の……』
「! シリカゲルですか!!」
『そうだな。たしか、そうだった。それに値するものを……ラティストに頼めば魔石で代用出来るが、君としては別で用意したいだろう?』
「そこはお師匠さんと共同開発したいですね」
マーベラスさんとも話し合いたいし、シリカゲルを広めれば気軽に食品保存が可能になっていく。それが実現すれば、下手に保存料を開発して混ぜていくよりずっといいはず。
それでも一部のパンやお菓子しか使えないけどね?
『であれば、保存方法のひとつはそれでいいだろう。それと、ポーションとしての効能の操作か』
「既にチート過ぎる効能は仕方ないですけど……せめて、法則性があると非常にありがたいんですが」
『……材料の組み合わせで、とかか?』
「出来ますか?」
『……完全操作ではないからな。制約には軽く触れるがなんとかしよう』
「ありがとうございます」
それだけ特典がもらえれば御の字だ。
あとは仕組みを脳内にインプットしてもらうことで、交信は無事に終わり。
視界が元のオープンキッチン内に戻ってから、カウルがぴょんと僕の膝に乗ってきた。
「終わったでやんす?」
「うん。ラティスト、君は聞いてたよね?」
僕のこめかみから手を外した彼に聞けば、すぐに頷いてくれた。
「……保存の方法もだが、効能の操作か。ケントらしい頼み方だが」
「脅したって意味ないでしょう? 神様は神様なんだから」
「……ふん」
色々不満ありまくりだけど、今回は納得してもらえたようだ。
とりあえず、改善策は得られたので……お師匠さん以外にも各所に魔法蝶を飛ばして、シリカゲル製造スタートだ!!
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