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第478話 過去の流行病

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 ロイズさんとルゥさんの結婚式については、お互いの仕事の関係で数ヶ月先にはと曖昧に決まり。

 逆に、お師匠さんとレイアさんが先に結婚するかもと言う話が来たんだ。


「ご両親にもきちんと挨拶させていただいた。レイアにも近々プロポーズする予定だ」

「わぁ! 本格的ですね!! そう言えば気になったんですが」

「うん?」


 前々から聞きたいことをお師匠さんに聞いてみようと思ったんだ。ちょっと疑問に思っていたことだけど。


「お師匠さんの今のご家族……いるんですか?」


 ロイズさんとルゥさんもだけど……あんまり身内のことが話に出て来ないんだよね?

 なので、ちょっと聞いてみたらお師匠さんは軽く息を吐いた。


「ポーションが今以上に流通してなかった時期があった。私やロイズを含める身内の大半が、流行病で死んだのだ」

「! ……そんなことが」

「君が気に病む必要はない。だが、それを機に私は錬金術師を目指した。たとえ家族が戻ってこずとも……誰かを助ける手助けとなれば、と無責任な考えかもしれないが」

「けど! お師匠さんは今最高の錬金術師ですよ! 僕以上にたくさんの人を助けています。レイアさんも間に合ったんですし」

「……そうだな。今新しく家族が出来るなら、無駄ではなかった」


 とりあえず、ウェディングケーキの内容はまたレイアさんと話し合いたいからとだけ言って……お師匠さんは帰って行った。本当に報告ついでに来ただけみたい。


「……ししょー」


 見送った後に、リトくんに呼ばれたので返事をすると。

 リトくんは、僕の服の裾をちょっと掴んだ。


「どうかした?」

「……ヴィーおししょーのお話。ぼくも、おじいちゃんとおばあちゃんが死んじゃったんだ」

「……そっか」


 どれだけ大きな流行病だったかは、転生してきたばかりの僕にはまだまだ理解出来ない。でも、出来れば二度と起きてほしくないのは誰もが思うだろう。

 お師匠さんの話だとまだ十数年前の話だから……再発が無いとは言い切れない。厄災や天災っていきなり起きるからね?

 ポーションパンの効能の操作が出来ればいいけど……イケメン神様とまた会うことが僕では出来ない。

 と考えたところで、ひとつ思い当たった。

 お店側にいる、ラティストのことだ。彼だったら、たしかテレパシーかなんかで交信出来たんじゃないかって!!

 そろそろお店も営業時間が終わるし、早速聞いてみることにした。
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