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第410話 ちょっとひと安心

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「「「やった!!」」」


 水鏡の反対側で応援しか出来なかったけど、ラティストはちゃんと勝つことが出来た。

 あのどす黒いモンスターか何かも。

 悪い精霊についても全部。

 ラティストは自分の手で終わらせることが出来た。

 間に合って良かった良かったと、僕はエディやエリーちゃんと安心していたら、ジェイドも安心したのか大きくため息を吐いた。


「あぁ~……間に合ってよかった」

「聞くが、気づかずにルカの魂がとられていたら……どうなっていたんだ?」

「……死滅だけじゃなく、魂自体も消滅してた」

「マジでよかった!」


 エディの言葉に僕とエリーちゃんもうんうんと頷く。カウルの方は、大粒の涙のようなものをぼろぼろこぼしていた。床には落ちずにくるくる繰り返していた感じ。


「よかったでやんすぅ!」

「うんうん。これで……ラティストがルカリアちゃんの魂を戻せば、あとは計画通り?」

「計画って?」

「ラティストがルカリアちゃんへのデート申し込み計画」

「なにそれ!?」

「……兄さん出来るの?」

「「……やろうとしたら、ルカリア(ちゃん)が倒れた」」

「……ラティストぉ」

「……兄さん、どんな誘い方したの。そりゃあ、あいつにつけ込まれるよ」


 だそうです。ラティスト、ちょっとドンマイ!

 あとは、ラティストがルカリアちゃんの魂を解放して元に戻すだけ。

 水鏡を見直すと……ラティストが愛おしそうに赤い光の玉を抱えていた。恋をしたら、表情が変わるって聞くけど……基本的に無表情なラティストも変わるんだ。

 絶対うまくいってほしいって、僕も改めて思ったよ。

 ラティストは玉を壊さないように抱えてから……ゆっくりと飛んで現実世界に戻るようだった。

 それから数分もしないうちに、天井が赤く光って……光の中から二つの線が飛び出し、ベッドに寝ているラティストとルカリアちゃんにそれぞれ向かっていく。瞬時に包み込まれ、ラティストもだけどルカリアちゃんの顔の血色が元通りになっていったのです!!


「……迷惑をかけた」


 ラティストの方がすぐに起き上がり、僕は……僕は。

 うれしさとか色んな感情が昂ってしまい、いっしょに飛んだカウルと彼に抱きついたのだ!!


「ラティストー!」

「兄さんー!!」


 ぎゅーって抱きついたら、ラティストは当然びっくりしてたけど。僕らがどれだけ心配していたかわかったのか、すぐに『ありがとう』と言ってくれた。

 そして、ルカリアちゃんだけど……ちゃんと顔色は元通りになってもラティストのように大精霊じゃないから、すぐに起きなかった。

 なので、ラティストに任せて僕らは部屋を出ることにしました。ジェイドはもう大丈夫からと、お師匠さんのとこに帰って行ったよ。
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