385 / 603
第385話 師匠も知る
しおりを挟む
なんと言うことだ。
「……本当か? ロイズ」
「マジもマジの大マジ」
魔法蝶にて、『ちょっとそっちに行く』との通達があったもので……まあ、最近リア充になった幼馴染みのロイズを招き入れたのだが。
聞かされた内容が、我が弟子のケントに関するものだったが……驚き以上にど肝を抜かれたものだった!?
「子どもに……特殊なスキルだとぉ!?」
「俺の鑑定眼鏡にもステータスが出た。実際製造出来たし、ポーションパンを作れるのはケントに加えてリトって奴が出来たってとこだ」
「……私とて出来ないのに」
「お前さんは、今までのポーションで充分信頼されているだろう?」
「複数の効能は、そこまで出来んぞ!?」
あのイケメン神めぇ。
私には鑑定のスキルを付与させた以外、特に動きもなかったのに……何故私ではなく、そんな子どもに付与させたんだ?
単純に若い人材での育成を兼ねてか?
聞くに、リトという少年は学舎を卒業する年頃……八歳だぞ? 英才教育するなら、たしかに適任ではなくもないが。
よく、ケントもだが弟子として承認したな? まあ、ひとりじゃなくラティストらが居るから大丈夫だと思ったのだろう。
「まあ。いきなり、その規格外を叩き出したが」
「……S級になったとは言え、私必要あるか?」
「あるだろ? お前さんのは、最近味改良してから雇用客増えたじゃねぇか?」
「……まあな」
レイアのことがきっかけで、私自身は元来のポーションに『味』をつけた。
飲みにくいが基本だったポーション……薬へ、甘みや酸味のある飲み物へと改良することを研究し出したのだ。これは、ほとんどレイアのためだ。目の呪いは消え去ったが、いつ何時……似たことが起きるかはわからない異世界だ。
犯罪手口は、下手すると日本よりえぐいファンタジー世界。
ケント自身は食べ物として実現できても、『食材』だから固有の亜空間収納の魔法がないと腐敗しやすい欠点がある。
だから、元からあるポーションは腐敗進行が遅いので、まだまだ上流貴族などは私への依頼を減らしたりはしない。
と言うことで、少しずつだが味改良をしたわけである。
おかげさまで、噂を聞きつけて貴族の一部から新たな顧客を得たのだ。
イシュラリア伯爵からのルートを通じて、その幅も増えた。だから、近いうちに仕事が落ち着いたし……レイアとデートに行くつもりだ。そろそろそれくらいしても良いはず……だ。
「けど、ケントに弟子が出来るっつーことはだが」
ロイズは、ジェイドが淹れてくれた茶をひと息で飲み、大きくため息を吐いた。その意味は、幼馴染みとしてすぐに察せた。
「……まだ子どもだが、私やケントが異世界からの転生者だと言う事情を、伝えることか」
「それにラティストらのこともだ」
「……頭が痛いな」
「素直な性格だが……吹聴しないようにも言い聞かせてやらなきゃな」
秘密の一部である、ケントの固有スキル『オープンキッチン』はリトの両親にも知られたが。
物分かりの良い人間なので、そこは口止めさせているらしい。しかし、それでも人間に完璧はそうそう存在しない。
陛下も『エディ』としていらしてたそうだから……対策は考えているだろうな?
「……本当か? ロイズ」
「マジもマジの大マジ」
魔法蝶にて、『ちょっとそっちに行く』との通達があったもので……まあ、最近リア充になった幼馴染みのロイズを招き入れたのだが。
聞かされた内容が、我が弟子のケントに関するものだったが……驚き以上にど肝を抜かれたものだった!?
「子どもに……特殊なスキルだとぉ!?」
「俺の鑑定眼鏡にもステータスが出た。実際製造出来たし、ポーションパンを作れるのはケントに加えてリトって奴が出来たってとこだ」
「……私とて出来ないのに」
「お前さんは、今までのポーションで充分信頼されているだろう?」
「複数の効能は、そこまで出来んぞ!?」
あのイケメン神めぇ。
私には鑑定のスキルを付与させた以外、特に動きもなかったのに……何故私ではなく、そんな子どもに付与させたんだ?
単純に若い人材での育成を兼ねてか?
聞くに、リトという少年は学舎を卒業する年頃……八歳だぞ? 英才教育するなら、たしかに適任ではなくもないが。
よく、ケントもだが弟子として承認したな? まあ、ひとりじゃなくラティストらが居るから大丈夫だと思ったのだろう。
「まあ。いきなり、その規格外を叩き出したが」
「……S級になったとは言え、私必要あるか?」
「あるだろ? お前さんのは、最近味改良してから雇用客増えたじゃねぇか?」
「……まあな」
レイアのことがきっかけで、私自身は元来のポーションに『味』をつけた。
飲みにくいが基本だったポーション……薬へ、甘みや酸味のある飲み物へと改良することを研究し出したのだ。これは、ほとんどレイアのためだ。目の呪いは消え去ったが、いつ何時……似たことが起きるかはわからない異世界だ。
犯罪手口は、下手すると日本よりえぐいファンタジー世界。
ケント自身は食べ物として実現できても、『食材』だから固有の亜空間収納の魔法がないと腐敗しやすい欠点がある。
だから、元からあるポーションは腐敗進行が遅いので、まだまだ上流貴族などは私への依頼を減らしたりはしない。
と言うことで、少しずつだが味改良をしたわけである。
おかげさまで、噂を聞きつけて貴族の一部から新たな顧客を得たのだ。
イシュラリア伯爵からのルートを通じて、その幅も増えた。だから、近いうちに仕事が落ち着いたし……レイアとデートに行くつもりだ。そろそろそれくらいしても良いはず……だ。
「けど、ケントに弟子が出来るっつーことはだが」
ロイズは、ジェイドが淹れてくれた茶をひと息で飲み、大きくため息を吐いた。その意味は、幼馴染みとしてすぐに察せた。
「……まだ子どもだが、私やケントが異世界からの転生者だと言う事情を、伝えることか」
「それにラティストらのこともだ」
「……頭が痛いな」
「素直な性格だが……吹聴しないようにも言い聞かせてやらなきゃな」
秘密の一部である、ケントの固有スキル『オープンキッチン』はリトの両親にも知られたが。
物分かりの良い人間なので、そこは口止めさせているらしい。しかし、それでも人間に完璧はそうそう存在しない。
陛下も『エディ』としていらしてたそうだから……対策は考えているだろうな?
21
お気に入りに追加
513
あなたにおすすめの小説

異世界転生漫遊記
しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は
体を壊し亡くなってしまった。
それを哀れんだ神の手によって
主人公は異世界に転生することに
前世の失敗を繰り返さないように
今度は自由に楽しく生きていこうと
決める
主人公が転生した世界は
魔物が闊歩する世界!
それを知った主人公は幼い頃から
努力し続け、剣と魔法を習得する!
初めての作品です!
よろしくお願いします!
感想よろしくお願いします!

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる