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第311話 呪いの歌

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 欲しい。

 欲しい欲しい欲しい。

 あの子が欲しい。

 あの子が欲しくて仕方がない。

 可愛い。

 美しい。

 キレイキレイ。

 だから……映さないで。

 その目に、他を映さないで。

 僕だけ、僕だけ。

 どうか目にしないで欲しいのに。

 なんでなんで。

 そいつのところへ行く?

 見えたいの?

 見えないで欲しい。

 だからだから。

 呪おう。

 呪歌を歌おう。

 目にするな、目にするな。

 我が愛し子。

 生まれた時から……君は、お前は。

『僕』のモノなんだから。

 繋げ繋げ。

 呪いの歌を。

 身体を。

 魂を。

 僕のところへ。

 導け。

 もういいだろう。

 街で過ごす時間は充分に与えた。

 だから……いいでしょう?

 僕のところへ……おいで?
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