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第299話 誕生日デート①

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 唐揚げ。

 フライドポテト。

 卵焼き。

 おにぎりたくさん。

 パンは今回はおやつも兼ねてだけど、おやきみたいなのにしてみたんだ。

 ポーションとしては、体力大回復・魔力中回復・裂傷完治……だったかな?

 中身は、あんこ、かぼちゃ餡、肉まんの具ぽいの。

 中華点心も、学校でちょこっと習ったから……今度挑戦するつもり。なんでも有りかはわかんないけど、イケメン神様の気まぐれもあるからだろうし?

 とりあえず、腹ごしらえだ!

 けど、その前に。


「エリーちゃん、お誕生日おめでとう!!」

「え?」


 まずは、これを言ってからじゃなくっちゃ!

 エリーちゃん自身は予想外だったからか、『へ?』って顔になったんだよね?


「ロイズさんに聞いたんだ。今日はエリーちゃんの誕生日だって」

「……忘れてたわ」

「だから、お祝いしようと思って!」

「……わざわざ?」

「エディは別らしいけど、別に普通の人達が祝っちゃダメもないでしょう?」

「……まあ、そうね?」


 だから、誕生日プレゼントに用意していた……例の指輪の箱を出して。

 エリーちゃんに渡してあげれば、綺麗な目を丸くしちゃった。


「皆で協力して作った誕生日プレゼントなんだ」

「……みんな?」

「うん。いつもの皆で」


 開けてみてと伝えると、エリーちゃんはゆっくりと箱の蓋を開けてくれた。

 で、中の指輪を見てくれたんだけど。


「……これ」


 と言って、目から大粒の涙をこぼしていったんだ!?


「え、え!? どうしたの!?」

「ご、ごめ……い、いやじゃないの」

「う、うん?」

「……うれしいの」


 ぐずぐずって声にはなっていたけど、ほっぺは真っ赤で……よーく見てみるとたしかに嬉しそうな表情だった。


(ってことは、嬉し泣き?)


 そうであったのなら、よかったよ。


「……うん。僕もだけど、大事なエリーちゃんのために皆協力してくれたんだ」

「……ありがとう」


 涙が止まったら、エリーちゃんはもっと笑顔になってくれて。

 僕が指輪をはめていいか聞くと、『お願い』と頼んできた。とりあえず……こっちの世界の指輪の習わしは知らないけど。

 左の薬指に、はめてあげたら……サイズはぴったし、キツくないってエリーちゃんが言ったから大丈夫だった!

 ただ、作った経緯とかを話したら……めちゃくちゃびっくりして、ひっくり返りそうになっちゃった。


「言い出しっぺはルゥさんだけど」

「……授与石の贅沢過ぎる扱いよ!?」

「まあ、ラティストは良いって言ってくれたし」

「……契約者の望みだもの」


 とりあえず……プレゼントはきちんと渡せたから、改めてご飯タイムにすることに。
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