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第286話 エリーの両親

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「あらあら、まあまあ! あなたがケントさんなのね!!」


 エリーちゃんのお家に行くこと決まって、お邪魔することになったんだけど。

 玄関を開けた途端、エリーちゃんをさらに大人にした美女さんがお出迎えしてくださって。

 多分だけど……年齢的にも、『お母さん』なのかな? 兄妹がいるとかは、エリーちゃんから聞いていないし。

 でも、出会い頭で僕が『ケント』ってわかったのは。

 エリーちゃんの横に、知り合い以外の『男』が立っているから。

 童顔ではあるけど……ちゃんと男ではあるんだ。美形加減だと、ラティストに比べればめちゃくちゃ劣るけどね?

 それでも……目の前の美女さんは気にしてないみたい。すっごく『大歓迎』って笑顔になっていたから。


「お母さん、彼がケントよ」

「ケントです。あの……はじめまして」


 エリーちゃんが改めて紹介してくれたので、挨拶すると……やっぱりお母さんだった女性にガシッと両手を掴まれた!?


「まあ、はじめまして!! 母親のリーリアよ!! エリーの恋人さんだって聞いているわ!! ちょっと可愛らしいけれど、凛々しい顔立ちね!!」

「え、え、え!?」

「……お母さん、とりあえず中入らせて」

「あら、そうね? お茶淹れてくるわ」

「あ……お茶菓子は持ってきてます」

「まあ、わざわざありがとう!」


 カウルのお手製クッキーが、収納魔法に入れっぱなしなのを思い出したからなんだけどね?

 お母さんこと、リーリアさんはスキップしながら奥に行っちゃった……。元気な人だなあ。


(……それにしても、おっきい)


 中に入らせてもらったんだけど……貴族じゃないが、豪族って地位のお家だから……三階建ての戸建てくらいあった。

 規模は、生産ギルドくらい?

 エントランスは結構広めで、階段を見上げていると男性が降りてくるのが見えた。


「おや、エリー? おかえり……そちらは?」

「ただいま、父さん。この人がケントよ」


 若いお父さんだ。

 ぱっと見た感じだと……ロイズさんより、ちょっと上くらい?

 綺麗なスカイブルーの短い髪の男の人。顔もかっこいい。

 エリーちゃんのお家って美形揃い? エリーちゃんもめちゃくちゃ美人さんなのは当然だけど。


「ケントです。はじめまして」


 とりあえず、お父さんにも挨拶すると……ドタバタと音が聞こえてきたので、顔を上げたらいつのまにかお父さんが目の前に!? んでもって、リーリアさんの時と同じように手を掴まれた!?


「礼儀正しい青年だね! 顔立ちも素晴らしい!!」

「え?」

「……父さん、はしゃぎ過ぎ」

「今までの交友とも違うじゃないか!!」

「友達でもあるけど、ケントは特別!」

「だろうね!」


 とりあえず……ご両親への第一関門で多い、印象とか見た目はクリアってことかな?

 そのあとは、お茶にしようとお父さんの案内でリビングに行くことになりました。
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