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第249話 家族の秘密

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 なんと……なんと言うことでしょうか。

 たしかに……ケント様は、創始の大精霊様の……契約者ではありますが!

 あのように……気兼ねなく接しておられるなど! 陛下もご存知なかったようですので、驚かれていらっしゃいました!!


「お、おい。ケント?」


 なので……陛下が、真っ先にケント様へお声掛けされました。


「? なーに?」

「君、一応とは言え……創始の大精霊にいつもそんな感じか?」

「そうだよ? 家族なんだから、分け隔てなくしなきゃ」

「ぷ! 家族か……」


 器が大きいのですな。

 ですから……創始の大精霊様と言えど、契約者を嗜めたりしない。

 ラティスト様は……軽く頭をさすっていらっしゃるだけでした。


「……家族、ですか」


 イシュラリア伯爵のご令嬢。ルカリア様は……思い知ってしまったのでしょうな?

 彼らの絆を……踏みにじるなど、出来ませんからなあ。

 陛下も納得されたのか、ラティスト様に少し近づいていらっしゃいますし。


「……改めて。この国の若輩者だが、王を務めているエリシオンだ」

「……いつも通りで構わぬ」

「……良いのか?」

「ケントの友だろう?」

「……んじゃ! よろしく!! ラティスト!!」

「僕もいいよー?」

「マジで!?」


 とは言え、ご許可をいただけても馴染むのがお早いですな!?

 創始の大精霊様の一角、ジェイド様からもご許可をいただけるとは……やはり、私めがお育てさせていただいた陛下のご器量は間違っていなかったのですな!!


「……ギルハーツ様。泣き過ぎですよ」

「ずびまぜん!!」


 あまりの陛下のご成長を嬉しく思う気持ちと一緒に、涙が抑えきれませぬぅ!!


「ケン兄さんの罰はこれでも軽い方でやんすよ?」


 と、下の方から独特な話し声が。

 振り向きますと……薄青のスライムがいましたね? たしか……ケント様がテイムされてる『獣魔』?


「……あなたは?」

「あっしは、しゃべれるスライムのカウルでやんす。ケン兄さんのポーションパンのお手伝いさせていただいていやす!!」

「あ! カウルがいないとほとんどのポーションパン作れないんですよ」

「「なんと」」


 ケント様自身の技術だけでなく……テイムした獣魔の役割もあって。

 これは……機密事項にもなりますな?


「けど、カウルをどう使うんだ?」

「……ちょっとそこは」

「王の機密事項にしとくから!」

「……エディ」


 陛下、まだ驚きで正常な判断が出来ぬ私めを困らせないでください!!


「色々複雑なので……せめて、リオーネの店にお越しください」


 と、ヴィンクス殿の助言により……陛下も仕方がないと苦笑いされました。助かりましたぞ!!
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