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第245話 授与中もアクシデントが

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「是非、受け取ってくれ」


 あのおじいさんが……ディルックさんと一緒に僕の前に来てくださって。

 綺麗な蓋のない箱に……すっごい細工が細かい、メダル? ブローチ? のようなものがあった。

 おじいさんが、ディルック様に箱を持たせて……そのブローチを手に取った。


「少々動かれぬように」


 おじいさんがそう言ったので、僕はじっとしておくことに。

 ちゃんと上着につけられると……ブローチがもともと服に合わせたんじゃないかってくらいにぴったりだ。

 これで、式典が終わりかな? と思っていると。


「「だあああああああああああ!!」」


 後ろから凄い声が聞こえてきて……びっくりして振り返ると、ラティストとジェイドが細っこいおじさん達を足蹴にしてた?


「……油断してる暇がなかろう」

「僕らの大事な人間を、勝手なことに使おうとするのはいただけないねぇ?」


 どうやら……まだ隠れてた、僕とかを捕まえようとしてたお貴族さん達がいたみたい?

 なんでこのタイミングに?


「……余の友を、如何様に利用しようとする者は。即刻牢獄行きだ!」


 エディもぷぷんすかぷんって感じに怒っているよ。

 それだけ……僕を『友達』って思ってくれているんだ。嬉しいよ!!

 とりあえず……他にもおバカさんなことをしようとしていたお貴族さん達も捕まり。

 僕らはエディについて行くことになり、エディの部屋に案内されました。


「ここ……仕事部屋?」


 立派なデスクに、応接スペースがあるからそう思ったんだけどね?


「そうさ。俺が普段、仕事している部屋だ」


 で、エディは『ん』と両手を前に出したから……言いたいことはわかった。


「……エディ」

「だって! ケントのパン食えるんだろ!?」

「……一種類は一緒に食べたでしょう?」

「他はまだだ!!」

「……はぁ」


 お師匠さん以上に、食いしん坊さんなんだから。

 けど……作ってきたのは本当だから、収納魔法から出す前に……おじいさんことギルハーツさんに食器の手配をお願いして。

 揚げメンチカツバーガー、カレーパンにあんぱん各種を用意させていただきました!


「すっげ!! すげぇよ!!」

「……どちらも存じ上げぬパンばかりですな?」

「ええ、宰相殿」

「素晴らしいですわ!!」


 エディとギルハーツ様以外にも、ディルック様やお嬢様もご一緒。

 よーく見ると、ディルック様の面影がお嬢様にあった。多分……親子なんだろうね?


「で! 私は最適な飲み物をご用意させていただきました!!」


 お師匠さんのは、言わずもがな……コーヒー牛乳のことです。

 ピッチャーひとつ分、亜空間収納に入れてあったようです……。
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