スライムからパンを作ろう！〜そのパンは全てポーションだけど、絶品！！〜

第241話 式典衣装

　国王さまへの献上品にと考えたメインのパンが、甘いのも塩っぱいのも決まり。

　あと数日だけど……服もちゃんと用意しなくちゃ。

　エディにほとんど買ってもらったのが多いけど。


「……うーん。どれがいいんだろう？」


　僕、転生してもお師匠さんと違って日本人の童顔だから……服に着られているような気がするんだよね？

　色は、セットで買ったものだと……黒、紺、緑の三種類が無難だと思っているけど。


「せっかく、エディはんと選んだなら……どれでも似合うでやんすよ？」

「そうかもだけど」


　国王様だよ？

　僕とかと同じ歳らしいけど……ちゃんとした式典にお呼ばれされちゃったんだ。

　失礼のないようにしたい！！


「…………ケントなら、緑ではないか？」


　カウルとは違って、ラティストは具体的な提案をくれた！


「そう？」

「……俺も顕現した姿で行く。俺は大精霊の装いで出るつもりだ。俺が黒だから、ケントには色味のついた方がいいのではないか？」

「ありがとう、ラティスト！！」


　国王様にラティストのことを話すかはわかんないけど……お師匠さん以外にも一緒に来てもらえるなら心強い！！

　カウルも連れて行くけど……玉座のところはダメかなあ？　僕の獣魔だけど……一応スライムだし。

　とりあえず……試着した以来の服を着てみると、カウルから拍手があった。


「お似合いでやんすぅ！」

「……俺が立てば」


　ラティストが瞬時に、あのマントの形が独特の……真っ黒い衣装にチェンジして僕の横に立ってくれた。カウルから、また拍手が。


「これでいい？」

「大丈夫でやんすよぉ」

「じゃ、決定！！」


　あと……三日後くらいだけど。

　お城……どんなとこなんだろう？

　国王様って……どんな人なんだろう？

　ポーションパン達……喜んでもらえるといいなあ？

　ディルック様から、一度は食べてもらったとは聞いたけど。ちなみに、ディルック様は……時々だけど、ご来店いただいています。他にも、お貴族様は……常連だとあの可愛らしいお嬢様とか。

　風邪以来だけど……数日お店はお休みにするから。

　しっかり……お城では粗相のないように頑張らなくちゃ！！


「……ケント」

「うん？」


　服が決まったから、クローゼットに戻そうとしたら。ラティストがお腹をさすったのだ。


「……腹が減った」

「はいはい。今日はハンバーグドリアだからね！」

「ドリアでやんすぅ！！」

「手伝う！！」


　お米もうちじゃライスバーガー以外に浸透してきたから……こういうジャンキーなご飯も定番になってきた。

　だって、肉体労働だから……すぐにお腹ぺこぺこになるんだもん！！

　今日も明け方から夕方までたっぷり働いたもんね！！

　すぐに作ろうと……クローゼットを閉めてから、全員で階段を降りた。