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第210話 マブダチの考察

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 ケントもケントだが……こっちもこっちだ。


(…………お互いに、ヘタレ過ぎねぇか?)


 面白いぐらいに、ベタな展開過ぎるぜ!

 ランクB冒険者の、エリザベス=バートレイン。

 出自は、豪族では知名度が高いバートレイン家の令嬢。

 しかしながら、家に固執せずに冒険者として活躍したい夢を持ち……今に至る。俺が爺や伝に調べた彼女の情報は、だいたいそんな感じだ。

 可もなく不可もなく……まあ、令嬢の枠は越えているが実力は確か。

 ケントの護衛には、ラティストもいるが……実質的な護衛にもぴったり。とは言っても、店の護衛は別の冒険者が担当している。エリザベスを専属の護衛にすると……ギルドが回らないだろうからなあ?

 今のところ、スタンビートのような異常事態も俺のとこに報告はない。

 俺の暗殺を付け狙う、糞貴族連中もだいぶ減ってきた。

 とくれば、今しかケントらの悩みを解決出来る絶好の機会と言うわけだ!!


「に……似合い?」


 んで、エリザベスの方も……自分がケントにふさわしいか自信がないときた。

 ケントもだが……なんで顔良い奴って自分に自信がねぇんだ? 貴族令嬢じゃないにしても……それなりに美しい顔立ちなのに。ケントは言うまでもなく。

 なのに、似た者同士と言っていいくらい……自分の顔に頓着し過ぎてねぇか?


「おー、そう思うぞ? シェリーらは?」


 一緒に来てた二人にも聞けば、首を強く縦に振ってくれた。


「「お似合いです!!」」

「え、えぇえ?」

「周りもこう言ってんだぜ? 自信持てよ?」

「……あ、ありがとう?」

「「「なんで疑問!?」」」


 ちぃっとばっかし、色々面倒臭せぇなあ!?

 とにかく……俺はエリザベスの頭を軽く撫でてやることにした。


「応援する人間は多いんだぞ? その気持ちに応えてやってくれよ」

「……そう言うもん?」

「そーゆーもんだ」


 まあ、俺もあんまこいつらの事言えた事はねぇが。

 そっちはなんとかする。近々だけどな?


「エリー、風邪治ったらケントさんのお店に行こう!! で、デートに誘うのよ!!」

「……シェリーぃ」


 先日、ランクCに上がったばっかの……『魔闘士シェリー』。見た目は、可愛さだとエリーより上だが……腕っぷしはエリー以上かもしんねぇ。

 この嬢ちゃんは、あの『閃光のジェフ』と既にくっついているらしい。それにも、エリザベスやケントが関わったそうだが……その恩返しも兼ねて、二人に協力しているのだろうな?

 ケントは……不思議な奴だ。

 俺が気にいるくらいの器量持ちもだが……周囲に良い影響を与えてくれる。

 ポーションパンっつー、革命的な回復薬の精製もすげーことだけど。

 あいつ自身も……色々すげぇよ。

 だから……マブダチとして、エリザベスとの恋は全力で応援するぜ!! で、くっつけさせる!!
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