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第198話 酔っ払い①

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「エリー!?」


 ジェフさんが声を上げたので振り返れば。

 エリーちゃんが、お酒を一気飲みしているところだった。いい飲みっぷりだと思ったんだけど……そこから、すぐに彼女の顔が真っ赤になっちゃった!?


「おまっ!?」

「勢いよく飲んだな!?」


 レイザーさんも驚くぐらいだから……めちゃくちゃ強いお酒だったのだろう。もしかして、ウィスキーくらいに強いのを!? なんでいきなり!?


「め……目が、回るぅ?」


 アルコールの回りが早くて、すぐにへべれけになっちゃった!?

 体もふらふらになったし、さらにお酒を飲もうとした彼女の手からレイザーさんはすぐに瓶を奪い取った。


「やめろ!? こいつはちびちび飲むもんだ!!」

「え~~? もっと飲みたぁい」

「水飲め!」

「え~~?」


 どうしよう。

 不謹慎だとは思うんだけど。

 ふにゃふにゃのエリーちゃんが……めちゃくちゃ可愛く見える!!

 赤い顔とか。

 目がとろんとしてるとことか。

 可愛い恰好と相まって、めちゃくちゃ可愛い。

 レイザーさんから瓶を取り返そうとはしてるが……ここはひとつ。

 僕は、レイザーさんから瓶を奪い取った。


「あ? ケント?」

「僕に任せてください」


 レイザーさんにその気はないだろうけど。

 可愛いエリーちゃんが、他の男の人に縋りつこうとするのは……僕が片想いであっても、見ていて非常に面白くない。

 だから……その役目を僕に譲って欲しかった。

 はっきり言うと、彼も僕の言葉の意味がわかったのか、すぐに苦笑いになってくれました。


「お~さ~け~」


 とりあえず、エリーちゃんをなんとかしてあげなくてはいけない。

 瓶が僕の手元にあるので、こっちに来たエリーちゃんが届かないように上に持ち上げた。


「ダメだよ、エリーちゃん。お水とか飲もう?」

「……お酒」

「ダメだよ? ゆっくり飲まなかったんだから、明日二日酔いで体調崩すのは君だよ?」

「……えー」

「ジュースとかパンもあるんだし、そっちにしよう? ね?」

「……ケントが、言う……ならぁ」


 しゅんとなる表情も可愛いけど……なんとか、言う通りにしてもらえそうだ。

 と思ったら、エリーちゃんがいきなり僕に抱きついて来たぁ!?


「はへ!?」

「じゃ、ケントとぉ。一緒にいるぅ!」

「い、いやいやいや!? エリーちゃん!!?」


 どうして、僕に抱きつく理由になるの!?

 他の人達を見ても、『諦めろ』って苦笑いされちゃったぁ!?


「んふー、ケント……パンのいい匂い!」

「そ、そりゃ……毎日作っているから」


 好きな子から何というご褒美……じゃなくて!?

 この状況をどう解決すればいいんだぁあ!!?
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