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第165話 忘年会スタート前

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 三角雪は、それからもちらほら降ったけど。

 最初のドカ雪に比べると……だいぶ落ち着いたと思う。雲が、うまいこと商業区から逸れたかもしれない。

 そして……今日はいよいよ!


(営業が終わったら……ギルドで忘年会だ!!)


 急拵えだけど……僕なりのプレゼントも用意出来たもんね!

 もちろん、カウルやラティストのも。

 さらに……提案者と言うこともあり、ビンゴゲームのカードも参加者全員分!

 夕方になり、お店の片付けをしてから……いざ、生産ギルドへ出発!!


「ご馳走でやんすかあ」

「ねー!」

「……ケントも上機嫌だな」

「ラティストこそ」


 参加費とかは、僕がポーションパンとビンゴの準備をすることで無しになっている。

 だから……ギルドに行かないとどんなご馳走が待っているかわからない。

 美味しいものだと言うのは、ロイズさん監修だから間違ってはないと思うけど……ロイズさんが作るのかな? 料理をするかどうかは、あんまり聞いていないけど。

 エリーちゃんも出来ないわけじゃないが、凝ったものは出来ないって聞いたことがある。

 ルゥさんは……勝手な想像だけど、ダークマターを製造しそうな。本当に勝手なイメージだけどね?

 参加だけど、エディを誘いたかったが……またもや忙しくなっているのか、『行けねぇ!!』とだけ、魔法蝶で返事があったのみ。

 年明けの頃に落ち着いたら……また、一緒に遊びに行きたいなあ?

 それか、一緒に料理するのもいいかも。エディは器用なんだよね?


「つーいたでやんすー」


 僕に抱っこされたままのカウルが声を上げるまで、僕は考え込みながら歩いていたようだ。本当に、リオーネの生産ギルドにいつも間にか到着していた。


「あら、ケント達も今着いた?」


 後ろから、エリーちゃんの声が聞こえてきた。

 振り返れば、いつもの冒険者の服装じゃなくて……もこもこフリースとかの可愛い格好! 女の子らしい服装……見るの多分僕は初めてかな?


「こんにちは! 可愛いね、エリーちゃん!」

「そ、そう? ありがと……」


 照れちゃう顔も可愛いけど、ここで突っ立っているわけにもいかないので……さっさと中に入ろう。

 いつもの受付のお姉さんが、上へどうぞとすぐに通してくれました。


「よく来たな!」


 呪いが解けたことで、今日もイケメンのロイズさんは……僕が来るなり、頭をガシガシと撫でてくれた。あと、カウルにも。

 エリーちゃんはせっかく可愛くヘアメイクしてるし、ラティストはそもそも嫌がるだろうからねぇ?


「お師匠さんとかは?」


 ルゥさんもいないので……まだ忘年会は開始じゃないのかな?


「……いるぞ」

「わひゃ!?」


 いつ後ろにいたのか、テンションのひっくいお師匠さんの声が耳元で聞こえてきた!?


「アタシも来たわよーん?」


 ルゥさんも後ろから来たので……びっくりしたぁ!!

 どうやら、ほぼ同時に到着したことなので……上着を脱いでから全員で手分けして、忘年会のセッティングをすることにしました。
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