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第156話 御使の買い物
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さて、やっては参りましたが。
(……神も、わがままなものですが)
私とて、恩人であるあの青年が……異世界への転生を受け入れたとは言えど。
こんなにも早く、神がお望みの……世界への回復薬流通を計画していたことが実現してしまうとは。
私が、人間の少女へと化け、あの者……諏方賢斗の経営するポーションパン屋『スバル』の前に到着しました。
一見すると、ごく普通の店にしか見えませんが……中から感じる、大精霊の加護は凄まじいものです。
神に直談判に来た、あの創始の大精霊が……余程、ケントを気に入った証拠でしょう。
客足を見ると……昼過ぎと言うこともあり、だいぶ落ち着いている模様。
狙うなら、今ですね。
警護をしている冒険者達の様子も少し見てから……店内に入ってみます。
扉を開けると、久しく嗅いでいなかった……食事の匂いがしました。甘かったり、香ばしかったり……これは、水鏡越しに神が羨ましがるのも仕方がありません。
「あ、いらっしゃいませ」
声を掛けてくださったのは……ケントでした。私があの白猫だとは当然知らないでしょうから、気が付かなくても無理はありません。
私を助けようとした……あの時と同じ、そのままの姿で神は転生をさせましたが。どうやら、うまく馴染んでいるようです。
「……どうも。ここには初めて来るのですが。どのように商品を選べば?」
水鏡越しに見ていたとは言え、実際に購入するのは初めてですから。
その初めてを上手いこと利用しましょう。ケントとももっと話してみたいですし。
「あ、はい。そちらのトレーとトングを持ってください。それを使って……棚にある買いたいパンを乗せてから……僕のいるところに来てください」
「……なるほど」
実にシンプル。
ポーションと言う……希少なものでも、これらは食べ物。
薬品と違い、日持ちがしにくいために……このような購入方法なのでしょう。万引きなどの愚かな行為は……大精霊の加護があることで、すぐにひっかかりますしね?
外に居る冒険者らがすぐに連行してくれるようですし。
愚かな貴族らも……バックアップの伯爵以上に、国王が気に入った相手と言うこともあり、だいぶまびきが片付いている模様。
他国からの派遣も……友好国を筆頭に、同じような改革が進んでいるようです。
だから……まだ平和な営業をケントは出来ているのでしょうね?
とりあえず……なくなっているパンは多かったですが。
神が求めていた……『ケーキ』と言うのはきちんとありました。
値段は少し高めと言うこともあり、あまり減っていません。
あちこちを見てから……私はケントを呼ぶことにしました。
もちろん、ケーキを『すべて』購入するためです!
「……本当に全部でいいんですか?」
「……頼まれたもので」
「……あまり日持ちしませんよ?」
「亜空間収納はありますし、お金もきちんと払います」
「わかりました」
他にも『シチューパン』が二個程度あったので……無事購入出来ました。
持たされたお金はだいぶ使いましたが……神からの願いですから当然でしょう。
来た時同様に、ひと目のつかない場所で神域に戻れば……。
「おおお!!?」
と、品をすべて出せば……神は大層お喜びになられましたよ。
しかし……ケーキにはポーション効果は無いものの、予想以上の美味を私も堪能させていただきましたので、納得しました!
あと!
猫ですが、玉ねぎたっぷりのシチューパンと言うのも絶品過ぎです!!
(……神も、わがままなものですが)
私とて、恩人であるあの青年が……異世界への転生を受け入れたとは言えど。
こんなにも早く、神がお望みの……世界への回復薬流通を計画していたことが実現してしまうとは。
私が、人間の少女へと化け、あの者……諏方賢斗の経営するポーションパン屋『スバル』の前に到着しました。
一見すると、ごく普通の店にしか見えませんが……中から感じる、大精霊の加護は凄まじいものです。
神に直談判に来た、あの創始の大精霊が……余程、ケントを気に入った証拠でしょう。
客足を見ると……昼過ぎと言うこともあり、だいぶ落ち着いている模様。
狙うなら、今ですね。
警護をしている冒険者達の様子も少し見てから……店内に入ってみます。
扉を開けると、久しく嗅いでいなかった……食事の匂いがしました。甘かったり、香ばしかったり……これは、水鏡越しに神が羨ましがるのも仕方がありません。
「あ、いらっしゃいませ」
声を掛けてくださったのは……ケントでした。私があの白猫だとは当然知らないでしょうから、気が付かなくても無理はありません。
私を助けようとした……あの時と同じ、そのままの姿で神は転生をさせましたが。どうやら、うまく馴染んでいるようです。
「……どうも。ここには初めて来るのですが。どのように商品を選べば?」
水鏡越しに見ていたとは言え、実際に購入するのは初めてですから。
その初めてを上手いこと利用しましょう。ケントとももっと話してみたいですし。
「あ、はい。そちらのトレーとトングを持ってください。それを使って……棚にある買いたいパンを乗せてから……僕のいるところに来てください」
「……なるほど」
実にシンプル。
ポーションと言う……希少なものでも、これらは食べ物。
薬品と違い、日持ちがしにくいために……このような購入方法なのでしょう。万引きなどの愚かな行為は……大精霊の加護があることで、すぐにひっかかりますしね?
外に居る冒険者らがすぐに連行してくれるようですし。
愚かな貴族らも……バックアップの伯爵以上に、国王が気に入った相手と言うこともあり、だいぶまびきが片付いている模様。
他国からの派遣も……友好国を筆頭に、同じような改革が進んでいるようです。
だから……まだ平和な営業をケントは出来ているのでしょうね?
とりあえず……なくなっているパンは多かったですが。
神が求めていた……『ケーキ』と言うのはきちんとありました。
値段は少し高めと言うこともあり、あまり減っていません。
あちこちを見てから……私はケントを呼ぶことにしました。
もちろん、ケーキを『すべて』購入するためです!
「……本当に全部でいいんですか?」
「……頼まれたもので」
「……あまり日持ちしませんよ?」
「亜空間収納はありますし、お金もきちんと払います」
「わかりました」
他にも『シチューパン』が二個程度あったので……無事購入出来ました。
持たされたお金はだいぶ使いましたが……神からの願いですから当然でしょう。
来た時同様に、ひと目のつかない場所で神域に戻れば……。
「おおお!!?」
と、品をすべて出せば……神は大層お喜びになられましたよ。
しかし……ケーキにはポーション効果は無いものの、予想以上の美味を私も堪能させていただきましたので、納得しました!
あと!
猫ですが、玉ねぎたっぷりのシチューパンと言うのも絶品過ぎです!!
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