131 / 603
第131話 ワインとパン
しおりを挟む
一杯目のりんごエールって言うのは、ゆっくり飲んだけどジョッキを空にしてしまった。
もっと飲みたいなあ……と思っていると、エディから提案があった。
「んじゃ、次はハウスワインいくか?」
「ワイン?」
こっちにもハウスワインってあるんだ。僕が知っているのは、元バイト先でのメニューに載っていたからだけど。年齢の関係で試飲とかのテイスティングもしたことないけどね?
「パンとワインは欠かせねぇだろ? 勉強兼ねて飲んでみねぇか? 無理ならひと口でいいし、残りは俺が飲むから」
「……美味しい?」
「最初は渋味がきついだろうな? 慣れりゃ美味いけど」
「へー?」
ちょっと興味はあったので、その提案に乗ることにした。
なので、エディがおつまみの追加以外にパンも頼んでくれたんだけど……高級宿以外で、誰かのパンを食べるのは初めてかもしれない。
ぱっと見は、普通の丸パンだけど。
『……ケントのが美味い』
急に聞こえたイケボに、そう言えばラティストがついて来ているのをすっかり忘れていた。
ワインの方は、また別の小さな樽ジョッキに入ってあるのを出された。中身は赤ワインだ。
某宗教の救世主云々で、赤ワインとパンは切っても切れない関係とも言われているしね? この世界での宗教は聞いたことないけど。
あのイケメン神様のこともあるし、何かしらはありそうだ。
「一気にいくなよ? ちびっとずつでいい」
「……うん」
エディの注意をよく聞いて、まずはパンをちぎってひと口。
そんなに不味くは無いが、出来立てじゃないのでちょっとパサついている……コンビニとかのパンより下くらい?
けど、何も口にせずにお酒は良くないと思うので……飲み込んでから、ゆっくりとワインを飲んでみた。
かなり、度数は高いけど……これは。
(美味しい……!!)
エディは渋いって言ったけど、あんまり気にならない!!
甘くて濃厚な味わいで、僕は……ついついジョッキを傾けて、飲んでしまった!!
「お、おい? そんないっぺんに飲んで大丈夫か?」
「うん、平気」
いきなりアルコールが回ることもないし……もしや僕って、酔わない体質なのかな?
前世はともかく、今の僕はチート特典満載だし。
『……酒精は抜いておいた』
はい、そんなことありませんでした!!
ラティストがこっそりアルコール部分を抜き取ってくれてたみたい!!
でなかったら、アルコール中毒症状になっていたかもしれないや……気をつけようっと。
「ふーん? 初めてなのに、いけるクチか?」
「ま、まあ……明日二日酔いになるかもしれないし、この辺にしとくよ」
「そりゃそうだ。俺も最初はなったしなあ?」
「エディも?」
「おう。親父とかからドヤされた」
「へー!」
とりあえず、初の飲み会と言うのは楽しく過ごせそうで。
僕とエディは残ったおつまみを食べながら、色んな事をお互いに共有し合うのだった。
もっと飲みたいなあ……と思っていると、エディから提案があった。
「んじゃ、次はハウスワインいくか?」
「ワイン?」
こっちにもハウスワインってあるんだ。僕が知っているのは、元バイト先でのメニューに載っていたからだけど。年齢の関係で試飲とかのテイスティングもしたことないけどね?
「パンとワインは欠かせねぇだろ? 勉強兼ねて飲んでみねぇか? 無理ならひと口でいいし、残りは俺が飲むから」
「……美味しい?」
「最初は渋味がきついだろうな? 慣れりゃ美味いけど」
「へー?」
ちょっと興味はあったので、その提案に乗ることにした。
なので、エディがおつまみの追加以外にパンも頼んでくれたんだけど……高級宿以外で、誰かのパンを食べるのは初めてかもしれない。
ぱっと見は、普通の丸パンだけど。
『……ケントのが美味い』
急に聞こえたイケボに、そう言えばラティストがついて来ているのをすっかり忘れていた。
ワインの方は、また別の小さな樽ジョッキに入ってあるのを出された。中身は赤ワインだ。
某宗教の救世主云々で、赤ワインとパンは切っても切れない関係とも言われているしね? この世界での宗教は聞いたことないけど。
あのイケメン神様のこともあるし、何かしらはありそうだ。
「一気にいくなよ? ちびっとずつでいい」
「……うん」
エディの注意をよく聞いて、まずはパンをちぎってひと口。
そんなに不味くは無いが、出来立てじゃないのでちょっとパサついている……コンビニとかのパンより下くらい?
けど、何も口にせずにお酒は良くないと思うので……飲み込んでから、ゆっくりとワインを飲んでみた。
かなり、度数は高いけど……これは。
(美味しい……!!)
エディは渋いって言ったけど、あんまり気にならない!!
甘くて濃厚な味わいで、僕は……ついついジョッキを傾けて、飲んでしまった!!
「お、おい? そんないっぺんに飲んで大丈夫か?」
「うん、平気」
いきなりアルコールが回ることもないし……もしや僕って、酔わない体質なのかな?
前世はともかく、今の僕はチート特典満載だし。
『……酒精は抜いておいた』
はい、そんなことありませんでした!!
ラティストがこっそりアルコール部分を抜き取ってくれてたみたい!!
でなかったら、アルコール中毒症状になっていたかもしれないや……気をつけようっと。
「ふーん? 初めてなのに、いけるクチか?」
「ま、まあ……明日二日酔いになるかもしれないし、この辺にしとくよ」
「そりゃそうだ。俺も最初はなったしなあ?」
「エディも?」
「おう。親父とかからドヤされた」
「へー!」
とりあえず、初の飲み会と言うのは楽しく過ごせそうで。
僕とエディは残ったおつまみを食べながら、色んな事をお互いに共有し合うのだった。
50
お気に入りに追加
502
あなたにおすすめの小説
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ボーンネル 〜辺境からの英雄譚〜
ふーみ
ファンタジー
大陸の端に存在する小国、ボーンネル。
バラバラとなったこの国で少女ジンは多くの仲間とともに建物を建て、新たな仲間を集め、国を立て直す。
そして同時にジンを中心にして世界の歯車は動き出そうとしていた。
これはいずれ一国の王となる少女の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる