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第17話 天神様と寝起き
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少々驚く出来事はあったが……感謝してくれているのだから、ヨシとしておこう。
宿屋で一晩を過ごすのに……ベッドと言うので寝てみれば、最初に触った感触以上にふかふかで寝心地が良く。
気がついたら……朝になっていた。
今も人間ではないが、寝ようと思えば寝れるのだなと納得が出来た。
『……む、にゃ……』
枕の横で、フータが眠っていた。
彼がいることで、やはり私は神ではなく……異世界にいるのだなと実感が出来た。トビトの方は……と隣のベッドを見てみると。
「……あーあ」
寝相が悪いのか、布団は床に落ち……寝巻きはぐしゃぐしゃに着ている状態だった。寝るのは初めてとはいえ……なかなかにすごい。
これが妙齢の女性との同室だったら、相手の女性は顔が真っ赤になるだけで済まないだろう。私がなんとも思わない男でよかったものだ。
とりあえず……ベッドから起きて外の天気を確認するのに窓を覗いてみた。
「……晴れ、か」
異世界での生活がまだ二日目とは言え……この世界でも天候などは季節に左右されるらしい。四季はきちんとあり、乾季も雨季ももちろんあるのだとか。
今のところ……過ごしやすいのであまり実感がわかないが。
「……今日は、聖樹石の手がかりが見つかればいいけど」
世界樹が言うには、最低二年は今の状態を維持することは出来るらしい。だが、その期間もギリギリを保つ程度。
せめて、もっと早く石があれば……世界に根を張るあの樹を存在させることが出来る。
のんびりし過ぎも良くないので、出来るだけ早く見つけなければ。
私は伸びをしてから……今朝と昼は無料となった食事を堪能すべく、まずはトビトを起こすことにした。
「……とーびーとー、起きて~」
典型的に声を掛けてゆすってみたが……びくともしない。
寝返りを打つことも何もなく、静かに寝ていた。これでこの惨状を作ったとは信じられなかった。
「……朝ごはん、食べられなくなるよー?」
ちょっと揺さぶりの言葉を掛けてみると……少しだが、肩が震えてきた。
何度か左右に身体が動き……むくっと起き上がると、ぐしゃぐしゃの髪だったが、見目の良いトビトだからそんな姿も許されると思ってしまう。
実際は、きちんと身支度せねばいけないので許さないが。
「…………あ、る……じ」
「うん?」
「…………我、は」
「ぐっすり寝てたねぇ?」
おはよう、と告げれば……トビトはこくりと首を縦に振った。起きることは出来たが、まだ眠いのだろう。
なので、もう一度おはようと告げてから背中をぽんぽんと撫でてやれば……目が覚めたのか、梅干し色の瞳をパチパチさせた。
「……目覚めとは良いものですな」
「周りすごいけどね?」
寝相の悪さを指摘してあげれば……トビトは面白いくらいに顔を赤くさせてしまった。
寝巻きの方も見て……少しの間顔を手で覆ったが、そのあとにぐちゃぐちゃになった布団とかを直すのに動いてくれた。
なので、私はフータを起こすのに取り掛かったが。
トビト以上に深い眠りの中にいるのか、なかなか起きてくれなかったよ。
宿屋で一晩を過ごすのに……ベッドと言うので寝てみれば、最初に触った感触以上にふかふかで寝心地が良く。
気がついたら……朝になっていた。
今も人間ではないが、寝ようと思えば寝れるのだなと納得が出来た。
『……む、にゃ……』
枕の横で、フータが眠っていた。
彼がいることで、やはり私は神ではなく……異世界にいるのだなと実感が出来た。トビトの方は……と隣のベッドを見てみると。
「……あーあ」
寝相が悪いのか、布団は床に落ち……寝巻きはぐしゃぐしゃに着ている状態だった。寝るのは初めてとはいえ……なかなかにすごい。
これが妙齢の女性との同室だったら、相手の女性は顔が真っ赤になるだけで済まないだろう。私がなんとも思わない男でよかったものだ。
とりあえず……ベッドから起きて外の天気を確認するのに窓を覗いてみた。
「……晴れ、か」
異世界での生活がまだ二日目とは言え……この世界でも天候などは季節に左右されるらしい。四季はきちんとあり、乾季も雨季ももちろんあるのだとか。
今のところ……過ごしやすいのであまり実感がわかないが。
「……今日は、聖樹石の手がかりが見つかればいいけど」
世界樹が言うには、最低二年は今の状態を維持することは出来るらしい。だが、その期間もギリギリを保つ程度。
せめて、もっと早く石があれば……世界に根を張るあの樹を存在させることが出来る。
のんびりし過ぎも良くないので、出来るだけ早く見つけなければ。
私は伸びをしてから……今朝と昼は無料となった食事を堪能すべく、まずはトビトを起こすことにした。
「……とーびーとー、起きて~」
典型的に声を掛けてゆすってみたが……びくともしない。
寝返りを打つことも何もなく、静かに寝ていた。これでこの惨状を作ったとは信じられなかった。
「……朝ごはん、食べられなくなるよー?」
ちょっと揺さぶりの言葉を掛けてみると……少しだが、肩が震えてきた。
何度か左右に身体が動き……むくっと起き上がると、ぐしゃぐしゃの髪だったが、見目の良いトビトだからそんな姿も許されると思ってしまう。
実際は、きちんと身支度せねばいけないので許さないが。
「…………あ、る……じ」
「うん?」
「…………我、は」
「ぐっすり寝てたねぇ?」
おはよう、と告げれば……トビトはこくりと首を縦に振った。起きることは出来たが、まだ眠いのだろう。
なので、もう一度おはようと告げてから背中をぽんぽんと撫でてやれば……目が覚めたのか、梅干し色の瞳をパチパチさせた。
「……目覚めとは良いものですな」
「周りすごいけどね?」
寝相の悪さを指摘してあげれば……トビトは面白いくらいに顔を赤くさせてしまった。
寝巻きの方も見て……少しの間顔を手で覆ったが、そのあとにぐちゃぐちゃになった布団とかを直すのに動いてくれた。
なので、私はフータを起こすのに取り掛かったが。
トビト以上に深い眠りの中にいるのか、なかなか起きてくれなかったよ。
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