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第一章
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「……。」
「おはよう。」
翌朝昨日と同じ時間に図書館に行けば、僕と同じような手提げを持ったひょうちゃんが腕を組んで立っていた。
「だいぶと待たせてしまったかな?」
「いや。」
数少なげに答えるひょうちゃんはどこかぼんやりとしているようだった。
僕はそれをじっと見つめ。
「もしかして、眠い。」
「ああ。」
くあっと欠伸をするひょうちゃんはどこか無防備で可愛かった。
「どうしよう、家に帰る?」
「……。」
僕の言葉にひょうちゃんはゆるゆると首を横に振る。
「家にいても面倒なだけだから、いい。」
「そう?」
「ああ。」
「だったら、中に入ろうか?」
コクリと頷くひょうちゃんを見てから僕たちは図書館の中に入る。
そして、たまたま昨日と同じ席が空いていたので、そこの席にカバンを置く。
「御神くんはどこまで宿題を終わらせた?」
「全然。」
「……大丈夫なの?」
「ああ。」
僕は本当かなと疑いたくなったが、泣くのは表ちゃんなので、僕は何も言わない事にした。
「お前は?」
「後は国語と、社会だけだよ。」
「そうか。」
「それじゃ、始めようか。」
僕たちは黙々と進めていく。
そして、一時間ほど経ち、僕は手持ちの教科書では分からない部分が出てきたので、資料を探そうと立ち上がろうとしたら、ひょうちゃんに手首を掴まれる。
「……。」
「どこへ行く。」
鋭い視線に僕は目を見開く。
「どこって、欲しい資料を探しに行くんだけど?」
「……。」
ジッと僕を見つめ、真偽を疑っているようだった。
「君はこんなにも机の上に教科書やノートを広げる人間がどこかに消えると思うの?」
「……。」
僕の言葉にひょうちゃんはハッとして、周りを見渡した。
そして、苦虫を噛み潰した顔をしたひょうちゃんはおとなしく僕の手を放す。
「わりぃ。」
「……。」
今日のひょうちゃんは情緒不安定だ。
僕は宿題の残量と休みの日数を考え、何とかなると判断してまた座る。
「……。」
「お前?」
「今の時間だったら母親はいないから僕の家に来ない?」
「……。」
目を見開くひょうちゃんを見て、今日はえらく表情に出ているなと思う。
と言っても、他の人には分かりにくい程度なので何ともいえないけども。
「相談に乗るよ?」
「……。」
「どうする、来る?」
僕が尋ねると、思案するような顔をする。
君が何を考えているのか僕には分からない。
どのくらい経ったのだろう。
一分。
数分。
十分。
そのくらい経ってから、ひょうちゃんは躊躇するように小さく、小さく頷いた。
こうして、僕は本当に久しぶりにひょうちゃんを自宅に呼ぶことになった。
「おはよう。」
翌朝昨日と同じ時間に図書館に行けば、僕と同じような手提げを持ったひょうちゃんが腕を組んで立っていた。
「だいぶと待たせてしまったかな?」
「いや。」
数少なげに答えるひょうちゃんはどこかぼんやりとしているようだった。
僕はそれをじっと見つめ。
「もしかして、眠い。」
「ああ。」
くあっと欠伸をするひょうちゃんはどこか無防備で可愛かった。
「どうしよう、家に帰る?」
「……。」
僕の言葉にひょうちゃんはゆるゆると首を横に振る。
「家にいても面倒なだけだから、いい。」
「そう?」
「ああ。」
「だったら、中に入ろうか?」
コクリと頷くひょうちゃんを見てから僕たちは図書館の中に入る。
そして、たまたま昨日と同じ席が空いていたので、そこの席にカバンを置く。
「御神くんはどこまで宿題を終わらせた?」
「全然。」
「……大丈夫なの?」
「ああ。」
僕は本当かなと疑いたくなったが、泣くのは表ちゃんなので、僕は何も言わない事にした。
「お前は?」
「後は国語と、社会だけだよ。」
「そうか。」
「それじゃ、始めようか。」
僕たちは黙々と進めていく。
そして、一時間ほど経ち、僕は手持ちの教科書では分からない部分が出てきたので、資料を探そうと立ち上がろうとしたら、ひょうちゃんに手首を掴まれる。
「……。」
「どこへ行く。」
鋭い視線に僕は目を見開く。
「どこって、欲しい資料を探しに行くんだけど?」
「……。」
ジッと僕を見つめ、真偽を疑っているようだった。
「君はこんなにも机の上に教科書やノートを広げる人間がどこかに消えると思うの?」
「……。」
僕の言葉にひょうちゃんはハッとして、周りを見渡した。
そして、苦虫を噛み潰した顔をしたひょうちゃんはおとなしく僕の手を放す。
「わりぃ。」
「……。」
今日のひょうちゃんは情緒不安定だ。
僕は宿題の残量と休みの日数を考え、何とかなると判断してまた座る。
「……。」
「お前?」
「今の時間だったら母親はいないから僕の家に来ない?」
「……。」
目を見開くひょうちゃんを見て、今日はえらく表情に出ているなと思う。
と言っても、他の人には分かりにくい程度なので何ともいえないけども。
「相談に乗るよ?」
「……。」
「どうする、来る?」
僕が尋ねると、思案するような顔をする。
君が何を考えているのか僕には分からない。
どのくらい経ったのだろう。
一分。
数分。
十分。
そのくらい経ってから、ひょうちゃんは躊躇するように小さく、小さく頷いた。
こうして、僕は本当に久しぶりにひょうちゃんを自宅に呼ぶことになった。
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