ダークネス・ゲーム

弥生 桜香

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第七章

第七章「金曜日・ラストゲーム」27

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 意気消沈気味の友梨の背中を見ながら昌獅は己の唇を噛みしめる。

「……。」

 元々の知り合いは勇真だけだった自分。
 しかも、その知り合いだって、どちらかと言えば憎む相手、彼女と立場は違う。
 彼女は血の分けた妹を置いてきたのだ。
 だから、気を落としても仕方ない。
 でも、それを黙って見ているのは性に合わない。

「ゆーー。」
「お姉ちゃん。」

 昌獅が声を掛けようとしたが、先に前を歩くもう一人の彼女の妹が遮る。

「何よ。」
「いつまでも辛気臭い顔をしない。」
「……。」
「わたしだって、胸を痛めているのよ。」
「……。」

 嘘くさく聞こえるが、彼女だって実の妹を置いているので、多少の程度はあっても嘘はないだろう。

「いい加減しゃんとしなさい。」
「智里。」
「犠牲はあの二人で済まないのだから、だから、今ここで気落ちしていたら持たないわよ。」
「えっ…。」

 意味深な言葉を吐く智里は言いたい事を言いきったのか、そのまますたすた歩きだす。
 友梨は呆然と彼女の背中を見て、そして、何か思うものがあるのかギュッと目を瞑り、歩き出す。
 それはどこか無理をしているようだった。
 でも、彼女は歩く事を決めた。

 止まれば負ける。

 もしかしたらそう思っているのかもしれない。
 昌獅は息を吐き、気合を入れなおす。

「負けない。」

 それはこのくだらないゲームなのか。

 友梨の決意なのか。

 それとも、魔王(智里)に対してなのか、呟いた本人しか知らない。
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