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第九章
第九章「正月」2
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「……。」
涼也はやかんを見ながらどうするかと腕を組む。
雪美があそこまで頑なな態度を取るのはそんなに珍しくはない。
だけど、迷子のような顔をする雪美は涼也も初めて見た。
「何があったんだ?」
何か進展があったのか?
その考えに涼也は頭を振った。
「それはないな。」
もし、そうならば、多分雫の方から涼也に対して何らかの連絡があるはずだ。
何せ、時々雫の相談を乗っているのだから。
だけど、残念ながらそんな話は彼の口から聞いた事がなかった。
「だったら、何だ?」
口元に手を当てて考える。
雪美は落ち込んでいる。
いや、どちらかと言えな迷っている。
でも、それは何故だ?
「……分からない。」
涼也はこういうのは自分の不得意分野なのにと頭を掻く。
「いっその事京也を巻き込むか?」
口に出してみたが、その考えにすぐに首を振る。
それは駄目だ。
雫と雪美の関係を話さなければならない。
そうなると芋づる式で、彼に内緒にしている話もしなければならない。
それだけは駄目だ。
そうなると、やはり自分で考えるしかなかった。
涼也は溜息を零す。
「本当に新年早々ついてない。」
今年も様々な面倒事に巻き込まれるしかない予感がひしひしとする。
まあ、そもそも、今年は受験生になる。
そうなると、自分の進学もそうだが、一組ややこしい奴らがいる。
前の時の彼らは今ほど仲良くもなく、だけど、そう言えばと、涼也は口元に手を当てる。
「あれ?あいつら……同居してなかったか?」
自分が死ぬ一か月前くらいに碧と再会した。
その時、彼は笑って今まで勤めていた所を辞めたと言っていた。
その理由が会社の運営が回らず、誰かを切らないといけないという事態になってしまった。そして、彼は自ら辞める事を選んだそうだ。
住む家もなく、食うものにも困っていた彼を助けたのは何と、中学から会っていなかった樹だった。
そして、今は樹の息子と一緒に同居させてもらって、保育士の資格を取る為に猛勉強中らしい。
そんな話を聞いて分かれた。
「……………………何か今思い出すと色々突っ込みたいけど、あの時そんな余裕がなかったんだよな。」
つか、樹の息子ってなんだ?
息子と言う事は相手がいたんだよな?
なのに、碧と同棲?いや、同居だ、同居…。
何があった、碧。
何があった、名倉。
涼也はハッとなり首を振る。
「今は、あいつらの事じゃなく、雪美の事だろう。」
何でこんな脱線してしまったのだと、涼也は自分を責めながら軌道修正を図る。
何度か脱線しながらも、強制的にやかんの音に遮られ、涼也は結局、何も思いつく事なく雪美の元にお茶を出すしかなかった。
涼也はやかんを見ながらどうするかと腕を組む。
雪美があそこまで頑なな態度を取るのはそんなに珍しくはない。
だけど、迷子のような顔をする雪美は涼也も初めて見た。
「何があったんだ?」
何か進展があったのか?
その考えに涼也は頭を振った。
「それはないな。」
もし、そうならば、多分雫の方から涼也に対して何らかの連絡があるはずだ。
何せ、時々雫の相談を乗っているのだから。
だけど、残念ながらそんな話は彼の口から聞いた事がなかった。
「だったら、何だ?」
口元に手を当てて考える。
雪美は落ち込んでいる。
いや、どちらかと言えな迷っている。
でも、それは何故だ?
「……分からない。」
涼也はこういうのは自分の不得意分野なのにと頭を掻く。
「いっその事京也を巻き込むか?」
口に出してみたが、その考えにすぐに首を振る。
それは駄目だ。
雫と雪美の関係を話さなければならない。
そうなると芋づる式で、彼に内緒にしている話もしなければならない。
それだけは駄目だ。
そうなると、やはり自分で考えるしかなかった。
涼也は溜息を零す。
「本当に新年早々ついてない。」
今年も様々な面倒事に巻き込まれるしかない予感がひしひしとする。
まあ、そもそも、今年は受験生になる。
そうなると、自分の進学もそうだが、一組ややこしい奴らがいる。
前の時の彼らは今ほど仲良くもなく、だけど、そう言えばと、涼也は口元に手を当てる。
「あれ?あいつら……同居してなかったか?」
自分が死ぬ一か月前くらいに碧と再会した。
その時、彼は笑って今まで勤めていた所を辞めたと言っていた。
その理由が会社の運営が回らず、誰かを切らないといけないという事態になってしまった。そして、彼は自ら辞める事を選んだそうだ。
住む家もなく、食うものにも困っていた彼を助けたのは何と、中学から会っていなかった樹だった。
そして、今は樹の息子と一緒に同居させてもらって、保育士の資格を取る為に猛勉強中らしい。
そんな話を聞いて分かれた。
「……………………何か今思い出すと色々突っ込みたいけど、あの時そんな余裕がなかったんだよな。」
つか、樹の息子ってなんだ?
息子と言う事は相手がいたんだよな?
なのに、碧と同棲?いや、同居だ、同居…。
何があった、碧。
何があった、名倉。
涼也はハッとなり首を振る。
「今は、あいつらの事じゃなく、雪美の事だろう。」
何でこんな脱線してしまったのだと、涼也は自分を責めながら軌道修正を図る。
何度か脱線しながらも、強制的にやかんの音に遮られ、涼也は結局、何も思いつく事なく雪美の元にお茶を出すしかなかった。
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