もう一度君と…

弥生 桜香

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第七章

第七章「ハロウィン」16

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 ハロウィンが終わった……訳ではなかった。

「それじゃ記念撮影でもしようかっ!」

 その一言で男子の地獄が始まった。
 特にその地獄が酷かったのは彼だったーー。

「碧、ジッとして。」
「あっ、視線斜めで。」
「行き過ぎ。」
「……。」

 生きる人形化した碧の目は何処か死んでいる。

「……もう少し単体で撮る?」
「時間もやばいし、そろそろセットで。」
「了解。」
「名倉くん入りまーす。」
「名倉くんは碧の手を取って。」
「碧は視線をこっちに。」
「そうそう。」

 フラッシュが異様に光るその光景に一同は呆気を通り越し引いていた。

「ちょっと、そっちじゃなくこっちを見なさいよ。」
「そうそう。」
「メインじゃなくてもね。」
「美味しいネタだしね。」

 こうして、女子による盛大な写真会が二時間ほど行われたのち、解散となった。
 因みに写真は高値で学校中に売られる事になるのだが、残念ながら涼也たちがそれを知る事はなかった。

 因みに売れ行きの一位は碧。

 二位に樹。

 三位は雪美だったそうだ。

 おまけに言えば涼也は十五位と微妙な順位だそうだが、それは雪美と写真を売った女子たちしか知らない事だった。
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