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プロローグ
プロローグ3
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頭がズキズキと痛んだ。
涼也は自分が死んだものだと思ったが、この痛みで自分が死んだわけじゃないのだと知って、何とも悪運が強いんだと思って目を開けた。
「……。」
目を開けると見知らぬ天井が見え、ここが病院だと知る。
そして、カタリという物音がして、雪美かなと思ってそちらの方に顔を向けると、自分と同じ顔、しかし、覚えている顔よりもずっと幼い片割れがそこにいた。
「京也?」
「涼也、よかった。」
「え、ええ?」
「もしかして、前後の記憶がない?」
「あ、ああ……。」
「涼也さ、階段から落ちたんだよ、しかも、三日も目を覚まさないから皆心配したんだからな。」
「ああ、悪かった。」
「ははは、元気そうでよかった、それじゃ、母さんたちに知らせてくるから、寝ててもいいからな。」
「ああ。」
病室から出ていく京也に涼也は混乱する。
「な、何が起こっているんだ?」
夢なのか、とそう呟き頬を抓ってみるが、地味に痛かった。
「…………何なんだよ。」
そう呟く涼也の横に一冊の本があるのだが、彼はその事に気づいてはいなかった。
涼也は自分が死んだものだと思ったが、この痛みで自分が死んだわけじゃないのだと知って、何とも悪運が強いんだと思って目を開けた。
「……。」
目を開けると見知らぬ天井が見え、ここが病院だと知る。
そして、カタリという物音がして、雪美かなと思ってそちらの方に顔を向けると、自分と同じ顔、しかし、覚えている顔よりもずっと幼い片割れがそこにいた。
「京也?」
「涼也、よかった。」
「え、ええ?」
「もしかして、前後の記憶がない?」
「あ、ああ……。」
「涼也さ、階段から落ちたんだよ、しかも、三日も目を覚まさないから皆心配したんだからな。」
「ああ、悪かった。」
「ははは、元気そうでよかった、それじゃ、母さんたちに知らせてくるから、寝ててもいいからな。」
「ああ。」
病室から出ていく京也に涼也は混乱する。
「な、何が起こっているんだ?」
夢なのか、とそう呟き頬を抓ってみるが、地味に痛かった。
「…………何なんだよ。」
そう呟く涼也の横に一冊の本があるのだが、彼はその事に気づいてはいなかった。
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