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幽霊少女サイド

砂嵐

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 セピア色の情景がシャボン玉のように浮かんでは消える。

 ふわふわと。

 でも、一瞬にして消える。

 その光景は懐かしいはずなのに。

 私の中に響く事はない。

 一筋の涙が私の頬を伝う。

「私は誰なんだろう…。」

 呟かれた声に応えるように一つのシャボン玉が浮かぶ。

「ふふふ、やっと受験が終わったっ!」

 聞き覚えのない声だけど、知っている声がそこから聞こえる。

 だけど、そのシャボン玉は他とは違い砂嵐が吹き荒れており、見る事が叶わない。

「うーん、久しぶりに七セレを一からプレイして、あっ、そうだ、セカンドが来週発売するから買いに行かないと。」

 ズキリ

 胸が痛む。

 何で?

「セカンドも司狼が出てくるんだよね。」

 ズキリ

 頭が痛み始める。

「絶対プレイしないと。」

 ズキリ

 痛みが増す。

 胸も頭も痛い。

「セカンドの主人公はどんな能力を持っているのかな?ファーストは光属性の子だったし、あーあ、私にも能力があったら、面白かったのにな。」

 駄目。

 駄目。

 逃げてーーっ!

 車のブレーキのかかる音が聞こえる。

 キキーッ!

 刹那――。

 痛みが私を襲う。

「うっ……。」

 全身が引き裂かれそうな痛み。

 痛い。

 いたい。

 イタイ。

 痛みが私を苛む。でも、突如として、胸が熱くなり、痛みが引いていく。

 ようやく余裕が出て来た私は自分を見て驚く、自分が緑色の光に包まれていた。

「えっ?」

――……か

 私が驚いていると、私の耳に微かな音が聞こえた気がした。

「……。」

――……ぴか

 聞き覚えのあるような声、その声はどこか泣いているような気がした。

「誰?」

――スピカっ!

 その名前を知っている、だって、それはあの人が私に着けてくれた名前だから。

「北斗?」

 私がその名前を呼べば、視界は行き成り真っ白になり、そして、体の感覚が戻ってくる。
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