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第5章 異常気象の正体
決断
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俺は今地面に尻もちをついていた。魔法を放った後どうなったのか正直覚えていない。というかわからなかった。わかったのは暗闇から抜け出し光に飛び出たことだけだ。そして、目の前には、黒い煙を吐き出しマグマに沈んでいくラヴァナヴォ―ドの姿が
「やった、のか?」
「ロガ‼」
声が聞こえたかと思うと、体に衝撃がはしる
「信じていたわよ。必ず出てくるって」
「ははっ、ごめん。でも、ディタも無事でよかった」
この場に聞こえないはずの水音が耳に入ってくる。疲れとさっきまでの状況により感覚が鈍っているはずなのに。その水音が聞こえた瞬間、回答を考えるよりも先に声が出ていた
「・・・あんた臭いわ」
抱き締め返そうと手を後ろに回したら、突き飛ばされた。そりゃ臭いだろうさ、だからって突き飛ばさなくてもいいと思うのだが。まあ、いいか、二人とも無事だったのだから。俺は突き飛ばされた力に逆らわず地面に寝転がる
「ははははははは」
「ロガが壊れた~」
体はボロボロ、体力の限界も近い。それでも、何処から湧いてくるのかわからないがやる気に満ちていた。ランナーズハイってやつかな
「あっ、ロガあそこ。台があるわ、どうやら終わったようね」
マグマのなかから台がせり上がってきたようだ。いつものように台に本を置くと新しい魔法が書き込まれる。そして、その台から離れると、また台はマグマのなかへと消えていった。書き込まれた魔法を見た瞬間、俺は間違った道を選んだのかと勘でしかないがそう思ってしまった。ただ、何か違和感がし、俺は本の一文が頭のなかに思い浮かびマグマを見つめた
「ロガまた勝手なことをしようとしたら承知しないからね・・・やるなら私に言ってからやってよ。今は急がなきゃいけないようなことないんだから」
ディタは顔をこちらに向けずにそう言ってきた。顔を見られたくないのかもしれない
「わかった。じゃあ・・・」
俺はディタの耳元で俺の思ったこと、やろうとしたことを小声で話した。別にここには俺とディタしかいないのだから小声で話す理由なんてないのだが、なぜかそうしていた。ディタが聞き逃さないように、俺の言葉がこぼれ落ちないようにという理由があったのかもしれない
「本気!?」
俺が話し終わると、ディタは耳元で大きな声を出してきた。ただ、俺は手で耳を塞いでいたため、それほどダメージを受けなかった。そんな大きな声を出さなくてもそう返されることはわかっていた。なぜなら、俺が話している最中ディタの口が段々と開き大口になっていったから
「本気だ」
「はあ、やっと休めると思ったのに」
「嫌なら・・・」
「言わせないわよ。それに、一人で行かせるわけないでしょ」
「・・・じゃあ行くか」
「ええ」
俺とディタは後ろに下がり、勢いをつけ踏み込んだ
「やった、のか?」
「ロガ‼」
声が聞こえたかと思うと、体に衝撃がはしる
「信じていたわよ。必ず出てくるって」
「ははっ、ごめん。でも、ディタも無事でよかった」
この場に聞こえないはずの水音が耳に入ってくる。疲れとさっきまでの状況により感覚が鈍っているはずなのに。その水音が聞こえた瞬間、回答を考えるよりも先に声が出ていた
「・・・あんた臭いわ」
抱き締め返そうと手を後ろに回したら、突き飛ばされた。そりゃ臭いだろうさ、だからって突き飛ばさなくてもいいと思うのだが。まあ、いいか、二人とも無事だったのだから。俺は突き飛ばされた力に逆らわず地面に寝転がる
「ははははははは」
「ロガが壊れた~」
体はボロボロ、体力の限界も近い。それでも、何処から湧いてくるのかわからないがやる気に満ちていた。ランナーズハイってやつかな
「あっ、ロガあそこ。台があるわ、どうやら終わったようね」
マグマのなかから台がせり上がってきたようだ。いつものように台に本を置くと新しい魔法が書き込まれる。そして、その台から離れると、また台はマグマのなかへと消えていった。書き込まれた魔法を見た瞬間、俺は間違った道を選んだのかと勘でしかないがそう思ってしまった。ただ、何か違和感がし、俺は本の一文が頭のなかに思い浮かびマグマを見つめた
「ロガまた勝手なことをしようとしたら承知しないからね・・・やるなら私に言ってからやってよ。今は急がなきゃいけないようなことないんだから」
ディタは顔をこちらに向けずにそう言ってきた。顔を見られたくないのかもしれない
「わかった。じゃあ・・・」
俺はディタの耳元で俺の思ったこと、やろうとしたことを小声で話した。別にここには俺とディタしかいないのだから小声で話す理由なんてないのだが、なぜかそうしていた。ディタが聞き逃さないように、俺の言葉がこぼれ落ちないようにという理由があったのかもしれない
「本気!?」
俺が話し終わると、ディタは耳元で大きな声を出してきた。ただ、俺は手で耳を塞いでいたため、それほどダメージを受けなかった。そんな大きな声を出さなくてもそう返されることはわかっていた。なぜなら、俺が話している最中ディタの口が段々と開き大口になっていったから
「本気だ」
「はあ、やっと休めると思ったのに」
「嫌なら・・・」
「言わせないわよ。それに、一人で行かせるわけないでしょ」
「・・・じゃあ行くか」
「ええ」
俺とディタは後ろに下がり、勢いをつけ踏み込んだ
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