官能小説家の執筆旅行

市樺チカ

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相談

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熊井から新しい煙草を受け取り、紙と向き合って数時間。

「真田さーん、勇治郎兄さん!つまみを持ってきたよ」

日がすっかり傾いて、橙色の光が窓から射し込み始めた頃、両手で重箱を抱えたふみが部屋を訪れた。

「待っていたよ、ふみちゃん。態々ありがとうね」
「気にしないでいいよ!重箱や箸なんかはまた明日取りに来るから」
「すまないな」

こっちはなまものだから早めに、これは醤油をかけて、と細かく料理の説明をしながら机に広げていく。

「よし、これで大丈夫そうだね!」
「あぁそうだ。ふみちゃん少し待ってね」

部屋の隅に置かれた風呂敷包みをふみへ差し出す。

「これ、さっき洋酒を買いに行ったからお裾分けだよ。お父さんと飲むと良い」
「そんな高価なもの、貰えないよ!」
「ふみ、真田先生の気持ちだ」

ふみは真田と熊井を交互に見ると、ぺこりと頭を下げて受け取った。

「…あと、勇治郎兄さんに少し相談があるんだけど…」

もじもじと俯いて熊井を見る。

「あぁ、それなら熊井君。ふみちゃんを送って来るといい。それは女の子が持って歩くには少し重いだろうしね」
「分かりました」

ふみと熊井は真田に頭を下げると、連れ立って宿を出ていった。
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