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35 ペンギンになれない人と、初めてのゆっくりなふれあい R18
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今日はゼファーと、久しぶりに義母たちと過ごした実家に来ている。近くだから、時速30キロから50キロまで上限スピードをあげたカレンに乗って来た。
ゼファーは、なんとハヤブサなのに、私の速さに合わせて超低速だ。ある意味すごいスーパーテクニックだ。
私のカレンは、いわゆる原動付き自転車のスーパーカブで、デザインは昔風の古いものよりも可愛くなっている。ベースカラーはハニーブランにしてくれていた。パーツによっては、ゼクスの金に、シビルの黒、そしてゼファーの焦げ茶色で模様が描かれている。
「カレン、もっとゆっくり走って……ああ、ほら、前に大きな石が! 危ないですよ!」
「ゼファーったら。ゼファーが作ったんだから、そんな1センチもないような小石なんてどうってことないでしょ? ふふふ」
らったったー、らったったー
故郷の母がよくバイクのエンジンをかける時に、そんな風に口ずさんでいた。楽しくて心が弾み、昔のCMで流れていたというこの言葉で鼻歌を歌う。
すると、ゼファーがなぜか考え込んでいたので、どうしたのかと問うと、なんでもないって言った。ゼファーの様子が気にかかるものの、それからすぐに実家の侯爵家にたどり着く。
「わーい、カレンおねぇちゃーん」
「ぜふぁおじちゃん、こんにちは!」
すると、正面玄関に着いた途端、義姉が産んだミニペンギンたちが笑顔で駆けて来てくれる。最初はヨチヨチのミニペンギン姿だったのに、それだと遅いから途中で人化したから裸だ。しかもバイクが止まっていないから危ない。
「ハーレイちゃん、シャドウくん、こんにちは。危ないから少し離れて、お洋服を着ておりこうで待っていてね」
「……シャドウ、俺の事をおじさんって言うのはやめてくださいとあれほど……」
ちびっこたちは、素直に下がり、義姉とそのご主人たちに服を着せてもらっていた。その間に私たちはバイクを止める。
バイクのカレンを初めて見た時、義姉がとても乗りたがった。危ないからダメだと、ご主人たちの猛反対を受けたものの、ゼファーが安全について説明し、時速が50キロしか出せない事を知ると許可が下りたみたい。
個人所有となるとご主人たちの心配が尽きなくなるから、こうして私がカレンに乗って実家に帰ると、時々ご主人さんたちの鉄壁の守りの中カレンで遊んでいる。
魔法も使える獣人であるこの国の人たちにとっては、50キロって散歩ほどのゆっくりペースなのだ。
ちびっこたちも乗りたがるけれど体が小さいため、今度、彼らに子供用のお遊びのバイクを試作品がてら作るらしい。
「カレンちゃん、お帰りなさい!」
「お義母様、ただいま帰りました!」
義姉たちとわいわいしていると、奥から義母のイーゼフが現れた。一時期、私の事を思い悩んで痩せていた面影はもうない。
「カレンちゃん、バイクの運転だなんて。殿下の子がいつ出来てもおかしくないんだから大事にしないと……」
残念ながら、ゼクスとの初めての巣ごもりでは懐妊しなかったのである。こればかりは授かりものだ。天に任せてのんびり待とうと、夫たちも彼らの実家も言ってくれているから嬉しい。
「ふふふ、お義母様。それは大丈夫ですよ。それよりも、今日はお土産があるんです」
私はそう言うと、カレンの前かごに乗せていた箱を義母に渡した。
アルファホーレという、故郷の天使のパイよりももっと濃厚な甘さのあるお菓子だ。義母が好きだと聞いて、一生懸命作り、やっと見た目も味も大分マシになったから持って来たのである。
「まあ、これ……カレンちゃんが作ってくれたの?」
「はい、お義姉様に聞いて、なんとかうまく作れるようになったので。お口に合えばいいんですけれど……」
「嬉しいわ! ふふ、私の舌のほうが勝手にアルファホーレに合うに決まっているわ。うーん、楽しみね。早速お茶にしましょうか」
義母が準備をしてくれていた場所は、キング・プロテアというゴージャスな花が咲き誇っている。その名の通り、花の王様だ。
ちなみに、お見合いをしていた頃の庭は、すでにその場所が大改装されていて、ミニペンギンたちの遊び場になっている。
この国では珍しくないらしいけれど、私にとっては珍しい。20センチもの大きさの花を楽しみながら、アルファホーレをつまんではお茶を飲んだ。
「カレンちゃん、ゼファー。今日は泊って行ってくれるんでしょう?」
「母上、この家はカレンには……」
恐る恐る、義母が訊ねて来る。それもそのはず、この場所は私にとっては楽しくて幸せで、そして辛い場所でもあるから。
でも、義母たちやゼファーが、当時の面影をなるべくないように随分リフォームしてくれているし、ミニペンギンたちが、膝の上に乗って「帰らないで遊んで~、泊って行って~」とぴぃぴぃ甘えてくるのだ。私だってまだここで過ごしたいとも思う。
もう、あの頃の私じゃない。今の私には頼もしくて愛しい夫たちがいる。それに、今はゼファーと一緒だ。何をこわがる事があるというのだろう。
「お義母様、喜んで。ふふ、随分里帰りしてなかったなあ。ね、ゼファー、いいでしょう?」
義母が瞳を潤ませて満面の笑顔で何度も何度も頷く。私も嬉しくなって涙ぐんだ。
ゼファーも、そんな私の表情を、注意深く覗き込む。あの頃とは違って、これっぽっちも無理をしていない事がわかったのか、ゼファーの許可も下りた。
夕食を大人数で楽しく食べる。今日はアサードというお肉中心の料理が所狭しと並んだ。やっぱり私はミニペンギンたちよりも小食らしく、ちっちゃなハーレイちゃんやシャドウくんがパクパクもりもり食べるのを唖然と見ていたのであった。
※※※※
「ゼファー、ちょっと今日は……」
「シー、カレン。一応本邸の皆と離れた別邸ですけれど静かにしてくださいね」
「いや、だからね。今日は里帰りで……。そういう事はちょっと……あん、もう……」
「カレンを独占できるみたいで嬉しいんです。だから、ね? 無茶はしませんから。キスをください」
ゼファーが私を抱え込むみたいにソファで抱きかかえてキスを強請って来る。身を捩って逃げようとする私を離さないと逞しい腕が捕えてきつつ、右手が思わせぶりにくすぐってくるから少し睨んだ。
どうも私はゼファーに弱いみたい。
なんというか、ゼファーのお願いならなんでも聞いてあげたくなる。
普段甘やかされているから、そのお返しというわけじゃないし、ゼクスの事もシビルの事もそうなんだけど。どことなく、違和感を感じるほどの小さな何かが、彼の事をとても大切にしたいと訴えかけてくるのだ。
「……激しいのはダメだからね?」
「勿論。カレン、愛しています」
ゆっくり、貴重な食材を味わうかのように、肌を味わい舐めて来る。私の小さな反応も見逃すまいと、ゼファーが見つめる瞳はとんでもなく優しくて、深い深い海溝のようにも見えてほんの少しの怖さが生まれる。
ふるりと、彼から与えられる快感以外の何かが私の中に生まれて体が震えた。すると、私の些細な変化に目ざといゼファーが、胸と付け根のぬかるみを指で愛撫していた手を止めて、そっと私を伺う。
「カレン、大丈夫ですか? ……無理を、させてしまいましたか……?」
「ううん、違うの。ゼファーと出会ってこうして愛されるなんて、とても幸せで。幸せすぎて怖くなる感じ……だから、心配しないで。お願い……」
ゼファーも、この家で私の心が徐々にぎゅうぎゅうに締め付けられてしまっていた過去を気にしている。側にいながら私の心の機微を悟れなかったと、今も後悔しているから暗闇の中におちている木の葉一枚をも見逃さないほどの集中力で私に傷をつけないようにしてくれているのだった。
言葉だけでは、本当に無理をさせていないか不安なのだろう。ゼファーは衣服の乱れを直しながら普通に寝ようとした。だから私はゼファーの高ぶりにそっと手を添えたのである。
指先から手首の長さよりも長いソレは、熱く張り詰めている。そっと手で包み込み優しく擦る。
「……俺が我が儘を言いましたね。気を使わなくていいですから、今日はもう寝ましょう」
ところがゼファーは、そんな私の手をそっとソコからはずした。途端に、私はそれが寂しくなってしまった。拒んだ形になって、彼を傷つけたかと今度は私が心配になる。
「ゼファー。あのね、本当に大丈夫なの。その、私だってゼファーを感じたいし触れたい。このまま眠りたくない……ダメ?」
私がゼファーに強請るようにそう言うと、お互いに愛を伝えあうかのように、初めて、ゆっくりと激しさのない交わりをした。
優しく、もどかしいほどのソフトな触れ合いは、今までにない気持と快楽をお互いに呼び覚まし、新たな心地よさと多幸感が生まれる。
十分に高め合い、ぴたりとはまるかのように一対になったそこを合わせると、愛で体も心も満たされた。
体にも負担が少ないのか、終わった後も私はぐったりしていない。
ゼファーとゆりかごに揺られているかのように幸せな時間を過ごしたのであった。
ゼファーは、なんとハヤブサなのに、私の速さに合わせて超低速だ。ある意味すごいスーパーテクニックだ。
私のカレンは、いわゆる原動付き自転車のスーパーカブで、デザインは昔風の古いものよりも可愛くなっている。ベースカラーはハニーブランにしてくれていた。パーツによっては、ゼクスの金に、シビルの黒、そしてゼファーの焦げ茶色で模様が描かれている。
「カレン、もっとゆっくり走って……ああ、ほら、前に大きな石が! 危ないですよ!」
「ゼファーったら。ゼファーが作ったんだから、そんな1センチもないような小石なんてどうってことないでしょ? ふふふ」
らったったー、らったったー
故郷の母がよくバイクのエンジンをかける時に、そんな風に口ずさんでいた。楽しくて心が弾み、昔のCMで流れていたというこの言葉で鼻歌を歌う。
すると、ゼファーがなぜか考え込んでいたので、どうしたのかと問うと、なんでもないって言った。ゼファーの様子が気にかかるものの、それからすぐに実家の侯爵家にたどり着く。
「わーい、カレンおねぇちゃーん」
「ぜふぁおじちゃん、こんにちは!」
すると、正面玄関に着いた途端、義姉が産んだミニペンギンたちが笑顔で駆けて来てくれる。最初はヨチヨチのミニペンギン姿だったのに、それだと遅いから途中で人化したから裸だ。しかもバイクが止まっていないから危ない。
「ハーレイちゃん、シャドウくん、こんにちは。危ないから少し離れて、お洋服を着ておりこうで待っていてね」
「……シャドウ、俺の事をおじさんって言うのはやめてくださいとあれほど……」
ちびっこたちは、素直に下がり、義姉とそのご主人たちに服を着せてもらっていた。その間に私たちはバイクを止める。
バイクのカレンを初めて見た時、義姉がとても乗りたがった。危ないからダメだと、ご主人たちの猛反対を受けたものの、ゼファーが安全について説明し、時速が50キロしか出せない事を知ると許可が下りたみたい。
個人所有となるとご主人たちの心配が尽きなくなるから、こうして私がカレンに乗って実家に帰ると、時々ご主人さんたちの鉄壁の守りの中カレンで遊んでいる。
魔法も使える獣人であるこの国の人たちにとっては、50キロって散歩ほどのゆっくりペースなのだ。
ちびっこたちも乗りたがるけれど体が小さいため、今度、彼らに子供用のお遊びのバイクを試作品がてら作るらしい。
「カレンちゃん、お帰りなさい!」
「お義母様、ただいま帰りました!」
義姉たちとわいわいしていると、奥から義母のイーゼフが現れた。一時期、私の事を思い悩んで痩せていた面影はもうない。
「カレンちゃん、バイクの運転だなんて。殿下の子がいつ出来てもおかしくないんだから大事にしないと……」
残念ながら、ゼクスとの初めての巣ごもりでは懐妊しなかったのである。こればかりは授かりものだ。天に任せてのんびり待とうと、夫たちも彼らの実家も言ってくれているから嬉しい。
「ふふふ、お義母様。それは大丈夫ですよ。それよりも、今日はお土産があるんです」
私はそう言うと、カレンの前かごに乗せていた箱を義母に渡した。
アルファホーレという、故郷の天使のパイよりももっと濃厚な甘さのあるお菓子だ。義母が好きだと聞いて、一生懸命作り、やっと見た目も味も大分マシになったから持って来たのである。
「まあ、これ……カレンちゃんが作ってくれたの?」
「はい、お義姉様に聞いて、なんとかうまく作れるようになったので。お口に合えばいいんですけれど……」
「嬉しいわ! ふふ、私の舌のほうが勝手にアルファホーレに合うに決まっているわ。うーん、楽しみね。早速お茶にしましょうか」
義母が準備をしてくれていた場所は、キング・プロテアというゴージャスな花が咲き誇っている。その名の通り、花の王様だ。
ちなみに、お見合いをしていた頃の庭は、すでにその場所が大改装されていて、ミニペンギンたちの遊び場になっている。
この国では珍しくないらしいけれど、私にとっては珍しい。20センチもの大きさの花を楽しみながら、アルファホーレをつまんではお茶を飲んだ。
「カレンちゃん、ゼファー。今日は泊って行ってくれるんでしょう?」
「母上、この家はカレンには……」
恐る恐る、義母が訊ねて来る。それもそのはず、この場所は私にとっては楽しくて幸せで、そして辛い場所でもあるから。
でも、義母たちやゼファーが、当時の面影をなるべくないように随分リフォームしてくれているし、ミニペンギンたちが、膝の上に乗って「帰らないで遊んで~、泊って行って~」とぴぃぴぃ甘えてくるのだ。私だってまだここで過ごしたいとも思う。
もう、あの頃の私じゃない。今の私には頼もしくて愛しい夫たちがいる。それに、今はゼファーと一緒だ。何をこわがる事があるというのだろう。
「お義母様、喜んで。ふふ、随分里帰りしてなかったなあ。ね、ゼファー、いいでしょう?」
義母が瞳を潤ませて満面の笑顔で何度も何度も頷く。私も嬉しくなって涙ぐんだ。
ゼファーも、そんな私の表情を、注意深く覗き込む。あの頃とは違って、これっぽっちも無理をしていない事がわかったのか、ゼファーの許可も下りた。
夕食を大人数で楽しく食べる。今日はアサードというお肉中心の料理が所狭しと並んだ。やっぱり私はミニペンギンたちよりも小食らしく、ちっちゃなハーレイちゃんやシャドウくんがパクパクもりもり食べるのを唖然と見ていたのであった。
※※※※
「ゼファー、ちょっと今日は……」
「シー、カレン。一応本邸の皆と離れた別邸ですけれど静かにしてくださいね」
「いや、だからね。今日は里帰りで……。そういう事はちょっと……あん、もう……」
「カレンを独占できるみたいで嬉しいんです。だから、ね? 無茶はしませんから。キスをください」
ゼファーが私を抱え込むみたいにソファで抱きかかえてキスを強請って来る。身を捩って逃げようとする私を離さないと逞しい腕が捕えてきつつ、右手が思わせぶりにくすぐってくるから少し睨んだ。
どうも私はゼファーに弱いみたい。
なんというか、ゼファーのお願いならなんでも聞いてあげたくなる。
普段甘やかされているから、そのお返しというわけじゃないし、ゼクスの事もシビルの事もそうなんだけど。どことなく、違和感を感じるほどの小さな何かが、彼の事をとても大切にしたいと訴えかけてくるのだ。
「……激しいのはダメだからね?」
「勿論。カレン、愛しています」
ゆっくり、貴重な食材を味わうかのように、肌を味わい舐めて来る。私の小さな反応も見逃すまいと、ゼファーが見つめる瞳はとんでもなく優しくて、深い深い海溝のようにも見えてほんの少しの怖さが生まれる。
ふるりと、彼から与えられる快感以外の何かが私の中に生まれて体が震えた。すると、私の些細な変化に目ざといゼファーが、胸と付け根のぬかるみを指で愛撫していた手を止めて、そっと私を伺う。
「カレン、大丈夫ですか? ……無理を、させてしまいましたか……?」
「ううん、違うの。ゼファーと出会ってこうして愛されるなんて、とても幸せで。幸せすぎて怖くなる感じ……だから、心配しないで。お願い……」
ゼファーも、この家で私の心が徐々にぎゅうぎゅうに締め付けられてしまっていた過去を気にしている。側にいながら私の心の機微を悟れなかったと、今も後悔しているから暗闇の中におちている木の葉一枚をも見逃さないほどの集中力で私に傷をつけないようにしてくれているのだった。
言葉だけでは、本当に無理をさせていないか不安なのだろう。ゼファーは衣服の乱れを直しながら普通に寝ようとした。だから私はゼファーの高ぶりにそっと手を添えたのである。
指先から手首の長さよりも長いソレは、熱く張り詰めている。そっと手で包み込み優しく擦る。
「……俺が我が儘を言いましたね。気を使わなくていいですから、今日はもう寝ましょう」
ところがゼファーは、そんな私の手をそっとソコからはずした。途端に、私はそれが寂しくなってしまった。拒んだ形になって、彼を傷つけたかと今度は私が心配になる。
「ゼファー。あのね、本当に大丈夫なの。その、私だってゼファーを感じたいし触れたい。このまま眠りたくない……ダメ?」
私がゼファーに強請るようにそう言うと、お互いに愛を伝えあうかのように、初めて、ゆっくりと激しさのない交わりをした。
優しく、もどかしいほどのソフトな触れ合いは、今までにない気持と快楽をお互いに呼び覚まし、新たな心地よさと多幸感が生まれる。
十分に高め合い、ぴたりとはまるかのように一対になったそこを合わせると、愛で体も心も満たされた。
体にも負担が少ないのか、終わった後も私はぐったりしていない。
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