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14 Goeie nag 異界の、おまけの子供改め、もう一人の乙女について
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会議室にはすでに王と兄上以外の重鎮が全て揃っていた。勿論、神託の乙女は兄上と現れるだろうし、カレンは今回の重要な人物なので最後に登場する。
僕たちが入った時、数人の重鎮から厳しい目を向けられた。彼らにしてみれば、おまけとはいえ、異界の乙女であるカレンを周囲の目を誤魔化すために子供と偽り、まんまと囲い込む予定だったのだろうという疑いがぬぐえないのは仕方がない。
僕は背を伸ばして、王族らしい表情を心掛け、先ほど睨んできた重鎮たちを一瞥する。すると、混血児であるとはいえ、王族の僕にあからさまな反意を示す気概がないのか視線をそらされた。
やがて兄上が神託の乙女であるビィノをエスコートして入って来る。王もその後に続き、そして、王族とは違うドアが開かれ、落ち着いた雰囲気の綺麗なドレス姿になったカレンが入って来た。
僕はその姿を見て驚愕した。ずっと、子供らしい恰好をさせていたし、ヘアスタイルもそうだったから。
でも、実は15才だというカレンに年相応の装いをさせた途端、子供っぽさは消え去り、少女から女性への変換期に入った絶妙な可愛らしさと美しさの両方を兼ね備えた立派な女の人に変化しているではないか。
子供にしては、発育のいい体型だとは思っていた。思っていたが、異界の女の子だからと深く考えた事はない。こうして改めて見ると、充分すぎるほど成長した女性を毎日のように子供扱いしていたのかと自分を殴りたくなった。
僕は、このカレンを抱きしめて眠っていたのか……
胸が苦しいほど鼓動が速く強く打つ。敢えて平静さを崩さないように気をつけないと、呼吸も荒くなり挙動不審人物になっただろう。
ふと横に座るシビルを見ると、彼もまたカレンを凝視していた。体中に力が入り、大きな体が一回りさらに体積を増しているのか、騎士服がはちきれそうになっている。
「カレン、いきなりこのような場になったとはいえ、そなたに危害を加える者は誰一人としていない。気を楽にせよ」
カレンが着席すると、王がその場を取り仕切る。といっても、内容はすでに皆が知っているので茶番のようなものだ。それがダラダラと続けられ、この場にいる全員が気にしているカレンの今後の進退についての内容に移った。
「王、発言をお許しください!」
その時、神託の乙女であるビィノが挙手をし、美しい声が会場に響き渡る。8割ほどは、僕たちの親世代だが、残りは僕たちと同世代の青年だ。既婚者もいるが、美しくこの国を救うべく現れた彼女を恋い慕う求婚者たちもいる。うっとりとした視線が彼らから彼女に注がれた。
「申してみよ」
「カレンちゃんは……カレンは私の召喚に巻き込まれただけの被害者です。どうか、彼女の意思を尊重してあげてはいただけませんか? 私たちの育った国では夫が一人でしたし、基本的に自由恋愛でした。でも、予め知らされているこの会議の内容のままだと、カレンには私と同じく5人の夫を設けるように、という事に決定されますよね? でしたら、どうか、せめて私と同じように、カレンが望まないのならひとりでいいという条項を加えてあげてください!」
儚げで、王にも匹敵する権力が保証されている彼女が、胸の前で祈るようにそう願いを伝えると、3割程度の者が心を打たれたようだ。ジスクール兄上は、もとから彼女の意向を聞いていたのもあって、ビィノを誰よりもうっとり見つめながら顔をほんのり赤らめて、うんうん頷いている。
だが、カレンはビィノではない。
彼女に関しては地位もなにも保障されていない、だが、神託の乙女と同じ出身の環境に強い子孫を産む事のできる貴重な存在だ。特に、ビィノに求婚すらできない家の者たちにとっては、自分の家の者と結婚させたいと、のどから手が出るほど欲しいに違いない。
その問題は、すでに王たちも頭を悩ませていた。だが、現在、最も重要なのはビィノの身の安全と、彼女が誰を選んで子を生すのかという事だ。それに、カレンは子供だからまだ時間はあると高をくくっていて後回しにされていたのである。
急に事が運んでしまったため、カレンにはなんの地位も用意できなかったのが悔やまれる。
「あの……」
当事者であるカレンそっちのけで、あーでもないこーでもないと論争が繰り広げられていると、カレンが手を挙げた。
「カレン、乙女が言うようにそなたは被害者だ。どのような内容であっても構わぬ。イーゼフ夫人から、そなたのこれまでの思いは全て聞いている。我々もそなたを不幸になどしたいわけではないからな。この場で申した内容を後日撤回しても良いから何でも言うが良い」
「あの……。発言をお許しくださって、ありがとうございます……この度は、私が年齢を詐称した事で皆さんをこのように混乱させてしまい申し訳ありませんでした」
カレンが、小さな体で一生懸命前を向いてそう謝罪の意を示した。
詐称ではない。圧倒的に強い権力を持つ僕たちが確認を怠った事が悪い。だというのに、カレンは王家や関係者ではなく自分が悪いことを全面に押し出した。
きっと、カレンなりに僕たちの今の立場を考えてくれたのだろう。
そんな彼女の優しい思いがひしひし伝わる。立場上ここで彼女の言葉を否定するわけにもいかない。
何よりも、彼女の気持ちを踏みにじってはダメだと、僕は奥歯を思いっきり噛み締めてカレンは悪くないことを叫びたい感情を押さえ込んだ。
いたいけな姿を見て、強い子孫だけでなくカレンを得る事で様々な利権を得る事ができると打算していたような重鎮たちも押し黙った。
「……私が、元の世界に戻れないという事は、この数日で嫌というほど思い知りました……。本当はとても帰りたいです。私には、私を愛してくれている両親や兄がいます。私も、彼らを愛しています。友達もいましたし、ずっとあの世界で暮らして、いつか好きな人と結婚してって、そんな普通の平凡な夢のようなものを胸に抱いていたんです……」
熱気の籠り出した会議室に、声も、衣擦れの音ひとつすらない静寂が訪れた。シーンと静まり返ったその空間にいる人物は全てカレンただ一人を見つめている。
思惑は様々だろう。だが、彼女が何を一体言うのか、それがその場の総意であったに違いない。
「ゼクス殿下、シビル閣下、これまで年齢を偽っていた私を保護していただきありがとうございました。私、この国で生きていかななくてはならないのなら、何も知らない無力な人間ですが、精一杯頑張りたいと思います。ただ、私の事で争わないでいただきたいのです……」
僕はカレンに敬称をつけて呼ばれた事で、胸が切り裂かれてぐしゃぐしゃにされたみたいに痛くなる。掻きむしりたくなるような、ぞわりとした不快感が僕を苛んだ。
だが、そんな事よりも、今すぐカレンの側に行き、小さな肩を今までのように抱きしめたかった。僕が絶対に守って幸せにしたかった彼女が、本当は心の中では泣き叫んでいるのが痛いほどわかる。
僕が感情のまま、カレンを連れてこの場から去るといった行動をすれば、重鎮たちも黙ってはいない。下手をすれば内乱にもなりかねないのだ。王子という地位だからこそ、こんな時に何も出来ないなんて、僕のこの立場が恨めしく思えたのは初めてだった。
「先輩……ビィノ様、お心遣い、感謝します。……私も結婚するならひとりがいいです。ただそれが無理なら、せめてもう少し少なくしてはいただけませんか?」
カレンが腰を折って全員に願いを伝える。
5人でも少ないくらいだ、と鼻息を荒くしていた伯爵なども、流石に彼女のその態度を見て口を結んだまま体を椅子の背もたれに倒した。
「カレン、その言葉、後悔しないか?」
父が王としてカレンにそう言うと、カレンは少し、ほんの少しだけ笑った。そんな問い、聞かなくてもわかるだろうという皮肉めいた表情を一瞬浮かべると、彼女はまた頭を下げる。
「後悔、するかもしれません……。でも、イーゼフ夫人にここに来るまでの間に色々聞いたんです。……私が生きて行くにはそうするしかないって思いました。いくらこの世界の事を知らない私でも、ひとりの夫だなんて無謀だと、今なら何となくわかります。だから……決めたんです」
そう言い切ると、カレンは背筋を伸ばして顎を引き、きっと引き締まったような表情で王を見た。不敬ともとられかねないその視線の位置は、挑発的にも見える。
だが、それこそが、彼女の決意の表れだろうと、一番難癖つけていた公爵が彼女の勇姿ともいえる無謀な態度に拍手をした。彼女がわがままを押し通さず、複数の夫を承認した事も大きいだろう。
重鎮を牽引するひとりである彼の拍手が、パン、パンと緩やかに響くと、彼の派閥の者がそれに倣い、いつしか全員の拍手とともに、カレンの要望が受け入れられたのである。
結果、王家が異界の乙女を独占する事は好ましくないと、カレンの身柄は今日この時より、イーゼフ夫人の侯爵家が全責任を持って引き取られる事になった。
この国の様々な事を学び、早急に婚約者を最低3人決めるように申し渡されたのであった。
※ゆるゆる設定です。国の在り方や周囲の思惑やモブキャラたちなどの事よりも、これからは離れ離れになってしまった主人公たちの恋愛主体で進めていきます。
僕たちが入った時、数人の重鎮から厳しい目を向けられた。彼らにしてみれば、おまけとはいえ、異界の乙女であるカレンを周囲の目を誤魔化すために子供と偽り、まんまと囲い込む予定だったのだろうという疑いがぬぐえないのは仕方がない。
僕は背を伸ばして、王族らしい表情を心掛け、先ほど睨んできた重鎮たちを一瞥する。すると、混血児であるとはいえ、王族の僕にあからさまな反意を示す気概がないのか視線をそらされた。
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子供にしては、発育のいい体型だとは思っていた。思っていたが、異界の女の子だからと深く考えた事はない。こうして改めて見ると、充分すぎるほど成長した女性を毎日のように子供扱いしていたのかと自分を殴りたくなった。
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胸が苦しいほど鼓動が速く強く打つ。敢えて平静さを崩さないように気をつけないと、呼吸も荒くなり挙動不審人物になっただろう。
ふと横に座るシビルを見ると、彼もまたカレンを凝視していた。体中に力が入り、大きな体が一回りさらに体積を増しているのか、騎士服がはちきれそうになっている。
「カレン、いきなりこのような場になったとはいえ、そなたに危害を加える者は誰一人としていない。気を楽にせよ」
カレンが着席すると、王がその場を取り仕切る。といっても、内容はすでに皆が知っているので茶番のようなものだ。それがダラダラと続けられ、この場にいる全員が気にしているカレンの今後の進退についての内容に移った。
「王、発言をお許しください!」
その時、神託の乙女であるビィノが挙手をし、美しい声が会場に響き渡る。8割ほどは、僕たちの親世代だが、残りは僕たちと同世代の青年だ。既婚者もいるが、美しくこの国を救うべく現れた彼女を恋い慕う求婚者たちもいる。うっとりとした視線が彼らから彼女に注がれた。
「申してみよ」
「カレンちゃんは……カレンは私の召喚に巻き込まれただけの被害者です。どうか、彼女の意思を尊重してあげてはいただけませんか? 私たちの育った国では夫が一人でしたし、基本的に自由恋愛でした。でも、予め知らされているこの会議の内容のままだと、カレンには私と同じく5人の夫を設けるように、という事に決定されますよね? でしたら、どうか、せめて私と同じように、カレンが望まないのならひとりでいいという条項を加えてあげてください!」
儚げで、王にも匹敵する権力が保証されている彼女が、胸の前で祈るようにそう願いを伝えると、3割程度の者が心を打たれたようだ。ジスクール兄上は、もとから彼女の意向を聞いていたのもあって、ビィノを誰よりもうっとり見つめながら顔をほんのり赤らめて、うんうん頷いている。
だが、カレンはビィノではない。
彼女に関しては地位もなにも保障されていない、だが、神託の乙女と同じ出身の環境に強い子孫を産む事のできる貴重な存在だ。特に、ビィノに求婚すらできない家の者たちにとっては、自分の家の者と結婚させたいと、のどから手が出るほど欲しいに違いない。
その問題は、すでに王たちも頭を悩ませていた。だが、現在、最も重要なのはビィノの身の安全と、彼女が誰を選んで子を生すのかという事だ。それに、カレンは子供だからまだ時間はあると高をくくっていて後回しにされていたのである。
急に事が運んでしまったため、カレンにはなんの地位も用意できなかったのが悔やまれる。
「あの……」
当事者であるカレンそっちのけで、あーでもないこーでもないと論争が繰り広げられていると、カレンが手を挙げた。
「カレン、乙女が言うようにそなたは被害者だ。どのような内容であっても構わぬ。イーゼフ夫人から、そなたのこれまでの思いは全て聞いている。我々もそなたを不幸になどしたいわけではないからな。この場で申した内容を後日撤回しても良いから何でも言うが良い」
「あの……。発言をお許しくださって、ありがとうございます……この度は、私が年齢を詐称した事で皆さんをこのように混乱させてしまい申し訳ありませんでした」
カレンが、小さな体で一生懸命前を向いてそう謝罪の意を示した。
詐称ではない。圧倒的に強い権力を持つ僕たちが確認を怠った事が悪い。だというのに、カレンは王家や関係者ではなく自分が悪いことを全面に押し出した。
きっと、カレンなりに僕たちの今の立場を考えてくれたのだろう。
そんな彼女の優しい思いがひしひし伝わる。立場上ここで彼女の言葉を否定するわけにもいかない。
何よりも、彼女の気持ちを踏みにじってはダメだと、僕は奥歯を思いっきり噛み締めてカレンは悪くないことを叫びたい感情を押さえ込んだ。
いたいけな姿を見て、強い子孫だけでなくカレンを得る事で様々な利権を得る事ができると打算していたような重鎮たちも押し黙った。
「……私が、元の世界に戻れないという事は、この数日で嫌というほど思い知りました……。本当はとても帰りたいです。私には、私を愛してくれている両親や兄がいます。私も、彼らを愛しています。友達もいましたし、ずっとあの世界で暮らして、いつか好きな人と結婚してって、そんな普通の平凡な夢のようなものを胸に抱いていたんです……」
熱気の籠り出した会議室に、声も、衣擦れの音ひとつすらない静寂が訪れた。シーンと静まり返ったその空間にいる人物は全てカレンただ一人を見つめている。
思惑は様々だろう。だが、彼女が何を一体言うのか、それがその場の総意であったに違いない。
「ゼクス殿下、シビル閣下、これまで年齢を偽っていた私を保護していただきありがとうございました。私、この国で生きていかななくてはならないのなら、何も知らない無力な人間ですが、精一杯頑張りたいと思います。ただ、私の事で争わないでいただきたいのです……」
僕はカレンに敬称をつけて呼ばれた事で、胸が切り裂かれてぐしゃぐしゃにされたみたいに痛くなる。掻きむしりたくなるような、ぞわりとした不快感が僕を苛んだ。
だが、そんな事よりも、今すぐカレンの側に行き、小さな肩を今までのように抱きしめたかった。僕が絶対に守って幸せにしたかった彼女が、本当は心の中では泣き叫んでいるのが痛いほどわかる。
僕が感情のまま、カレンを連れてこの場から去るといった行動をすれば、重鎮たちも黙ってはいない。下手をすれば内乱にもなりかねないのだ。王子という地位だからこそ、こんな時に何も出来ないなんて、僕のこの立場が恨めしく思えたのは初めてだった。
「先輩……ビィノ様、お心遣い、感謝します。……私も結婚するならひとりがいいです。ただそれが無理なら、せめてもう少し少なくしてはいただけませんか?」
カレンが腰を折って全員に願いを伝える。
5人でも少ないくらいだ、と鼻息を荒くしていた伯爵なども、流石に彼女のその態度を見て口を結んだまま体を椅子の背もたれに倒した。
「カレン、その言葉、後悔しないか?」
父が王としてカレンにそう言うと、カレンは少し、ほんの少しだけ笑った。そんな問い、聞かなくてもわかるだろうという皮肉めいた表情を一瞬浮かべると、彼女はまた頭を下げる。
「後悔、するかもしれません……。でも、イーゼフ夫人にここに来るまでの間に色々聞いたんです。……私が生きて行くにはそうするしかないって思いました。いくらこの世界の事を知らない私でも、ひとりの夫だなんて無謀だと、今なら何となくわかります。だから……決めたんです」
そう言い切ると、カレンは背筋を伸ばして顎を引き、きっと引き締まったような表情で王を見た。不敬ともとられかねないその視線の位置は、挑発的にも見える。
だが、それこそが、彼女の決意の表れだろうと、一番難癖つけていた公爵が彼女の勇姿ともいえる無謀な態度に拍手をした。彼女がわがままを押し通さず、複数の夫を承認した事も大きいだろう。
重鎮を牽引するひとりである彼の拍手が、パン、パンと緩やかに響くと、彼の派閥の者がそれに倣い、いつしか全員の拍手とともに、カレンの要望が受け入れられたのである。
結果、王家が異界の乙女を独占する事は好ましくないと、カレンの身柄は今日この時より、イーゼフ夫人の侯爵家が全責任を持って引き取られる事になった。
この国の様々な事を学び、早急に婚約者を最低3人決めるように申し渡されたのであった。
※ゆるゆる設定です。国の在り方や周囲の思惑やモブキャラたちなどの事よりも、これからは離れ離れになってしまった主人公たちの恋愛主体で進めていきます。
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