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49 最後のガチャ~突然現れたのは?
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「グス……。リア充なんて、爆発しちゃえばいいのよ……」
シンディがポツリと呟いた時、目の前にポワンと煙が立ち込めた。小さな爆発のようにも見えるそれが晴れて行く。
前方にいる、立派なトナカイが後方のソリをひくようにテラスの外側に浮かんでいた。
ソリの御者台に座っている人物が着用している洋服は、赤の帽子にもこもこの温そうな生地で出来た洋服には白の縁取りが施されている。
シンディはぱちぱちと何度も瞬きを繰り返すと、赤い服の人物が口を開いた。
「やっほー! 愛を語らう恋人たち! 君たちに、素敵な聖夜を過ごすためのプレゼントを授けちゃうわよ。このガチャには、今の君たちに必要な物が入っているから。さぁ、ガチャを回してみてね? おめでとう! 君たちの素晴らしい未来の布石になりますよーにっ!」
いきなりそう言いながらガチャを差し出すのは、20歳前後の可愛らしい黒髪に濃い茶色の瞳を持つ同年代の女の子だ。
赤い衣装に身を包み、明るくソリからひらりとテラスに舞い降りた。
「え? は? え?」
シンディは、突然現れた女の子に驚愕して頭が真っ白になった。元気いっぱいに現れた女の子が、反応の悪いシンディを見て訝しむ。
彼女オリジナルの転生前の世界で流行した女の子サンタの衣装は、シンディたち貴族ではありえないほど、細くて長い魅力的な彼女の足を露わにしている。
分厚いタイツに長いブーツ。赤のモコモコしたぴったりした胸元には、白色の丸いボンボンが揺れていた。
「あれ? うーん? あなた、シンディ・アールトネン伯爵様ですよね? ひょっとして、 えー? 私ったら、人を間違っちゃった?」
「ううん、サンタちゃん。その子で間違いないわよ」
「やっだ、ダーリンったら物知り~」
「ふふふ、ハニー惚れ直しちゃった?」
「うん!」
「……、ちょっと! トナカイちゃんに、トナカイさん! 一人身の私の前でいちゃいちゃしないでよね! もう~、はーらーたーつー!」
「えー。だってぇ。せっかくダーリンが、相棒のサンタさんが今日は休みだから非番になったのに、サンタちゃんが恋人ができないから私だけがお仕事になっちゃって。だからダーリンがこうして手伝ってくれているのにぃ」
「ふふふ、ハニーと一緒にいられるなら、どんな状況だってパラダイスよ」
「きゃあ! ダーリンったら、すってきぃ!」
「うるさいよ! バカップルめ!」
サンタちゃんと呼ばれた女の子が、いちゃいちゃし始めるトナカイカップルをぎろっと睨む。
サンタちゃんはシンディに早くガチャを回せと突き出した。
「今日のお仕事、こことあと一つで終わりなのよね。早く家に帰って休みたいのよ~。だから、ね? はやく回して! さあ、さあ、さあっ! はいっ! お幸せに~!」
「あの……? 君たちとおっしゃいましたが、わたくしは生憎恋人もおらず一人なのですけれども……」
「あ! えーと。大丈夫っ! とにかく回してくれたら貴女にとって、望む〈もの〉が現れるからさっ!」
サンタちゃんの剣幕に押されてしまいガチャにてを伸ばす。
本当に欲しい「もの」など現れるはずはないのになと思いつつ、彼と一緒に回した時を思い出しながら回した。
ガチャガチャガチャ
すると、金色のカプセルが出て来た。中身はどんなグッズなのか、それとも、毎日ピュヨコと一緒に愛らしい姿で心を慰めてくれる毛玉ちゃんのようなペットなのか。
突然の現実味のない状況下で、すっかりガチャに興味を惹かれてしまう。
ドキドキしながらカプセルを開けたのであった。
シンディがポツリと呟いた時、目の前にポワンと煙が立ち込めた。小さな爆発のようにも見えるそれが晴れて行く。
前方にいる、立派なトナカイが後方のソリをひくようにテラスの外側に浮かんでいた。
ソリの御者台に座っている人物が着用している洋服は、赤の帽子にもこもこの温そうな生地で出来た洋服には白の縁取りが施されている。
シンディはぱちぱちと何度も瞬きを繰り返すと、赤い服の人物が口を開いた。
「やっほー! 愛を語らう恋人たち! 君たちに、素敵な聖夜を過ごすためのプレゼントを授けちゃうわよ。このガチャには、今の君たちに必要な物が入っているから。さぁ、ガチャを回してみてね? おめでとう! 君たちの素晴らしい未来の布石になりますよーにっ!」
いきなりそう言いながらガチャを差し出すのは、20歳前後の可愛らしい黒髪に濃い茶色の瞳を持つ同年代の女の子だ。
赤い衣装に身を包み、明るくソリからひらりとテラスに舞い降りた。
「え? は? え?」
シンディは、突然現れた女の子に驚愕して頭が真っ白になった。元気いっぱいに現れた女の子が、反応の悪いシンディを見て訝しむ。
彼女オリジナルの転生前の世界で流行した女の子サンタの衣装は、シンディたち貴族ではありえないほど、細くて長い魅力的な彼女の足を露わにしている。
分厚いタイツに長いブーツ。赤のモコモコしたぴったりした胸元には、白色の丸いボンボンが揺れていた。
「あれ? うーん? あなた、シンディ・アールトネン伯爵様ですよね? ひょっとして、 えー? 私ったら、人を間違っちゃった?」
「ううん、サンタちゃん。その子で間違いないわよ」
「やっだ、ダーリンったら物知り~」
「ふふふ、ハニー惚れ直しちゃった?」
「うん!」
「……、ちょっと! トナカイちゃんに、トナカイさん! 一人身の私の前でいちゃいちゃしないでよね! もう~、はーらーたーつー!」
「えー。だってぇ。せっかくダーリンが、相棒のサンタさんが今日は休みだから非番になったのに、サンタちゃんが恋人ができないから私だけがお仕事になっちゃって。だからダーリンがこうして手伝ってくれているのにぃ」
「ふふふ、ハニーと一緒にいられるなら、どんな状況だってパラダイスよ」
「きゃあ! ダーリンったら、すってきぃ!」
「うるさいよ! バカップルめ!」
サンタちゃんと呼ばれた女の子が、いちゃいちゃし始めるトナカイカップルをぎろっと睨む。
サンタちゃんはシンディに早くガチャを回せと突き出した。
「今日のお仕事、こことあと一つで終わりなのよね。早く家に帰って休みたいのよ~。だから、ね? はやく回して! さあ、さあ、さあっ! はいっ! お幸せに~!」
「あの……? 君たちとおっしゃいましたが、わたくしは生憎恋人もおらず一人なのですけれども……」
「あ! えーと。大丈夫っ! とにかく回してくれたら貴女にとって、望む〈もの〉が現れるからさっ!」
サンタちゃんの剣幕に押されてしまいガチャにてを伸ばす。
本当に欲しい「もの」など現れるはずはないのになと思いつつ、彼と一緒に回した時を思い出しながら回した。
ガチャガチャガチャ
すると、金色のカプセルが出て来た。中身はどんなグッズなのか、それとも、毎日ピュヨコと一緒に愛らしい姿で心を慰めてくれる毛玉ちゃんのようなペットなのか。
突然の現実味のない状況下で、すっかりガチャに興味を惹かれてしまう。
ドキドキしながらカプセルを開けたのであった。
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