上 下
52 / 66

45 ガチャを回そう~カプセルの中身は?③R15~

しおりを挟む
※タグにあるグッズの初級編……かどうかの判断は、個人差があります。




「「あ……」」

 二人は手を合わせたまま同時に言葉を発した。

「ヨウルプッキ様、この場合カプセルはどうなるのでしょうか?」
「すみません、思わず……。僕が触れてしまったから何が出るのか……。その、シンディ様は可愛らしい物をと願われていたのですよね?」
「え? ええ。勿論です。できれば、小鳥のように、もこもこの羽毛があるような……。先ほどの猫ちゃんもかわいらしかったのですが、つるりとしていましたでしょう? 羽毛か、滑らかな毛皮が付いたものがいいなと思いながら回しました」

 ヨウルプッキは、それを聞いて、ならば出てくるのは頭に付ける動物の耳や、服につけるタイプのしっぽとか、街中でお祭りの時などにペアでつけるようなモノだと確信した。
 
──それか、背中に天使の羽をつけるようなモノもあった。天使の羽をつけたシンディ……。もふもふの耳や、手袋、しっぽをつけて、僕を誘うようにちょっと蠱惑的にエッチなポーズをとる恋人……。く~かわいいだろうなあ

 ヨウルプッキは、楽観的な考えと、それをつけた愛らしくも色っぽいシンディの姿が見たくなって仕方がない。彼の幸せな妄想の中では、いつだってシンディは相思相愛の恋人なのだ。
  とんでも大人グッズが出てきて嫌われてしまったらどうしようといった恐怖はどこかに去って行ってしまった。


「なら、大丈夫かな? 僕も可愛い物がいいと思ってましたから」

 ヨウルプッキは、興奮のために、目がらんらんとして鼻息を荒くしてしまう。幸か不幸か、シンディはカプセルに夢中でそれに気づいていない。

 シンディは、それを持ち、カパッと勢いよく開けた。出て来た煙は手の平ほどなので、煙が晴れるまで開いた手の平の上に乗せ続けた。

「ピゥ」

 出て来たのは、虹色ピュヨコと同じくらいの大きさの愛らしいもふもふだった。つぶらな瞳は真ん丸で、こちらを見ており体をふるふる小さく震わせている。

「まあ、かわいい~。ふふふ、突然だったから驚いちゃった? 怖くないわ、安心してね」

 ヨウルプッキは、想像とは違うためにがっくりと肩を落として項垂れてしまった。だが、それを見てかわいがる彼女が喜んでいる姿を見て、良かったなと本心で思った。

「ピッ、ピィ」

 しかしながら、このガチャにはそういったは少ない。しかも、生物は魔獣を改良したものしか入れていないため、この小さな仔の正体が何なのか考えて行く。
 
──それにしても、僕のシンディにあんなに可愛がられて……。僕なんて、さっきみたいな偶然でしか触れられないし、夕方にはお別れなのに……くそ。アイツは家に持って帰ってもらって、ずっと一緒にいて貰って、お風呂も一緒に入って、あまつさえ一緒のベッドで眠るのだろうか?

 出て来たソレを心底羨ましく思う。何なら立場を変わりたいとまで思っていると、シンディの手の平で震えていたソレがモゾモゾ動き出したと思うと、ぶわっと毛を逆立て楕円形になった。

「あら? どうしたの?」

 シンディの守護者である虹色ピュヨコは、この二人なら、シンディに危険はないと判断したようだ。さきほど部屋から出て行き、久しぶりの屋敷の外を散策して楽しんでいる。

 ヨウルプッキは、シンディの声を聞き我に返る。そして、ソレを見ながら何かを思い出せそうだと頭をひねった。

  そういえば、先月に開発された新商品の中に、小さな毛玉があって、可愛らしく通常はペットとして害もないため問題なく飼育できる魔獣があったな、と。

「ヨウルプッキ様、このコの様子が変になって……」

 ヨウルプッキは、この数秒ほど思考に囚われていて彼女の行動を見ていなかった。

「こうなる前、何をされましたか?」

 たしか、その魔獣は……

「あまりにもかわいいのでキスをしたんです」

 その魔獣は、持ち主のキスをトリガーにとある変貌を遂げるとかなんとか……

「あ……」
「え……? や、きゃああ!」

 ヨウルプッキがその正体を完全に思い出した時にはもう遅かった。

 毛玉から、数本の触手が現れ、あっという間にシンディのドレスの胸元にある谷間にするんっと入り込んだのであった。

「くすぐったぁい……、お願い出てきてぇ……」

 シンディは、毛玉がモゾモゾドレスの中で蠢きながら触手を肌に這わせていくと同時にその身をくねらせる。目を閉じて、その感覚に涙が目じりにたまり始めた。

「あ? え? やぁ、そこはぁ」


 ヨウルプッキは、ごくりと彼女の痴態に魅入る。胸元のドレス越しに毛玉の位置が分かり、おっぱいの間に居座っている。好き勝手にうねうねと触手を伸ばしていっているのさえはっきりと見えた。

  触手が彼女の弱点をすかさず見出だして、どんどん擽る。

 目元どころか体中を真っ赤にして身もだえ始め、立つのも無理そうになった彼女の細い体を抱きしめた。

  毛玉が、シンディが喜んでいると思い「ピゥ!」と一鳴きすると、もっと喜んでもらおうと、無邪気に擽り続けた。

「シンディ様、しっかり!」

「ヨウルプッキ、さまぁ! ……ん、あぁ……とって、とってぇ!  はぁはぁ……、ん……!」

 縋りつかれて、このままでは危ないと横抱きにしようとぐっと体を近づける。

「ヨウルプッキ様、ああ、助けてぇ……」
「ああ、あんっ! やあ、見ないでぇ……」

 シンディが、触手の動きに合わせるように、ぴくぴくと体を小さく震わせ、ヨウルプッキに縋り付き、その逞しい首筋に腕を絡ませてきた。

  首筋に愛しい人の熱い吐息がかかる。

  取ってあげたいが、それはつまり、ドレスの中に手を入れなくてはならなくて。いや、自分の大きなこの手が、彼女のぴったりとしたドレスの中に入るわけはない。

──ぬ、脱がす?  脱がしていいのか?  どうする、僕はどうすればいいんだ?

 一瞬で股間が痛いほど天を向き反り返っていた。彼女のその淫らな表情と胸元をじっと魅入ってしまう。
  愛しい恋人のお願いを聞くのも忘れて、抱きしめたまま突っ立ってしまう。

「あっ……!  そこはダメェ!」
「……っ! シンディ、しっかり……! え? あ!」

 シンディは、触手に一番弱い脇腹をこしょこしょ擽られ、思い切り体をびくっと反らせた。

  バランスを崩したヨウルプッキは、彼女を抱えたまま、後方にあった大きなソファに勢いよく、半分寝転ぶような姿勢で座り込んだのであった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!

臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。 そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。 ※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています ※表紙はニジジャーニーで生成しました

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

【R18】塩対応な副団長、本当は私のことが好きらしい

ほづみ
恋愛
騎士団の副団長グレアムは、事務官のフェイに塩対応する上司。魔法事故でそのグレアムと体が入れ替わってしまった! キスすれば一時的に元に戻るけれど、魔法石の影響が抜けるまではこのままみたい。その上、体が覚えているグレアムの気持ちが丸見えなんですけど! 上司だからとフェイへの気持ちを秘密にしていたのに、入れ替わりで何もかもバレたあげく開き直ったグレアムが、事務官のフェイをペロリしちゃうお話。ヒーローが片想い拗らせています。いつものようにふわふわ設定ですので、深く考えないでお付き合いください。 ※大規模火災の描写が出てきます。苦手な方はご自衛をお願いします。 他サイトにも掲載しております。 2023/08/31 タイトル変更しました。

皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~

一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。 だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。 そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

処理中です...