16 / 75
哄笑の小公爵
しおりを挟む
「だが、契約印とはなあ。あいつは、出来が悪い馬鹿だ馬鹿だアホだと思っていたが真正だったか……」
「サンバール、そう言うな。馬鹿と比べると馬鹿の方が気の毒だ。それはそうと、確かにあのぼんくら王子はそのように宣言したのか?」
「はい……。ふふふ、それにしても、お父様もお兄様も不敬ですわ。わたくしも、まさか契約印を使用するとは思っていませんでしたが、文言を重役会議で事細かに決めてから行うそれを、あのように突発的にするんですもの。呆れて笑ってしまいそうでしたわ」
呆れかえりながらも、妹にもう一度確認すると、失笑しか浮かんでこない。歴代王族の中でも、前代未聞の愚かな行為に、父も笑うしかないようだった。
「キャロルが辺境伯に嫁いで後継者を残せ。たったこれだけか? 本当に?」
「正確には、王家の血脈を宿すヤーリ・トゥ・バジャーナリーが、キャロライン・バヨータージユに命じる。キトグラムン・マーシルムの妻となり後継者を残せっ! ですわ。期限もなければ、わたくしに彼の子を産めとも仰っていませんでした。初婚でないといけない、辺境伯爵様の血を必ず受け継ぐ者といった条項もなくて。ふふ、そもそも、宣誓内容で無期限の契約だなんて、初めてですわ」
「死ぬまで嫁がなくてもいい、と言う事か。その間に他の所に嫁いでもいいではないか。それに、外から彼の後継者を迎えて良い、などとは、なんとも間の抜けた内容だ。10才の子供でもそれくらいの事はわかるというのに」
「戦時中は、契約印の宣誓を、唱え始めて終わるまで1時間以上かけて言わねばならないほどの綿密な文言だったのになあ。あいつも、それは習っていたはずなんだが……」
「習っていても、それを記憶して有効に使用できるかどうかは……。ふふ、どうでしょう」
俺のキャロルを縛り付けていたにっくき王子の、穴だらけの宣誓に笑いが堪えられなかった。こんなにも笑ったのはいつぶりだろうか。見れば、父も肩を震わせて、ウールスタ特性のカモミールティーを飲み干しているではないか。俺も気を落ち着かせるために、同じくカモミールティーを一口飲んだ。
あちら有責で、王家の厄介払いでしかなかった王子とキャロルの結婚が無くなり、三人で祝った。数年前に亡くなった母上も、これで安心して眠りにつけるだろうと、肩の荷が下りた気分だった。
「サンバールお兄様も、これで堂々と公爵家を継げますわね。本当に良かったですわ」
「ああ、一生影の身かと思っていたが。とはいえ、王子は名ばかりの公爵として何もさせはしなかったが」
「あの王子がわが領地に口出しをしようものなら、瞬く間に領民が行き場を失うだろうからな。そこは、陛下もいざとなれば部屋に監禁してよいとは仰ってくれていたのが幸いだ」
「そもそも、我が家があれを引き取る謂れはありませんでしたからね。それより、キャロルが自由の身になれたんだ。私の事はともかくとして、それが何よりうれしい事だな。使用人たちはじめ、領民ももろ手を挙げて喜ぶだろう」
「お兄様ったら、言い過ぎですわ」
「いや、そうでもないぞ。視察の度に、お前の事を皆が心配していたからな」
「まあ、わたくしの事を皆がそれほどまでに思ってくれていたなんて、なんと幸せな事なのでしょう」
ひとしきり雑談などでにぎわった後、父が妹に、姿勢を正して話しかけた。
「キャロルの今後なんだが……。どうする? 契約に縛られる必要がないのなら、このままうちで過ごさないか?」
「その事なのですが、わたくし、辺境伯爵様が受け入れてくださるのならそちらに参りたいと考えておりますの。王都にいるとなにかと騒がしいですし、領地でもずっと独り身でいると皆が心配しますから」
「まあ、あの男は断るまい。真面目で、実直な性格だからな」
「わたくしも、お父様の仰る通りかと思います。かの方は、王家に忠誠を誓ってらっしゃいますものね。王太子殿下の例の件がありますから、王家も辺境伯爵様には強く出る事はありませんし」
「だが、辺境は遠いじゃないか……。辺境伯は確かにキャロルを預けるに足る人物ではあるが……。せめて、暫くは一緒にいないか?」
「まあ、おふたりがそろって殿方をお褒めになられるだなんて……。さぞかし素晴らしいお方なのでしょうね」
キャロルに甘すぎる父が、聞かれるがままに応え始めた。正直に言いすぎる故に、公爵としての立場上、それはいかがなものかと思うが、俺も気が付けば辺境伯の事について喋らされていたのである。
ふたりして彼の事をほめ過ぎたせいで、まさか妹があれほど早く辺境に旅立つ事になろうとは思いもしなかった。
父が、今回の騒動の顛末について、王家の印のついた公文書とともに分厚い手紙を送った。大荷物で移動するキャロルよりも早く、彼の手に渡るだろう。あれを読めば、キャロルの悪評が単なる噂にしか過ぎず、どれほど立派なレディなのか理解できるはずだ。
キトグラムン・マーシムルという男と父は、ずっと以前からの付き合いがある。彼が呪われてからも、父は彼の事を気にかけていて交流していた。社交界には一切出る事はない彼と、幾度か会って話をした事はある。
その時に、彼が呪われていなければ、さぞかし社交界で人気だっただろうにと少々残念に思えたものだ。
実際にふたりが会ってみて、どうしても合わなければ家に帰ってくればいいだけの事。
キャロルを見送った後、父とふたりで王宮に向かった。すでに今回騒ぎを起こした全員への処罰はほぼ決定されている。王族が絡む事なので形ばかりの裁判は開かれるが、王も王妃も今回のヤーリ王子のしでかした事へ庇いだては一切しなかった。
キャロル自身は、もう王子に興味はないのか、通例に則った処罰くらいにしか考えていないだろうが、父がそれでは納得しないだろう。私とて、長年妹を愚弄し続けた男を許すわけにはいかない。
「キャロル。こちらの五月蠅い虫たちは、父上と私がきちんと退治しておいてあげる。辺境伯に大切にしてもらうんだよ……」
遥か遠い、青い空の果てにある辺境に向かう妹を思いながら、私は城の一角にある広い部屋に足を踏み入れたのであった。
「サンバール、そう言うな。馬鹿と比べると馬鹿の方が気の毒だ。それはそうと、確かにあのぼんくら王子はそのように宣言したのか?」
「はい……。ふふふ、それにしても、お父様もお兄様も不敬ですわ。わたくしも、まさか契約印を使用するとは思っていませんでしたが、文言を重役会議で事細かに決めてから行うそれを、あのように突発的にするんですもの。呆れて笑ってしまいそうでしたわ」
呆れかえりながらも、妹にもう一度確認すると、失笑しか浮かんでこない。歴代王族の中でも、前代未聞の愚かな行為に、父も笑うしかないようだった。
「キャロルが辺境伯に嫁いで後継者を残せ。たったこれだけか? 本当に?」
「正確には、王家の血脈を宿すヤーリ・トゥ・バジャーナリーが、キャロライン・バヨータージユに命じる。キトグラムン・マーシルムの妻となり後継者を残せっ! ですわ。期限もなければ、わたくしに彼の子を産めとも仰っていませんでした。初婚でないといけない、辺境伯爵様の血を必ず受け継ぐ者といった条項もなくて。ふふ、そもそも、宣誓内容で無期限の契約だなんて、初めてですわ」
「死ぬまで嫁がなくてもいい、と言う事か。その間に他の所に嫁いでもいいではないか。それに、外から彼の後継者を迎えて良い、などとは、なんとも間の抜けた内容だ。10才の子供でもそれくらいの事はわかるというのに」
「戦時中は、契約印の宣誓を、唱え始めて終わるまで1時間以上かけて言わねばならないほどの綿密な文言だったのになあ。あいつも、それは習っていたはずなんだが……」
「習っていても、それを記憶して有効に使用できるかどうかは……。ふふ、どうでしょう」
俺のキャロルを縛り付けていたにっくき王子の、穴だらけの宣誓に笑いが堪えられなかった。こんなにも笑ったのはいつぶりだろうか。見れば、父も肩を震わせて、ウールスタ特性のカモミールティーを飲み干しているではないか。俺も気を落ち着かせるために、同じくカモミールティーを一口飲んだ。
あちら有責で、王家の厄介払いでしかなかった王子とキャロルの結婚が無くなり、三人で祝った。数年前に亡くなった母上も、これで安心して眠りにつけるだろうと、肩の荷が下りた気分だった。
「サンバールお兄様も、これで堂々と公爵家を継げますわね。本当に良かったですわ」
「ああ、一生影の身かと思っていたが。とはいえ、王子は名ばかりの公爵として何もさせはしなかったが」
「あの王子がわが領地に口出しをしようものなら、瞬く間に領民が行き場を失うだろうからな。そこは、陛下もいざとなれば部屋に監禁してよいとは仰ってくれていたのが幸いだ」
「そもそも、我が家があれを引き取る謂れはありませんでしたからね。それより、キャロルが自由の身になれたんだ。私の事はともかくとして、それが何よりうれしい事だな。使用人たちはじめ、領民ももろ手を挙げて喜ぶだろう」
「お兄様ったら、言い過ぎですわ」
「いや、そうでもないぞ。視察の度に、お前の事を皆が心配していたからな」
「まあ、わたくしの事を皆がそれほどまでに思ってくれていたなんて、なんと幸せな事なのでしょう」
ひとしきり雑談などでにぎわった後、父が妹に、姿勢を正して話しかけた。
「キャロルの今後なんだが……。どうする? 契約に縛られる必要がないのなら、このままうちで過ごさないか?」
「その事なのですが、わたくし、辺境伯爵様が受け入れてくださるのならそちらに参りたいと考えておりますの。王都にいるとなにかと騒がしいですし、領地でもずっと独り身でいると皆が心配しますから」
「まあ、あの男は断るまい。真面目で、実直な性格だからな」
「わたくしも、お父様の仰る通りかと思います。かの方は、王家に忠誠を誓ってらっしゃいますものね。王太子殿下の例の件がありますから、王家も辺境伯爵様には強く出る事はありませんし」
「だが、辺境は遠いじゃないか……。辺境伯は確かにキャロルを預けるに足る人物ではあるが……。せめて、暫くは一緒にいないか?」
「まあ、おふたりがそろって殿方をお褒めになられるだなんて……。さぞかし素晴らしいお方なのでしょうね」
キャロルに甘すぎる父が、聞かれるがままに応え始めた。正直に言いすぎる故に、公爵としての立場上、それはいかがなものかと思うが、俺も気が付けば辺境伯の事について喋らされていたのである。
ふたりして彼の事をほめ過ぎたせいで、まさか妹があれほど早く辺境に旅立つ事になろうとは思いもしなかった。
父が、今回の騒動の顛末について、王家の印のついた公文書とともに分厚い手紙を送った。大荷物で移動するキャロルよりも早く、彼の手に渡るだろう。あれを読めば、キャロルの悪評が単なる噂にしか過ぎず、どれほど立派なレディなのか理解できるはずだ。
キトグラムン・マーシムルという男と父は、ずっと以前からの付き合いがある。彼が呪われてからも、父は彼の事を気にかけていて交流していた。社交界には一切出る事はない彼と、幾度か会って話をした事はある。
その時に、彼が呪われていなければ、さぞかし社交界で人気だっただろうにと少々残念に思えたものだ。
実際にふたりが会ってみて、どうしても合わなければ家に帰ってくればいいだけの事。
キャロルを見送った後、父とふたりで王宮に向かった。すでに今回騒ぎを起こした全員への処罰はほぼ決定されている。王族が絡む事なので形ばかりの裁判は開かれるが、王も王妃も今回のヤーリ王子のしでかした事へ庇いだては一切しなかった。
キャロル自身は、もう王子に興味はないのか、通例に則った処罰くらいにしか考えていないだろうが、父がそれでは納得しないだろう。私とて、長年妹を愚弄し続けた男を許すわけにはいかない。
「キャロル。こちらの五月蠅い虫たちは、父上と私がきちんと退治しておいてあげる。辺境伯に大切にしてもらうんだよ……」
遥か遠い、青い空の果てにある辺境に向かう妹を思いながら、私は城の一角にある広い部屋に足を踏み入れたのであった。
0
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
スパダリ猟犬騎士は貧乏令嬢にデレ甘です!【R18/完全版】
鶴田きち
恋愛
★初恋のスパダリ年上騎士様に貧乏令嬢が溺愛される、ロマンチック・歳の差ラブストーリー♡
★貧乏令嬢のシャーロットは、幼い頃からオリヴァーという騎士に恋をしている。猟犬騎士と呼ばれる彼は公爵で、イケメンで、さらに次期騎士団長として名高い。
ある日シャーロットは、ひょんなことから彼に逆プロポーズしてしまう。オリヴァーはそれを受け入れ、二人は電撃婚約することになる。婚約者となった彼は、シャーロットに甘々で――?!
★R18シーンは第二章の後半からです。その描写がある回はアスタリスク(*)がつきます
★ムーンライトノベルズ様では第二章まで公開中。(旧タイトル『初恋の猟犬騎士様にずっと片想いしていた貧乏令嬢が、逆プロポーズして電撃婚約し、溺愛される話。』)
★エブリスタ様では【エブリスタ版】を公開しています。
★「面白そう」と思われた女神様は、毎日更新していきますので、ぜひ毎日読んで下さい!
その際は、画面下の【お気に入り☆】ボタンをポチッとしておくと便利です。
いつも読んで下さる貴女が大好きです♡応援ありがとうございます!
美貌の騎士団長は逃げ出した妻を甘い執愛で絡め取る
束原ミヤコ
恋愛
旧題:夫の邪魔になりたくないと家から逃げたら連れ戻されてひたすら愛されるようになりました
ラティス・オルゲンシュタットは、王国の七番目の姫である。
幻獣種の血が流れている幻獣人である、王国騎士団団長シアン・ウェルゼリアに、王を守った褒章として十五で嫁ぎ、三年。
シアンは隣国との戦争に出かけてしまい、嫁いでから話すこともなければ初夜もまだだった。
そんなある日、シアンの恋人という女性があらわれる。
ラティスが邪魔で、シアンは家に戻らない。シアンはずっとその女性の家にいるらしい。
そう告げられて、ラティスは家を出ることにした。
邪魔なのなら、いなくなろうと思った。
そんなラティスを追いかけ捕まえて、シアンは家に連れ戻す。
そして、二度と逃げないようにと、監禁して調教をはじめた。
無知な姫を全力で可愛がる差別種半人外の騎士団長の話。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる
一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。
そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ハズレ令嬢の私を腹黒貴公子が毎夜求めて離さない
扇 レンナ
恋愛
旧題:買われた娘は毎晩飛ぶほど愛されています!?
セレニアは由緒あるライアンズ侯爵家の次女。
姉アビゲイルは才色兼備と称され、周囲からの期待を一身に受けてきたものの、セレニアは実の両親からも放置気味。将来に期待されることなどなかった。
だが、そんな日々が変わったのは父親が投資詐欺に引っ掛かり多額の借金を作ってきたことがきっかけだった。
――このままでは、アビゲイルの将来が危うい。
そう思った父はセレニアに「成金男爵家に嫁いで来い」と命じた。曰く、相手の男爵家は爵位が上の貴族とのつながりを求めていると。コネをつなぐ代わりに借金を肩代わりしてもらうと。
その結果、セレニアは新進気鋭の男爵家メイウェザー家の若き当主ジュードと結婚することになる。
ジュードは一代で巨大な富を築き爵位を買った男性。セレニアは彼を仕事人間だとイメージしたものの、実際のジュードはほんわかとした真逆のタイプ。しかし、彼が求めているのは所詮コネ。
そう決めつけ、セレニアはジュードとかかわる際は一線を引こうとしていたのだが、彼はセレニアを強く求め毎日のように抱いてくる。
しかも、彼との行為はいつも一度では済まず、セレニアは毎晩のように意識が飛ぶほど愛されてしまって――……!?
おっとりとした絶倫実業家と見放されてきた令嬢の新婚ラブ!
◇hotランキング 3位ありがとうございます!
――
◇掲載先→アルファポリス(先行公開)、ムーンライトノベルズ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる