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ご飯のお礼②
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持って来られた食事をいつものようにリリアに食べさせていると、サンチョさんが尋ねてきた。
「妖精も食事をするのですか?」
「ええ、そうなんですよ。別に食べなくてもいいみたい何ですが、自分一人で食べるのが申し訳なくて、こうやって一緒に食べてもらっているんです」
「そうなのですか。それでは小鉢を追加しておきましょう」
「良いんですか?」
「構いませんよ。珍しいものを見せてもらったお礼ですよ」
ホホホとサンチョさんが笑った。ずいぶんと気前がいい人だな。もしかして、妖精が欲しいのかな? まあ、リリアをあげるつもりは全くないけどね。
「あのオッサン、右腕が悪いみたいね」
サンチョさんの右腕が悪い? 全然気がつかなかったな。リリアの目には別の世界が見えているのかも知れない。
「リリアはみんなをオッサン呼ばわりするよね。ちゃんと名前を覚えようよ」
「良いのよ、別に。ご飯をおごってくれたお礼に、オッサンの腕を治しちゃう?」
確かに一理あるな。宿も食事も、良いものを提供してもらったしね。おまけに報酬もいい。
「そうだね。お礼に、そうするとしよう」
食事が終わり、みんなが宿屋に戻ったのを確認すると、サンチョさんが泊まっている部屋に向かった。部屋の中にはサンチョさん以外の気配もある。商売の話でもしているのかな?
ドアをノックすると、すぐに返事が返ってきた。
「これはフェルさんじゃないですか。どうかしましたか?」
「いえ、大したことではないのですが、食事のお礼をしたいと思いましてね」
「食事のお礼……?」
「はい。サンチョさん、右腕を悪くしているみたいですね」
それを聞いて、サンチョさんの顔色が変わった。あれ、まずいこと言ったかな? サンチョさんの部屋にいた、相談役みたいな人は首をかしげている。
「良く分かりましたね。見た目は何ともないのですが、常にしびれる感覚がありましてね。時々ですが、痛むことがあるのですよ。お恥ずかしいことに、その昔、毒にやられてしまいましてね」
眉を曲げて笑うサンチョさん。あまり思い出したくない出来事のようである。毒にやられたということは、昔は冒険者をやっていたのかな? それとも、サンチョさんを敵視している人に毒を盛られたのかな?
「腕の神経がいくつかダメになっているわね。でもそれをつなげちゃえば大丈夫そうよ」
「了解。エクストラ・ヒール」
リリアの指示を受けて、エクストラ・ヒールを使うことにした。この回復魔法は失った体の一部を取り戻すことができる魔法だ。そんなわけで、サンチョさんは失った腕の神経を取り戻すことができたはずだ。
「え、エクストラ・ヒール! まさか、使える人物がいるだなんて! あれだけ探してもどこにもいなかったのに!」
サンチョさんが興奮して叫んでいる。
俺はリリアと顔を見合わせた。そしてお互いに首をひねった。おかしいな。リリアの話だと、この魔法はそんなに珍しい魔法ではなかったはずだ。魔法使いならだれでも使えると聞いていたのに。
「フェルさん、いや、フェル様、どうかもう一人、治療していただきたい人がいるのですがお願することはできませんか?」
なぜか様付けになった。俺たちはもう一度、お互いに顔を見合わせた。
「妖精も食事をするのですか?」
「ええ、そうなんですよ。別に食べなくてもいいみたい何ですが、自分一人で食べるのが申し訳なくて、こうやって一緒に食べてもらっているんです」
「そうなのですか。それでは小鉢を追加しておきましょう」
「良いんですか?」
「構いませんよ。珍しいものを見せてもらったお礼ですよ」
ホホホとサンチョさんが笑った。ずいぶんと気前がいい人だな。もしかして、妖精が欲しいのかな? まあ、リリアをあげるつもりは全くないけどね。
「あのオッサン、右腕が悪いみたいね」
サンチョさんの右腕が悪い? 全然気がつかなかったな。リリアの目には別の世界が見えているのかも知れない。
「リリアはみんなをオッサン呼ばわりするよね。ちゃんと名前を覚えようよ」
「良いのよ、別に。ご飯をおごってくれたお礼に、オッサンの腕を治しちゃう?」
確かに一理あるな。宿も食事も、良いものを提供してもらったしね。おまけに報酬もいい。
「そうだね。お礼に、そうするとしよう」
食事が終わり、みんなが宿屋に戻ったのを確認すると、サンチョさんが泊まっている部屋に向かった。部屋の中にはサンチョさん以外の気配もある。商売の話でもしているのかな?
ドアをノックすると、すぐに返事が返ってきた。
「これはフェルさんじゃないですか。どうかしましたか?」
「いえ、大したことではないのですが、食事のお礼をしたいと思いましてね」
「食事のお礼……?」
「はい。サンチョさん、右腕を悪くしているみたいですね」
それを聞いて、サンチョさんの顔色が変わった。あれ、まずいこと言ったかな? サンチョさんの部屋にいた、相談役みたいな人は首をかしげている。
「良く分かりましたね。見た目は何ともないのですが、常にしびれる感覚がありましてね。時々ですが、痛むことがあるのですよ。お恥ずかしいことに、その昔、毒にやられてしまいましてね」
眉を曲げて笑うサンチョさん。あまり思い出したくない出来事のようである。毒にやられたということは、昔は冒険者をやっていたのかな? それとも、サンチョさんを敵視している人に毒を盛られたのかな?
「腕の神経がいくつかダメになっているわね。でもそれをつなげちゃえば大丈夫そうよ」
「了解。エクストラ・ヒール」
リリアの指示を受けて、エクストラ・ヒールを使うことにした。この回復魔法は失った体の一部を取り戻すことができる魔法だ。そんなわけで、サンチョさんは失った腕の神経を取り戻すことができたはずだ。
「え、エクストラ・ヒール! まさか、使える人物がいるだなんて! あれだけ探してもどこにもいなかったのに!」
サンチョさんが興奮して叫んでいる。
俺はリリアと顔を見合わせた。そしてお互いに首をひねった。おかしいな。リリアの話だと、この魔法はそんなに珍しい魔法ではなかったはずだ。魔法使いならだれでも使えると聞いていたのに。
「フェルさん、いや、フェル様、どうかもう一人、治療していただきたい人がいるのですがお願することはできませんか?」
なぜか様付けになった。俺たちはもう一度、お互いに顔を見合わせた。
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