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不作の原因
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アウデン男爵領は魔境の森に接しているからな。農業よりも騎士団を強化する方にウエートを置いている。どうやら、今回はそれが裏目に出ているようである。
「不作の原因は分かっているのかい?」
俺の質問に、イーリスは頼りなく首を左右に振った。娘を心配させたくなかったのだろう。詳しい事情は書いていないようである。ならなんで知らせてきたのかな?
「イーリス、その手紙の差出人はだれだ?」
「弟のレオンからです。助けて欲しいって……」
フム、ここは頼れる男、この俺の出番だな。義弟に助けを求められたのならば、無下にするわけには行かないな。
「それじゃ、さっそく現地調査に行くとしよう」
「よろしいのですか?」
「もちろんだよ。アウデン男爵が強ければ強いほど、味方として頼もしいからね。まずは父上に相談だな」
「はい!」
こうして俺たちは父上にアウデン男爵領のことを相談した。しかし、どうやら父上はそのことをすでに知っているようであった。どうにかならないかと、あれこれ対策を考えていたのだ。
「ありがとうございます、お義父様。私、何も知りませんでした……」
「ハッハッハッハ、イーリス、気にする必要はないさ。娘に心配をかけさせまいとする親心、私にも良く分かる」
そう言うと父上は暖かいまなざしでイーリスを見ていた。母上だけでなく、父上も娘には弱いようである。
「父上、不作の原因は分かっているのですか?」
「ああ、大体は分かっている。水不足と土地の地力が弱まっているのが原因だ。どちらもすぐに解決できることではない。時間がかかることだろう」
父上の表情が暗くなった。だが俺としては原因が分かっただけ対策の取りようがあるように思えた。
「それならば父上、私が今からアウデン男爵領に行って何とかしてきます。すぐに地力を回復するのは難しいかも知れませんが、水不足なら何とかなるかも知れません」
「テオ、どうする気なの?」
ミケが俺の方を見た。
「水が足りないなら、雨を降らせればいいじゃない」
「なるほどね~」
……あれ? 父上とイーリスの顔色が悪いぞ。俺、何か間違ったこと言っちゃいました? ミケと顔を見合わせたて、お互いに首をひねった。うーん、分からん。
「あ、分かった! テオが雨を降らせすぎて洪水にならないか心配してるんでしょう? 大丈夫だよ。ボクがちゃんと監視しておくからね」
ミケが胸を張って答えた。だがしかし、二人はいまだに微妙な表情を浮かべていた。
「いくら俺でも加減くらいはちゃんとできますよ」
どうやら俺の信頼は地に落ちているようである。まさかここまで悪化しているとは。これは近いうちに「準神テオドール、信頼回復大作戦!」を決行しなければならないな。
「いや、そうではなくてな……」
「天変地異を起こせるのですか? まさかそこまで……」
雨を降らせる以外に、ほかに手がないと思ったのか、二人は大きなため息をついた。そのことを母上に話すと、同じような大きなため息をついた。
確かに雨を降らせる魔法は最上位魔法ではあるが、使った記録がないわけではないぞ。漆黒の大賢者と呼ばれていた一人だけだったけどさ。
俺たちはさっそくアウデン男爵家へと向かった。まずはイーリスの両親に挨拶だ。それから作戦を決行する。いくら婚姻関係を結ぶ間柄になっているとは言え、勝手に領地に手を出してはまずいだろう。
「アウデン男爵領が不作になりそうだと聞いて、飛んできました」
「な、なぜそれを?」
困惑するアウデン男爵に事情を話すとすぐにレオンが連れてこられた。そしてそのまま怒られていた。どうやらアウデン男爵は息子よりも娘の方に甘いようである。うちと一緒だな。
「事情は私の父上から聞いています。確認のためアウデン男爵領を視察に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「そこまで知っているのならば、こちらからもお願いする。こちらで滞在する準備は整えておくので、遠慮なく視察に行ってもらって大丈夫だ。馬車はすぐに用意する」
「ありがとうございます」
「ねえ、さっさと雨を降らせたら?」
雨? とアウデン男爵たちがポカンとしている。これ以上ため息をつかれるのはごめんだ。俺は「何でもありません」と言ってミケの口を塞いだ。
腕の中ではミケが恥ずかしそうにモジモジとしていた。どうやら唇に俺の手が触れたことで意識してしまったようである。どうしてミケはこんなに打たれ弱いんだ。
馬車の中から見るアウデン男爵領の畑は、聞いていた通り元気がなかった。一部の作物はすでに枯れおり、残っているものも風前の灯であった。これはまずい。すぐに何とかしないといけない。ミケが言ったように、とりあえず問答無用で雨を降らせるか? でもなぁ。
領地を見て回るうちに気がついた。この領地では近くの大きな川である「リストラ川」から水を引き込んでいる。そして今は、リストラ川の水位が大きく落ち込んでいるのだ。原因は川の上流にあるのだろう。川の上流に位置するリストラ山に何か異常があるのかも知れない。
川の水位が落ちていると言うことは、水不足はアウデン男爵領だけでなく、この川の水を利用している周辺地域に広がっていることだろう。ここだけ雨を降らせて水不足を解消したとしても、他の地域が不作になれば非常にまずい。
このリストラ川周辺地域は穀物の栽培が盛んで、国の主要な穀倉地帯として国を支えているのである。つまりそれは、この穀倉地帯が不作となれば、国全体の食糧事情が非常に悪くなると言うことだ。
この話は殿下から聞いていた。
非常に面倒だと思っていたのだが、殿下と仲良くなったことには一つだけメリットがあった。それは最先端の知識を入手できるようになった、ということだ。
どうやらアルフレート殿下は国の内政に関してかなり関心を持っているようである。あのお忍びの城下町視察も、本人いわく、その一つだったそうである。
そのため、俺が殿下のわがままに付き合って空間移動の魔法であちこちに連れて行ったことを、殿下は高く評価してくれていたのだ。
そして俺に、その知識を惜しげもなく披露してくれたのである。……まあ、「ひたすら殿下の興味があることについて聞かされただけ」と言われてしまえばその通りなのだが。
だが、どうやらそれが役に立つ日がきたようである。サンキュー殿下!
「よし、いっちょリストラ山に行ってみるか」
「不作の原因は分かっているのかい?」
俺の質問に、イーリスは頼りなく首を左右に振った。娘を心配させたくなかったのだろう。詳しい事情は書いていないようである。ならなんで知らせてきたのかな?
「イーリス、その手紙の差出人はだれだ?」
「弟のレオンからです。助けて欲しいって……」
フム、ここは頼れる男、この俺の出番だな。義弟に助けを求められたのならば、無下にするわけには行かないな。
「それじゃ、さっそく現地調査に行くとしよう」
「よろしいのですか?」
「もちろんだよ。アウデン男爵が強ければ強いほど、味方として頼もしいからね。まずは父上に相談だな」
「はい!」
こうして俺たちは父上にアウデン男爵領のことを相談した。しかし、どうやら父上はそのことをすでに知っているようであった。どうにかならないかと、あれこれ対策を考えていたのだ。
「ありがとうございます、お義父様。私、何も知りませんでした……」
「ハッハッハッハ、イーリス、気にする必要はないさ。娘に心配をかけさせまいとする親心、私にも良く分かる」
そう言うと父上は暖かいまなざしでイーリスを見ていた。母上だけでなく、父上も娘には弱いようである。
「父上、不作の原因は分かっているのですか?」
「ああ、大体は分かっている。水不足と土地の地力が弱まっているのが原因だ。どちらもすぐに解決できることではない。時間がかかることだろう」
父上の表情が暗くなった。だが俺としては原因が分かっただけ対策の取りようがあるように思えた。
「それならば父上、私が今からアウデン男爵領に行って何とかしてきます。すぐに地力を回復するのは難しいかも知れませんが、水不足なら何とかなるかも知れません」
「テオ、どうする気なの?」
ミケが俺の方を見た。
「水が足りないなら、雨を降らせればいいじゃない」
「なるほどね~」
……あれ? 父上とイーリスの顔色が悪いぞ。俺、何か間違ったこと言っちゃいました? ミケと顔を見合わせたて、お互いに首をひねった。うーん、分からん。
「あ、分かった! テオが雨を降らせすぎて洪水にならないか心配してるんでしょう? 大丈夫だよ。ボクがちゃんと監視しておくからね」
ミケが胸を張って答えた。だがしかし、二人はいまだに微妙な表情を浮かべていた。
「いくら俺でも加減くらいはちゃんとできますよ」
どうやら俺の信頼は地に落ちているようである。まさかここまで悪化しているとは。これは近いうちに「準神テオドール、信頼回復大作戦!」を決行しなければならないな。
「いや、そうではなくてな……」
「天変地異を起こせるのですか? まさかそこまで……」
雨を降らせる以外に、ほかに手がないと思ったのか、二人は大きなため息をついた。そのことを母上に話すと、同じような大きなため息をついた。
確かに雨を降らせる魔法は最上位魔法ではあるが、使った記録がないわけではないぞ。漆黒の大賢者と呼ばれていた一人だけだったけどさ。
俺たちはさっそくアウデン男爵家へと向かった。まずはイーリスの両親に挨拶だ。それから作戦を決行する。いくら婚姻関係を結ぶ間柄になっているとは言え、勝手に領地に手を出してはまずいだろう。
「アウデン男爵領が不作になりそうだと聞いて、飛んできました」
「な、なぜそれを?」
困惑するアウデン男爵に事情を話すとすぐにレオンが連れてこられた。そしてそのまま怒られていた。どうやらアウデン男爵は息子よりも娘の方に甘いようである。うちと一緒だな。
「事情は私の父上から聞いています。確認のためアウデン男爵領を視察に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「そこまで知っているのならば、こちらからもお願いする。こちらで滞在する準備は整えておくので、遠慮なく視察に行ってもらって大丈夫だ。馬車はすぐに用意する」
「ありがとうございます」
「ねえ、さっさと雨を降らせたら?」
雨? とアウデン男爵たちがポカンとしている。これ以上ため息をつかれるのはごめんだ。俺は「何でもありません」と言ってミケの口を塞いだ。
腕の中ではミケが恥ずかしそうにモジモジとしていた。どうやら唇に俺の手が触れたことで意識してしまったようである。どうしてミケはこんなに打たれ弱いんだ。
馬車の中から見るアウデン男爵領の畑は、聞いていた通り元気がなかった。一部の作物はすでに枯れおり、残っているものも風前の灯であった。これはまずい。すぐに何とかしないといけない。ミケが言ったように、とりあえず問答無用で雨を降らせるか? でもなぁ。
領地を見て回るうちに気がついた。この領地では近くの大きな川である「リストラ川」から水を引き込んでいる。そして今は、リストラ川の水位が大きく落ち込んでいるのだ。原因は川の上流にあるのだろう。川の上流に位置するリストラ山に何か異常があるのかも知れない。
川の水位が落ちていると言うことは、水不足はアウデン男爵領だけでなく、この川の水を利用している周辺地域に広がっていることだろう。ここだけ雨を降らせて水不足を解消したとしても、他の地域が不作になれば非常にまずい。
このリストラ川周辺地域は穀物の栽培が盛んで、国の主要な穀倉地帯として国を支えているのである。つまりそれは、この穀倉地帯が不作となれば、国全体の食糧事情が非常に悪くなると言うことだ。
この話は殿下から聞いていた。
非常に面倒だと思っていたのだが、殿下と仲良くなったことには一つだけメリットがあった。それは最先端の知識を入手できるようになった、ということだ。
どうやらアルフレート殿下は国の内政に関してかなり関心を持っているようである。あのお忍びの城下町視察も、本人いわく、その一つだったそうである。
そのため、俺が殿下のわがままに付き合って空間移動の魔法であちこちに連れて行ったことを、殿下は高く評価してくれていたのだ。
そして俺に、その知識を惜しげもなく披露してくれたのである。……まあ、「ひたすら殿下の興味があることについて聞かされただけ」と言われてしまえばその通りなのだが。
だが、どうやらそれが役に立つ日がきたようである。サンキュー殿下!
「よし、いっちょリストラ山に行ってみるか」
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