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あとは若い二人で②

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「テオがイーリスのおっぱいのことを気にかけてたよ」
「……え?」

 ミケの言葉に、イーリス男爵令嬢がサッと手で豊かな胸を隠した。バカヤロウ!

「いや、その、あの、実に良いものをお持ちですね」

 イーリス男爵令嬢は真っ赤になった。バカヤロウか、俺は。俺は事の発端となったミケをにらんだ。それを受けたミケは涼しい顔をしている。

「まあまあ。これで二人とも少しは緊張がほぐれたでしょ」

 ね? と言わんばかりにミケが首をかしげた。その姿はなかなか可愛かった。確かにミケの言う通りかも知れない。せっかくのこの機会にお互いを知らなくてどうするんだ。俺は肩の力を抜いた。

「ミケの言う通りだな。俺のことはテオって呼んでよ。ミケもそう呼んでるからさ。ミケのこともミケで良いよ。守護精霊だからと言って気を遣わなくても大丈夫だよ」

 ミケを見たが、特に反論はしなかった。オーケーと言うことだろう。

「ご配慮いただきありがとうございます。私のこともイーリスと呼んで下さい」
「イーリスは堅いなぁ。もっと砕けた感じで良いよ。そんなんじゃ、肩が凝るよ」

 まあ、あのおっぱいなら、そうでなくても肩が凝りそうだけどね。そんなイーリスの顔は困惑しているようだった。
 うーん、メガネのせいで表情が分かりにくいな。これはちょっとやりにくいぞ。それにあの分厚いメガネの下も非常に気になる。

「イーリスは随分と目が悪そうだね?」
「はい。生まれながらに目が悪くて……見苦しいでしょう?」

 うつむいたイーリスの声は、どこかあきらめたような悲しい声色をしていた。どうやら「さすがにこのメガネはない」と自覚している様子だ。それでもメガネをかけているところを見ると、メガネがなければほとんど何も見えないのだろう。

 ここは俺の腕の見せどころだな。ここでかっこいいところを見せて、先ほど下がってしまった好感度を一気にアップさせるぞ。

「イーリス、「メガネなしで目が見えるようになる」って言ったらどうする?」
「え?」

 イーリスが顔をあげる。メガネがキラリと光ったような気がした。

「私の目が見えるようになるのですか?」
「そうだよ。見えるようになる。だがそうなると、そのメガネとはオサラバしなければならなくなるな」
「このメガネとオサラバ……」

 イーリスは考え込んだ。何だかんだ言っても、これまで苦楽を共にしてきた相棒なのだろう。簡単には手放せないのかも知れないな。
 俺はあせらせることなくイーリスの返事を待った。

「目が、見えるようになりたいです」
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