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良い話なんだけど
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この件に関しては、一度、カビルンバとよく話しておく必要があるな。しかしながら、バディア辺境伯たちには聞かせられない内容でもある。
魔力がめちゃくちゃ高い魔族がいる。それすなわち魔王である。私でも分かる。
平和な世の中に魔王が復活した。それがこの世界にどんな衝撃をもたらすか。予測することは困難だ。カビルンバの高性能菌糸ネットワークを用いた「一人会議」でも、結論は出せないだろう。
「えっと、バディア辺境伯はなぜこちらにランドキングタートルが向かって来ていると思いますか?」
「分からんな。だが高いところから見て、一番目立つのはここだろう。周囲は森だらけだがここだけは違うからな」
なるほど、その可能性も考えられるな。見慣れない場所があるから行ってみようというわけか。だが理由がどうあれ、領都に向かってランドキングタートルが向かっているのならば、何とかしなければならないな。
だがどうする? 出向いてバーストの千倍の威力があるフルバーストを使えば一瞬で終わらせることができるんだけど、それだと「魔王降臨」になってしまうこと間違いなし。でもこの領都を救うならやるしかないよね?
悩んでいると、オババが口を開いた。
「それで、どうするつもりだい。ここにあたしたちを呼んだのはそれだけじゃないんだろう?」
「ええ、その通りです。母上とエレナには急いでここを離れて、別の場所に避難してもらいます。レオニート殿、その際、護衛をお願いできませんか? ゴブリンの集落を一人で全滅させることができるあなたなら、安心してお願いすることができる」
「そんな……お父様!」
「お断りだね」
エレナ嬢が立ち上がる。オババは座ったまま、静かに怒りのオーラを発していた。これはてこでも動かないな。早いところ「私に良い考えがある」と言って、この悪い空気を断ち切らねば。
「しかし」
なおも力説しようとするバディア辺境伯の言葉をオババが手で押しとどめた。
「良いかい? あたしももういい年だ。いつ死んでも構わない。それにここはあたしの旦那が、あたしが愛した領都だ。たとえその領都がなくなることになったとしても、出て行くつもりはないよ」
「それなら私だって!」
「ただし、エレナ、お前はダメだよ。まだ若いんだ。ここに残って無駄に死ぬことはない。心配はいらないよ。バディア辺境伯夫妻と前夫人が残るんだ。だれも文句は言いやしないさ」
オババが笑っている。端から見ると実に良い話なのだが、私が出向けば一撃で終わるんだよね。どうしよう、何だかとても言い出しにくい雰囲気になっているぞ。でも言うしかないか。
「えっと、ランドキングタートルを倒せば良いのではないですか?」
「あれをかい? 確か神話級のモンスターだったはずだよ」
「過去に現れたことがあるのですか?」
これは驚きだ。魔族が住む大陸ではランドタートル止まりだった。どうやら人間の歴史ではランドキングタートルが現れたことがあるらしい。
「実物を目にしたことはないけどね。古いおとぎ話の中にいくつか記述があるんだよ。さっきまではただの伝承だと思っていたけど、どうやら本当だったみたいだね。おとぎ話の中では天災として扱われていたよ」
「それではどうやって倒したのですか?」
オババに注目が集まった。しかし無情にもオババは首を左右に振った。
「倒した記述はないよ。すべてを破壊し尽くすと、気が済んだのか海に帰ってゆくのさ」
何という迷惑な亀。人間に恨みでもあるのかな? まあ確かに、モンスターはすべからく私たちを襲ってくるよね。
断定はできないが、ある程度の魔力を持った生き物を襲うのだろう。その体内に持っている魔力を求めて。
もしかして、私の仮説、当たってる? 待てよ。もしランドキングタートルが魔力が足りなくておなかをすかせているのなら、上級魔力回復ポーションを与えれば大人しく元いた場所に帰るのではないか?
バディア辺境伯夫妻とエレナ嬢の顔色はますます悪くなっている。バディア辺境伯はわずかな可能性にかけて、兵士を向かわせるつもりなのだろう。それがオババの話によって、絶望に塗り替えられてしまった。
「亀なので動きは遅いのでしょう? 遠くから攻撃を続ければ、いつか倒せるのではないですか」
バディア辺境伯がそう主張した。わずかでも希望があれば兵士たちを励ますことができる。そう思っているのだろう。
「そうだろうよ。亀だから動きは遅いはずさ。だけど亀ゆえに固いのさ。甲羅から出ている首や手足も、岩石のように固くて、どんな攻撃も跳ね返すそうだよ」
まさか甲羅だけでなく、外に出ている部位もカッチカチとは恐れいる。まあ巨体を支えるために手足が頑丈になっているのは分からなくもないかな。
それを聞いたバディア辺境伯の顔色はますます悪くなった。
どうしてオババはこんなに追い詰めるようなことを言うのか。少しくらい希望を持たせてあげれば……そんなことをすれば、エレナ嬢がここに残ると言い張ることになるのか。確かにそれはオババにとって一番困ることだろう。何とかしてバディア辺境伯家の血を残したいと考えているはずだ。
エレナ嬢の顔が蒼白になっている。どうやらオババの脅しはエレナ嬢にとっては効果がバツグンだったようだ。どこかうつろな目で、すがるようにこちらを見てきた。それに対してほほ笑みを持って返す。エレナ嬢が目を見張った。
「私に良い考えがある。この件、任せてもらえないか」
「レオニート殿」
「おやまあ」
「レオ様!」
「また何かとんでもないことを思いついたんじゃないでしょうね?」
カビルンバが半眼でこちらをにらんできた。失礼な。ちゃんと勝算はあるぞ。しかも今回はプランBまでしっかりと考えてある。
まずは上級魔力回復ポーション++を与えてお引き取りを願う。それがダメなら、フルバーストでぶっ飛ばす。
実に完璧な作戦だ。どちらに転んでも良し。
フルバーストでぶっ飛ばした場合、「もしかして魔王なのでは?」と思われるかも知れないが、命の恩人の願いなら見なかったことにしてくれるだろう。ワッハッハ。この作戦を考えついた自分の才能が怖い。
魔力がめちゃくちゃ高い魔族がいる。それすなわち魔王である。私でも分かる。
平和な世の中に魔王が復活した。それがこの世界にどんな衝撃をもたらすか。予測することは困難だ。カビルンバの高性能菌糸ネットワークを用いた「一人会議」でも、結論は出せないだろう。
「えっと、バディア辺境伯はなぜこちらにランドキングタートルが向かって来ていると思いますか?」
「分からんな。だが高いところから見て、一番目立つのはここだろう。周囲は森だらけだがここだけは違うからな」
なるほど、その可能性も考えられるな。見慣れない場所があるから行ってみようというわけか。だが理由がどうあれ、領都に向かってランドキングタートルが向かっているのならば、何とかしなければならないな。
だがどうする? 出向いてバーストの千倍の威力があるフルバーストを使えば一瞬で終わらせることができるんだけど、それだと「魔王降臨」になってしまうこと間違いなし。でもこの領都を救うならやるしかないよね?
悩んでいると、オババが口を開いた。
「それで、どうするつもりだい。ここにあたしたちを呼んだのはそれだけじゃないんだろう?」
「ええ、その通りです。母上とエレナには急いでここを離れて、別の場所に避難してもらいます。レオニート殿、その際、護衛をお願いできませんか? ゴブリンの集落を一人で全滅させることができるあなたなら、安心してお願いすることができる」
「そんな……お父様!」
「お断りだね」
エレナ嬢が立ち上がる。オババは座ったまま、静かに怒りのオーラを発していた。これはてこでも動かないな。早いところ「私に良い考えがある」と言って、この悪い空気を断ち切らねば。
「しかし」
なおも力説しようとするバディア辺境伯の言葉をオババが手で押しとどめた。
「良いかい? あたしももういい年だ。いつ死んでも構わない。それにここはあたしの旦那が、あたしが愛した領都だ。たとえその領都がなくなることになったとしても、出て行くつもりはないよ」
「それなら私だって!」
「ただし、エレナ、お前はダメだよ。まだ若いんだ。ここに残って無駄に死ぬことはない。心配はいらないよ。バディア辺境伯夫妻と前夫人が残るんだ。だれも文句は言いやしないさ」
オババが笑っている。端から見ると実に良い話なのだが、私が出向けば一撃で終わるんだよね。どうしよう、何だかとても言い出しにくい雰囲気になっているぞ。でも言うしかないか。
「えっと、ランドキングタートルを倒せば良いのではないですか?」
「あれをかい? 確か神話級のモンスターだったはずだよ」
「過去に現れたことがあるのですか?」
これは驚きだ。魔族が住む大陸ではランドタートル止まりだった。どうやら人間の歴史ではランドキングタートルが現れたことがあるらしい。
「実物を目にしたことはないけどね。古いおとぎ話の中にいくつか記述があるんだよ。さっきまではただの伝承だと思っていたけど、どうやら本当だったみたいだね。おとぎ話の中では天災として扱われていたよ」
「それではどうやって倒したのですか?」
オババに注目が集まった。しかし無情にもオババは首を左右に振った。
「倒した記述はないよ。すべてを破壊し尽くすと、気が済んだのか海に帰ってゆくのさ」
何という迷惑な亀。人間に恨みでもあるのかな? まあ確かに、モンスターはすべからく私たちを襲ってくるよね。
断定はできないが、ある程度の魔力を持った生き物を襲うのだろう。その体内に持っている魔力を求めて。
もしかして、私の仮説、当たってる? 待てよ。もしランドキングタートルが魔力が足りなくておなかをすかせているのなら、上級魔力回復ポーションを与えれば大人しく元いた場所に帰るのではないか?
バディア辺境伯夫妻とエレナ嬢の顔色はますます悪くなっている。バディア辺境伯はわずかな可能性にかけて、兵士を向かわせるつもりなのだろう。それがオババの話によって、絶望に塗り替えられてしまった。
「亀なので動きは遅いのでしょう? 遠くから攻撃を続ければ、いつか倒せるのではないですか」
バディア辺境伯がそう主張した。わずかでも希望があれば兵士たちを励ますことができる。そう思っているのだろう。
「そうだろうよ。亀だから動きは遅いはずさ。だけど亀ゆえに固いのさ。甲羅から出ている首や手足も、岩石のように固くて、どんな攻撃も跳ね返すそうだよ」
まさか甲羅だけでなく、外に出ている部位もカッチカチとは恐れいる。まあ巨体を支えるために手足が頑丈になっているのは分からなくもないかな。
それを聞いたバディア辺境伯の顔色はますます悪くなった。
どうしてオババはこんなに追い詰めるようなことを言うのか。少しくらい希望を持たせてあげれば……そんなことをすれば、エレナ嬢がここに残ると言い張ることになるのか。確かにそれはオババにとって一番困ることだろう。何とかしてバディア辺境伯家の血を残したいと考えているはずだ。
エレナ嬢の顔が蒼白になっている。どうやらオババの脅しはエレナ嬢にとっては効果がバツグンだったようだ。どこかうつろな目で、すがるようにこちらを見てきた。それに対してほほ笑みを持って返す。エレナ嬢が目を見張った。
「私に良い考えがある。この件、任せてもらえないか」
「レオニート殿」
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「また何かとんでもないことを思いついたんじゃないでしょうね?」
カビルンバが半眼でこちらをにらんできた。失礼な。ちゃんと勝算はあるぞ。しかも今回はプランBまでしっかりと考えてある。
まずは上級魔力回復ポーション++を与えてお引き取りを願う。それがダメなら、フルバーストでぶっ飛ばす。
実に完璧な作戦だ。どちらに転んでも良し。
フルバーストでぶっ飛ばした場合、「もしかして魔王なのでは?」と思われるかも知れないが、命の恩人の願いなら見なかったことにしてくれるだろう。ワッハッハ。この作戦を考えついた自分の才能が怖い。
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