名無しのごんべいさん

ノアメロ

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『私は、人から好かれることが苦手だ…人から寄せられる好意や言葉は私を苦しめる…』

授業が終わり予鈴がなる校内
「はい。今日は、ここまでです。宿題は、今日出来なかったところを埋めてくるようにでは、終わります。」
黒のアンダーフーム眼鏡をかけきっちりとしたスーツに身を包み黒髪に七三わけのこの教師は、新人の国語教師柊 楓

生徒からの人気も熱く特に女子からの人気は…
「せ、先生…あの少しいいですか?」
1人の女子生徒が柊 楓のそばに駆け寄り声をかける。
「あ…あぁ。どうした?」

柊 楓と女子は教室から出る。教室を出る際他の女子の声がかすかに聞こえる…
「見て…抜けがけ?」
「どうせ振られるのに… 」
「もし付き合ったらどうする… 」
「可愛くないし大丈夫だよ…」
「確かにwww」

柊 楓は、耳を覆いたくなる…人の黒い声はやたらはっきり聞こえ脳に響く

女子生徒に連れてこられた場所は、教室からさほど離れていない、人気のない階段の踊り場
階段の1番上に小さな小窓から夕方の日差しが差し込む

「先生…」
さっきまで柊 楓を誘導するため前を向いていた女子生徒は、振り返り対面する
「どうした?」
柊 楓は、何を言われるか何となくわかっていたこの流れは、何度も体験し柊 楓人身体験したことがあるからだ。

「私…先生の事が好きです…だから…その…私と…」
女子生徒が続けて話そうとした時
柊 楓は、言葉を遮るかのようなに話だす。

「ごめんね…私は、先生で君は1人の生徒それ以上でもそれ以下でもないよ。君の気持ちはすごく嬉しいけど…君には、もっと素敵な人と出会えるはずだよ。」
柊 楓は、優しく微笑がえし女子生徒は、少し目に涙を浮かべていたがまたニッコリ笑い返した。
「はい…」

教室に戻るとさっきまで、女子生徒の恋の成就を願わない言葉をかけていた生徒達は、戻ってきた女子生徒の肩をさすり優しく慰めの言葉をかける。
「……。」

柊 楓は、その光景に少し気分が悪くなる

それから時間が過ぎ職員室へ戻ろうと荷物をまとめていると、プリントに違和感のある膨らみを見つける

正体を探るためプリントをあげると底には、一通の手紙が挟まれていた。いつから挟まれていたか柊 楓すら気づかなかつた。

柊 楓は、また女子生徒からの手紙からかと落胆しながら手紙を読むことにする。綺麗にのり漬けされた封筒をゆっくり丁寧に手で剥がす。

そして手紙を読む。柊 楓は、驚くなぜならそこに綴られている文字は、とても情熱的で文字からでもわかる強い好意
 
~手紙の内容~
私は、貴方を一目見た時から心奪われ
貴方の綺麗な笑顔に惹かれました。

授業をしている時の横顔それはまるで天使のように綺麗で太陽の光が差せば私には、女神に見え…

その手紙は、柊 楓をただただ愛おしむようなものだった。
今まで貰った手紙は、ただ「好き」や「付き合って欲しい」
のものばかりだったがこの手紙は、いつもと違った…

そして最後にこう締めくくられていた。

私の抑えきれない感情を殴り書きしたような手紙を貴方に送ってしまったことをどうか許して貰いたい…ただ私は、貴方が好きなのです。

柊 楓は、読み終えると手紙を書いた生徒の名前を確認しようと封筒や手紙を見るがどこにも名前が書かれていなかった
「名前…」

柊 楓は、その手紙を鞄の中に入れて持ち帰ることにした、そして名前の何手紙の主を彼の中では、「名無しのごんべいさん」と言うことにした。


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