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Side.B・テツとエージのにゃんこ★すたぁ【R-18】
#20
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「おい……」
そう声を掛けられて、男は目を開けた。
上空からチラチラと粉雪が舞い落ちてくる。
「こんな所で寝てたら死んじまうぞ」
頬を叩かれ、男は声のする方へ視線を向けると、迷惑そうに眉を寄せた。
「ほっとけよ……」
そう言われてエージは苦笑した。
「お前……最近この辺でよく見かけるな」
「……」
「こないだもホテルの前で男と揉めてた」
「――」
黙ったまま、何も言わない男にエージは肩をすくめると、腕を掴んで立ち上がらせた。
「ほら、立て」
「いいからほっとけよ」
「そうはいくか。うちの店の前で死なれちゃ困る」
腕を掴んだまま店の中へ引きずり込む。
半ば強引にテーブル席の椅子に座らせると、不貞腐れたその顔を見てエージは笑った。
「喧嘩か?派手にやられたな」
「うるせぇよ……あのクソオヤジ――」
男は悪態をついて切れた唇の血を指で拭った。
「入れんなっ言ったのに……」
「……」
エージは男に毛布を掛けてやると、「やみくもに男と寝るな」と言った。
「その程度のケガで済めばまだいい方だ」
「うるせぇなぁ」
「こんなことしてたらホントに死ぬぞ」
「……」
「怖い連中と繋がってる男もいる。相手が欲しいなら、まともに探せ」
そう言うと、エージは裏口から入ってきたテツに手を振って言った。
「あぁ、てっちゃん。頼みがある」
「どうしたの?」
驚いた顔をして近づくテツに、「この子の手当てしてあげてよ」とエージは言った。
「どうしたの、彼」
「喧嘩したらしい」
「……」
テツはじっと男の目を見つめた。
そして小さく笑う。
「君、名前は?」
「え?」
驚く男の前にしゃがんで顔を寄せると、「可愛い顔が台無し」と手で優しく撫でる。
「お名前は?」
「え?あ……か……かずみ……」
「カズミ?」
男は少し戸惑ったように視線を泳がせたが、テツの柔らかい笑みにつられるように、口元に小さな微笑を浮かべると、「一海」と名乗った。
「綾瀬一海……」
「カズミ君っていうの?」
可愛い名前ぇ~とテツは笑うと、エージの方を振り返る。
「僕はテツ。この人はエージ君」
優しく手を差し延べて、テツは笑った。
「初めまして。よろしくね―――」
END
そう声を掛けられて、男は目を開けた。
上空からチラチラと粉雪が舞い落ちてくる。
「こんな所で寝てたら死んじまうぞ」
頬を叩かれ、男は声のする方へ視線を向けると、迷惑そうに眉を寄せた。
「ほっとけよ……」
そう言われてエージは苦笑した。
「お前……最近この辺でよく見かけるな」
「……」
「こないだもホテルの前で男と揉めてた」
「――」
黙ったまま、何も言わない男にエージは肩をすくめると、腕を掴んで立ち上がらせた。
「ほら、立て」
「いいからほっとけよ」
「そうはいくか。うちの店の前で死なれちゃ困る」
腕を掴んだまま店の中へ引きずり込む。
半ば強引にテーブル席の椅子に座らせると、不貞腐れたその顔を見てエージは笑った。
「喧嘩か?派手にやられたな」
「うるせぇよ……あのクソオヤジ――」
男は悪態をついて切れた唇の血を指で拭った。
「入れんなっ言ったのに……」
「……」
エージは男に毛布を掛けてやると、「やみくもに男と寝るな」と言った。
「その程度のケガで済めばまだいい方だ」
「うるせぇなぁ」
「こんなことしてたらホントに死ぬぞ」
「……」
「怖い連中と繋がってる男もいる。相手が欲しいなら、まともに探せ」
そう言うと、エージは裏口から入ってきたテツに手を振って言った。
「あぁ、てっちゃん。頼みがある」
「どうしたの?」
驚いた顔をして近づくテツに、「この子の手当てしてあげてよ」とエージは言った。
「どうしたの、彼」
「喧嘩したらしい」
「……」
テツはじっと男の目を見つめた。
そして小さく笑う。
「君、名前は?」
「え?」
驚く男の前にしゃがんで顔を寄せると、「可愛い顔が台無し」と手で優しく撫でる。
「お名前は?」
「え?あ……か……かずみ……」
「カズミ?」
男は少し戸惑ったように視線を泳がせたが、テツの柔らかい笑みにつられるように、口元に小さな微笑を浮かべると、「一海」と名乗った。
「綾瀬一海……」
「カズミ君っていうの?」
可愛い名前ぇ~とテツは笑うと、エージの方を振り返る。
「僕はテツ。この人はエージ君」
優しく手を差し延べて、テツは笑った。
「初めまして。よろしくね―――」
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