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空白を埋められたら‥‥

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考えても仕方ないし、怒られるものは怒られるんだからもう諦めよう

うじうじしてても何も進まないもんね

ほっぺを思いっきり叩くと小声でよしっとつぶやくとバスローブを脱ぐとベッドの上に置いてある新しい服を手に取る

いつものようにピンク色だったり、フリフリが付いているのもを想像していたけれど置いてあったのはシンプルな白のTシャツに今まで見たこともないような鮮やかな青色の長ズボンだった

今までとは全く違う服が用意されていたのは何故なんだろう‥‥

怒っているからっていつもと違う服を準備するとは考えにくいし‥‥

とりあえず新しい服を着る

Tシャツの少しぴったり目でズボンもゆったりした感じがなかった

少し窮屈さを感じたけれどこれにも何か意味があるんだろうとあまり気にしないことにした

呼吸を整えてから自分の部屋を出て、お兄ちゃんを探すことにした

やっぱりいるとしたら自分の部屋だよね?

私はゆっくりと歩き出す

すごく怒られてしまうかもしれないと考えると怖くなるけどお兄ちゃんと過ごしたはずの時間を

私が忘れてしまっている空白の時間を埋めたいんだ

そうすればもっと仲良くなれると思うんだ

だって兄妹なんだもん‥‥

博士がお兄ちゃんだってわかって本当は少し嬉しかったんだもん

この世界に一人ぼっちじゃないって

家族がいる

お兄ちゃんの部屋の前に着いた

私は躊躇する事無くドアをノックする、しばらく待ってみたけれど返事はない

覚悟を決めてゆっくりとドアを開ける

電気がついていない

このままでは何も見えないので手探りで電気のスイッチを探し出すと恐る恐るスイッチを押した

しばらくの沈黙の後

部屋の中がぱあっと明るくなった

この前見た時と全く同じだった

1つだけ違ったのは机に突っ伏しているお兄ちゃんの姿だけだった

とても静かで自分の胸の鼓動がやけに大きく聞こえた

そういえばお兄ちゃんが眠ってる姿って初めて見たかもしれない

私は起こす事を躊躇ってしまう

せっかく眠ってるんだから寝かせておいてあげたい

こんな姿もう見れないかと思うとなんだか勿体無いような気がして

私はゆっくりとお兄ちゃんの髪の毛に触れる

ふわふわで柔らかい髪の毛

よく見ると白い毛も何本か混じっている

気が付かなかったけど私にもあるのかな?

私はその白い毛がどうにも気になって何度か軽く引っ張ってみた
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