上 下
3 / 57

第3話 巨人がいる~~~~!(生後13~14日目)

しおりを挟む
前回までのあらすじ
どーも、こんにちは。兄弟達と戯れたおかげで、遊び方や力加減を覚えました。
転生前にやり残したことは、綺麗さっぱり忘れましたーーーーー、うそです、ごめんなさい。

☆☆☆

(生後13日目)

最近になって、目蓋が少し開けれるようになってきた。ただ、ずっと開け続けると疲れるからすぐ閉じる。耳はまだだな。

少しだけ見えるようになったからか、今自分のいるところがわかってきたな。やっぱりケージに囲まれてるな。そりゃそうか、まだ生まれて間もないもんな。たまに、ケージから出して軽い運動を部屋内でやってくれるからありがたい。そして、そうここにきて重要なことがわかった。

ほんの少しだけ見えるようになったおかげで、自分は何に転生したのかわかったんだ。犬だ!母犬を見て小型犬だというのは、すぐわかったけど、ただ犬種がわからん。どっかで見たことがあるような気がするんだが、動物にあまり興味がなかったからな。記憶が残ったまま転生というのが引っかかるけど、犬ならまだいい方だな。犬で知ってるのは、柴犬、紀州犬、土佐犬、秋田犬、甲斐犬とかだな。あとは、シェパードくらいか。もっと知っておくべきだったな。少なくとも、俺は日本犬でないのは確実だ。


これからは、犬として生きていこう。
なんか、心が急に軽くなったな。さて、今日も兄弟達と遊びますか!


俺は、自分の姿を確認出来たことで、やっと状況を完全に受け入れることが出来た。


(生後14日目)

あー、よく寝た。うん、おー、目が完全に見えるぞ~。

「ワンワンワンワン」

あ、ついうれしくて声に出ちゃったよ。あははは、やっとこの世界を完全に見ることができるぞ。その時、------ふと、背後に気配を感じた。振り返ると、そこには---------。

子供の巨人がいた。
その後ろには、より大きな大人の巨人がいます。威圧感がハンパないです。
開いた口が塞がりません。

この世界は、いつ巨人に支配されたのだろうか?

子供の手が俺に向かってきた。うおー、怖すぎる、何されるんだ!

「どうしたの?急に鳴き出して。あれ、ひょっとして、この子も目が見えるようになったのかな。」

「そうね、もう完全に見えてるわね。私達を見て、びっくりしたんじゃないかな。」

うお、抱かれた。あ、この感じは、いつも抱き上げてるのはこの子か。

やっぱり小学生高学年くらいか。髪は肩までとやや短めで、右側の一部の髪をゴムでまとめてるな。目はぱっちりとしてて、ふむふむ、なかなか可愛い女の子だな。

それにしても、顔が近いよ!俺の顔の何倍あるんだ。それに、下を見ると-----高い~~~~!絶対に落とすなよ。

「私、高梨 楓ていうんだよ。新しい飼い主が見つかるまで宜しくね!」

何か言ってるけど、まだ耳は聞こえない。

なんか、もう巨人に支配された世界にきたみたいだ。犬の視界だと、みんなが巨人だよ!!!こうやって周りを見ると、すべてが人だけじゃなく、物も巨大だ。

あ、降ろしてくれた。せっかく目が見えるようになったんだ、探検しよう。


あー、ここはリビング---だと思う。しかし、なんだこの広さは。犬の視界だと、こうも見え方が違うのか!まずは、この視界に慣れよう。お、あそこの壁に長方形の大きな物が掛けてあるな。なんだ、これ。

その時、後ろにいる女の子がなんかボタンを押した。

うお、なんだ、もしかしてテレビか???
けど、俺が知ってるブラウン管テレビとなんか違うぞ。うわー、すごい薄いし、壁に取り付けられてる。すげーーーーー!

今、この子が見てるのはアニメか。おー、なんていったらいいんだろうか。キャラや景色の色合いが、凄くきれいになってる。ていうか、ずっと上を見続けたせいか首が疲れる。

「どうしたの?もしかして、一緒に見たいの。」

なんか言ってる。聞こえないけど、とりあえず、

「ワン!」
「凄い、お母さん、この子、言ってることわかるのかな?」

「ふふ、そんわけないでしょう。まだ、耳、聞こえてないんだから」
「そうだよね~。でも一緒に見よう。あ、みんなもこっちに来た。」

女の子が、周りにいる俺の兄妹達もやってきて、ソファにあげてくれた。
俺はずっとアニメを見てたけど、兄妹達はつまらないのか、そのうち遊び始めた。
というか、普通、犬がテレビを理解してるわけないだろうな。

それにしても、俺が生きてた頃と全然違うぞ。一体、今、西暦何年なんだ?
凄く気になる。このアニメは魔法少女ものか。見た感じ、前半は学園パート、後半は変身して、モンスターを倒すて感じか。にしても、変身シーンも昔と全然違うな。まあ、結構面白いか。幼稚園児や小学生くらいの子がはまりそうなアニメだな。あ、今、終わった。て、時間は今、朝の9時か。

あ、みんな、ミルク飲んでるな。俺も飲みに行こう。
うーん、やっぱミルクは美味いな。

さて、お腹一杯になったし一眠りするか、お休み~~~~。


---------その頃、飼い主達はというと---------、

「お母さん、この子だけ、ずっとテレビ見てたね。アニメの内容、わかってるのかな?」凄く大人しかったし」

「まさか、初めてテレビや私達を見てびっくりしたんじゃないかな。」

「そうだよね。あーあ、みんなとお話し出来たらな~。動物の言葉がわかる機械てないのかな?」

「10年くらい前までは、犬の感情がわかる機械があったみたいよ。確か、「フラストレーション」「威嚇」「自己表現」「楽しい」「悲しい」「欲求」の6種類の感情がわかる機械だったわね。まあ、お母さんが知ってるのは、あくまでおもちゃだけどね。さすがに犬の言葉がわかるのはないわねーーー」

「そっか~、残念。」

「もう少ししたら、耳も聞こえてくるだろうから、いっぱいお話ししてあげたらいいわよ。」

「は~い!」
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

俺とシロ

マネキネコ
ファンタジー
【完結済】(全面改稿いたしました) 俺とシロの異世界物語 『大好きなご主人様、最後まで守ってあげたかった』 ゲンが飼っていた犬のシロ。生涯を終えてからはゲンの守護霊の一位(いちい)として彼をずっと傍で見守っていた。そんなある日、ゲンは交通事故に遭い亡くなってしまう。そうして、悔いを残したまま役目を終えてしまったシロ。その無垢(むく)で穢(けが)れのない魂を異世界の女神はそっと見つめていた。『聖獣フェンリル』として申し分のない魂。ぜひ、スカウトしようとシロの魂を自分の世界へ呼び寄せた。そして、女神からフェンリルへと転生するようにお願いされたシロであったが。それならば、転生に応じる条件として元の飼い主であったゲンも一緒に転生させて欲しいと女神に願い出たのだった。この世界でなら、また会える、また共に生きていける。そして、『今度こそは、ぜったい最後まで守り抜くんだ!』 シロは決意を固めるのであった。  シロは大好きなご主人様と一緒に、異世界でどんな活躍をしていくのか?

ブロック作成スキルで、もふもふスローライフを目指すことにした

うみ
ファンタジー
 もふもふ犬と悪魔少女と共に異世界ジャングルでオートキャンプする!  俺こと日野良介は、異世界のジャングルに転移してしまった。道具も何も持たずに放り出された俺だったが、特殊能力ブロック作成でジャングルの中に安心して住める家を作る。  うっかり拾ってしまった現地人の悪魔っ娘、俺と同時に転移してきたと思われるポチ、喋るの大好き食いしん坊カラスと一緒に、少しずつ手探りで、異世界での生活を充実させていく。  サバイバル生活から楽々スローライフを目指す!   衣食住を充実させるのだ。

転生5回目!? こ、今世は楽しく長生きします! 

実川えむ
ファンタジー
猫獣人のロジータ、10歳。 冒険者登録して初めての仕事で、ダンジョンのポーターを務めることになったのに、 なぜか同行したパーティーメンバーによって、ダンジョンの中の真っ暗闇の竪穴に落とされてしまった。 「なーんーでーっ!」 落下しながら、ロジータは前世の記憶というのを思い出した。 ただそれが……前世だけではなく、前々々々世……4回前? の記憶までも思い出してしまった。 ここから、ロジータのスローなライフを目指す、波乱万丈な冒険が始まります。 ご都合主義なので、スルーと流して読んで頂ければありがたいです。 セルフレイティングは念のため。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~

月見酒
ファンタジー
 俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。  そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。  しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。 「ここはどこだよ!」  夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。  あげくにステータスを見ると魔力は皆無。  仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。 「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」  それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?  それから五年後。  どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。  魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!  見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる! 「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」 ================================  月見酒です。  正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

処理中です...