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第54話 初めての幽霊退治-4
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前回のあらすじ
舞さんから、平賀智の本性を知ることが出来ました。ただ、強敵なのは間違いありません。どうやって退治しましょうか?
☆☆☆
休憩後、平賀智が何者であるかを有希と明希さんに説明した。すると、明希さんが険悪な表情になった。
「思い出したわ!平賀智、陰陽師の怨霊リストの中でも、第10位に入っている危険人物よ。その女性の言った通り、現在までに25人の陰陽師が殺されているわ。」
(明日、どうしますか?俺としては、あいつを退治したいです。あんな危険人物、放っておくわけにはいきません。)
「お祖母様、私もラッキーと同意見です。ただ、あいつに勝てる方法が、どうしても思いつきません。」
無理もないか。陰陽師の術を解析し研究している以上、普通に戦ってはまず勝ち目がない。だとすると、------なるほど、要は普通じゃない戦い方をすればいいのか。よし、念珠玉を使おう!擬人化の術を教えてもらった時、俺が閃いたアイデアだ。水晶玉に言霊を付加させる事で、有希にも使用可能にしたものだ。まだ、数がそう多くは揃ってないけど、これなら戦える。
(有希、念珠玉を使おう。あれなら、効果が必ずある。)
「そうね、普通に戦ってもだめなら、念珠玉をメインにすれば相手も怯む。」
「駄目よ!怯むかもしれないけど、すぐに対応されるわ。相手は戦いのスペシャリストよ。」
(でも、明希さん、このままだと確実に一般人に被害が生じます。依頼を破棄するわけにもいかない。なら戦うしかない。大丈夫です、明希さんがいない時にも、多くの念珠玉を創っておきました。俺と有希で戦います。)
明希さんが、なかなか許可してくれない。どうする?実際に創った念珠玉を見てもらうか。
「有希、これまでに創った念珠玉を見てもらおう。それで判断してもらうしかない。」
-------時間はかかったものの、ようやく許可を貰えた。俺達が創った念珠玉を見て、明希さんは呆れていた。
「全く、あなた達には呆れたわ。よくこれだけの言霊を思い付いたわね。確かに、これなら対応出来ないでしょう。ただし、無理は禁物よ。危なかったら、すぐにラッキーの言霊で逃げなさい。」
「はい、わかりました。」
本当なら、俺だけでも退治可能だろう。だが、それだと有希が成長しない。今回、俺はフォローに回る。念珠玉をどう扱うか、平賀とどう戦うか念入りに相談した。
戦いの準備は出来たな。明日が勝負だ。
☆☆☆
翌日、明希さんがこの林一体に人払いの術をかけた。これで、準備は整った。明希さんが心配そうに見ている。
「念珠玉を使う以上、私は足手まといになるわ。ここで術が切れないよう見ておきます。必ず帰って来なさい。いいですね!」
「はい、必ず帰って来ます。ラッキー、行きましょう。」
(ああ、行こう!)
------古民家の入り口には、平賀と舞さんがいた。
「やはり、来ましたか?出来れば、子供を殺したくないんですが。」
平賀の野郎、余裕だな。相手が子供と犬1匹だから当たり前か。平賀の戦い方から見て、有希は始めから全力で行った方がいい。どうせ相手の方が格上だ。時間が経つうちに、用意した念珠玉が機能し、戦況も変わっていくだろう。
「あなたの事を調査しました。平賀智さん、三島舞さんに取り憑き、25人の陰陽師を殺している怨霊。」
「ははは!そこまで調べているのなら容赦しない。」
こうして戦いは始まった。
先に仕掛けたのは有希だ。有希は5歳の時からから剣術・体術を習っているため、今では大人顔負けの実力があるらしい。ただし、それはあくまで試合形式、実戦は今回が初めてだ。霊力を込めた木剣の鋭い一撃、それを軽々と躱す平賀、有希は時折体術も使って一撃を与えようとするが、ことごとく躱されている。
ふと横を見ると、舞さんがいた。
「ラッキー、どうしてそんなに余裕があるの?有希ちゃんが殺されるかもしれないのよ。」
(平賀と戦う上での議論は、充分にやったよ。平賀を退治できる勝算はある。あとは、有希次第かな。)
「あなたは戦わないの?」
(今回、俺はフォローにまわる。今の時点で、充分にフォローしてるよ。)
「え、そんな風に見えないけど?」
俺は今、平賀や舞さんにわからないようにある言霊を使っている。致命傷の攻撃が有希に直撃した場合のみ、実際は念珠玉で防御しているが、平賀からは直撃しているように見える幻惑だ。。あ、この攻撃で有希は1回死んだな。平賀、お前は所詮、俺達の通過点に過ぎないんだ。お前のその強さ、利用させてもらう。
☆☆☆ 平賀 智 視点
先に仕掛けてきたか。序盤、俺が戦わない事を知っているな。
ほう、このガキ、この歳でかなりの力量を持っている。だが、実戦を殆ど経験していない。この程度で、俺に戦いを挑むとは笑止!
「南条有希と言ったか、この程度の力しかないのか。くくく、本来なら、もう少し様子見でいくところだが、もう飽きたよ。死ね!」
おかしい、どういう事だ?
先程、俺は確かに心臓を貫いたはず!
なぜ、こいつは生きている?
それにこちらの打撃を何度も喰らっているはずだ。なぜ、どこも怪我をしていない?
何か、術を使っているのか。だが、その形跡がない。
ぐ、攻撃が少しずつだが重く鋭くなってきている。
ち、こんなタイプの陰陽師は初めてだ!あの犬は、さっきから舞と話していて、こちらに攻撃する気配がない。それに、舞に何か術を使う気配もない。どういう事だ?
こいつら、何を企んでやがる。
「余所見をしていて良いのですか?」
しまった!リズムが乱れた。ガキの拳が俺の腹の目の前にありやがる。これは躱せん。
このガキ!どういう事だ、さっきより攻撃が重く速くなっている。間違いない、戦えば戦う程、強くなってきている。まずい、早急に殺さなければ!
「少し油断しましたか。まさか、ガキのくせに、ここまでの実力があるとはね。いいだろう、私の本気を見せてやろう。」
-----やはり、おかしい。
縮地を使い、頭を刺し貫いたはずだ。何かある。
それに俺は本気で戦っている。剣術・体術も全てだ。どうして、この動きについてこれる。この動きは、陰陽師最高峰の技[縮地]を使っているんだぞ。
「貴様、なぜその年で縮地を使える!くそ、やはり全ての技術が向上している!」
こんな筋肉もないガキが使えるわけがない。どこかにトリックがあるはずだ。
「いきます」
ガキが消えた!どこだ、どこにいる?
「ここですよ、どこを見ているんですか?はあ!」
俺の懐に!いつの間に!
があああ、くそ、なんとか急所は避けれたが、ガキの動きが完全に俺を上回った。
「貴様などに負けるか。甘くみるなー!」
くそ、どうなっている?抜手で首を貫いたはずだ。
どうしてこのガキは死なない?これで計3回致命傷を与えているはずだ。
く、この術で消滅させる。
「まさか、子供相手にここまで手こずるとはな。光栄に思うがいい。この術を使うのは、貴様で2人目だ。私を怒らせた事、後悔させてやる。
【地獄の業火よ、奴を滅せよ】、ふははは、消えてなくなれ~。」
私が考案した肉体も魂も喰らう術だ。
私の黒炎は、ガキを覆い尽くした。あの犬も馬鹿な奴だ。主人を助けようともしない。
「おい、ラッキーと言ったか。いいのか、主人が死ぬぞ。は、もう手遅れだが、あのガキは肉体も魂も喰われているだろうがな。」
(おい、また余所見をしているな。お前の自慢の術かは知らないが、じゃあなんで、有希は平然とた立っているんだよ。)
その言葉を聞いた瞬間、振り向くと南条有希は平然と立っていた。
馬鹿な、なぜ無傷なんだ、信じられない。この術を突破した陰陽師は、今まで誰1人いない。一体、どうやって?
それに、どこにこんな体力があるんだ?もう20分は戦い続けているぞ。息の乱れはあっても、どういうわけか回復している。
「わかっているわ。悔しいけど、こいつ本当に強いわ。でも、もう大丈夫。奴の全てを吸収出来たから。」
あの犬と話しているのか?
「う、わかっているわ。霊力がかなり溜まったから、この一撃で決めるわ。」
「貴様ら、一体何を企んでいる!」
「敵であるあなたに言うはずないでしょ。」
気がつくと、俺の身体に大きい風穴が開いていた。
舞さんから、平賀智の本性を知ることが出来ました。ただ、強敵なのは間違いありません。どうやって退治しましょうか?
☆☆☆
休憩後、平賀智が何者であるかを有希と明希さんに説明した。すると、明希さんが険悪な表情になった。
「思い出したわ!平賀智、陰陽師の怨霊リストの中でも、第10位に入っている危険人物よ。その女性の言った通り、現在までに25人の陰陽師が殺されているわ。」
(明日、どうしますか?俺としては、あいつを退治したいです。あんな危険人物、放っておくわけにはいきません。)
「お祖母様、私もラッキーと同意見です。ただ、あいつに勝てる方法が、どうしても思いつきません。」
無理もないか。陰陽師の術を解析し研究している以上、普通に戦ってはまず勝ち目がない。だとすると、------なるほど、要は普通じゃない戦い方をすればいいのか。よし、念珠玉を使おう!擬人化の術を教えてもらった時、俺が閃いたアイデアだ。水晶玉に言霊を付加させる事で、有希にも使用可能にしたものだ。まだ、数がそう多くは揃ってないけど、これなら戦える。
(有希、念珠玉を使おう。あれなら、効果が必ずある。)
「そうね、普通に戦ってもだめなら、念珠玉をメインにすれば相手も怯む。」
「駄目よ!怯むかもしれないけど、すぐに対応されるわ。相手は戦いのスペシャリストよ。」
(でも、明希さん、このままだと確実に一般人に被害が生じます。依頼を破棄するわけにもいかない。なら戦うしかない。大丈夫です、明希さんがいない時にも、多くの念珠玉を創っておきました。俺と有希で戦います。)
明希さんが、なかなか許可してくれない。どうする?実際に創った念珠玉を見てもらうか。
「有希、これまでに創った念珠玉を見てもらおう。それで判断してもらうしかない。」
-------時間はかかったものの、ようやく許可を貰えた。俺達が創った念珠玉を見て、明希さんは呆れていた。
「全く、あなた達には呆れたわ。よくこれだけの言霊を思い付いたわね。確かに、これなら対応出来ないでしょう。ただし、無理は禁物よ。危なかったら、すぐにラッキーの言霊で逃げなさい。」
「はい、わかりました。」
本当なら、俺だけでも退治可能だろう。だが、それだと有希が成長しない。今回、俺はフォローに回る。念珠玉をどう扱うか、平賀とどう戦うか念入りに相談した。
戦いの準備は出来たな。明日が勝負だ。
☆☆☆
翌日、明希さんがこの林一体に人払いの術をかけた。これで、準備は整った。明希さんが心配そうに見ている。
「念珠玉を使う以上、私は足手まといになるわ。ここで術が切れないよう見ておきます。必ず帰って来なさい。いいですね!」
「はい、必ず帰って来ます。ラッキー、行きましょう。」
(ああ、行こう!)
------古民家の入り口には、平賀と舞さんがいた。
「やはり、来ましたか?出来れば、子供を殺したくないんですが。」
平賀の野郎、余裕だな。相手が子供と犬1匹だから当たり前か。平賀の戦い方から見て、有希は始めから全力で行った方がいい。どうせ相手の方が格上だ。時間が経つうちに、用意した念珠玉が機能し、戦況も変わっていくだろう。
「あなたの事を調査しました。平賀智さん、三島舞さんに取り憑き、25人の陰陽師を殺している怨霊。」
「ははは!そこまで調べているのなら容赦しない。」
こうして戦いは始まった。
先に仕掛けたのは有希だ。有希は5歳の時からから剣術・体術を習っているため、今では大人顔負けの実力があるらしい。ただし、それはあくまで試合形式、実戦は今回が初めてだ。霊力を込めた木剣の鋭い一撃、それを軽々と躱す平賀、有希は時折体術も使って一撃を与えようとするが、ことごとく躱されている。
ふと横を見ると、舞さんがいた。
「ラッキー、どうしてそんなに余裕があるの?有希ちゃんが殺されるかもしれないのよ。」
(平賀と戦う上での議論は、充分にやったよ。平賀を退治できる勝算はある。あとは、有希次第かな。)
「あなたは戦わないの?」
(今回、俺はフォローにまわる。今の時点で、充分にフォローしてるよ。)
「え、そんな風に見えないけど?」
俺は今、平賀や舞さんにわからないようにある言霊を使っている。致命傷の攻撃が有希に直撃した場合のみ、実際は念珠玉で防御しているが、平賀からは直撃しているように見える幻惑だ。。あ、この攻撃で有希は1回死んだな。平賀、お前は所詮、俺達の通過点に過ぎないんだ。お前のその強さ、利用させてもらう。
☆☆☆ 平賀 智 視点
先に仕掛けてきたか。序盤、俺が戦わない事を知っているな。
ほう、このガキ、この歳でかなりの力量を持っている。だが、実戦を殆ど経験していない。この程度で、俺に戦いを挑むとは笑止!
「南条有希と言ったか、この程度の力しかないのか。くくく、本来なら、もう少し様子見でいくところだが、もう飽きたよ。死ね!」
おかしい、どういう事だ?
先程、俺は確かに心臓を貫いたはず!
なぜ、こいつは生きている?
それにこちらの打撃を何度も喰らっているはずだ。なぜ、どこも怪我をしていない?
何か、術を使っているのか。だが、その形跡がない。
ぐ、攻撃が少しずつだが重く鋭くなってきている。
ち、こんなタイプの陰陽師は初めてだ!あの犬は、さっきから舞と話していて、こちらに攻撃する気配がない。それに、舞に何か術を使う気配もない。どういう事だ?
こいつら、何を企んでやがる。
「余所見をしていて良いのですか?」
しまった!リズムが乱れた。ガキの拳が俺の腹の目の前にありやがる。これは躱せん。
このガキ!どういう事だ、さっきより攻撃が重く速くなっている。間違いない、戦えば戦う程、強くなってきている。まずい、早急に殺さなければ!
「少し油断しましたか。まさか、ガキのくせに、ここまでの実力があるとはね。いいだろう、私の本気を見せてやろう。」
-----やはり、おかしい。
縮地を使い、頭を刺し貫いたはずだ。何かある。
それに俺は本気で戦っている。剣術・体術も全てだ。どうして、この動きについてこれる。この動きは、陰陽師最高峰の技[縮地]を使っているんだぞ。
「貴様、なぜその年で縮地を使える!くそ、やはり全ての技術が向上している!」
こんな筋肉もないガキが使えるわけがない。どこかにトリックがあるはずだ。
「いきます」
ガキが消えた!どこだ、どこにいる?
「ここですよ、どこを見ているんですか?はあ!」
俺の懐に!いつの間に!
があああ、くそ、なんとか急所は避けれたが、ガキの動きが完全に俺を上回った。
「貴様などに負けるか。甘くみるなー!」
くそ、どうなっている?抜手で首を貫いたはずだ。
どうしてこのガキは死なない?これで計3回致命傷を与えているはずだ。
く、この術で消滅させる。
「まさか、子供相手にここまで手こずるとはな。光栄に思うがいい。この術を使うのは、貴様で2人目だ。私を怒らせた事、後悔させてやる。
【地獄の業火よ、奴を滅せよ】、ふははは、消えてなくなれ~。」
私が考案した肉体も魂も喰らう術だ。
私の黒炎は、ガキを覆い尽くした。あの犬も馬鹿な奴だ。主人を助けようともしない。
「おい、ラッキーと言ったか。いいのか、主人が死ぬぞ。は、もう手遅れだが、あのガキは肉体も魂も喰われているだろうがな。」
(おい、また余所見をしているな。お前の自慢の術かは知らないが、じゃあなんで、有希は平然とた立っているんだよ。)
その言葉を聞いた瞬間、振り向くと南条有希は平然と立っていた。
馬鹿な、なぜ無傷なんだ、信じられない。この術を突破した陰陽師は、今まで誰1人いない。一体、どうやって?
それに、どこにこんな体力があるんだ?もう20分は戦い続けているぞ。息の乱れはあっても、どういうわけか回復している。
「わかっているわ。悔しいけど、こいつ本当に強いわ。でも、もう大丈夫。奴の全てを吸収出来たから。」
あの犬と話しているのか?
「う、わかっているわ。霊力がかなり溜まったから、この一撃で決めるわ。」
「貴様ら、一体何を企んでいる!」
「敵であるあなたに言うはずないでしょ。」
気がつくと、俺の身体に大きい風穴が開いていた。
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