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第26話 南条征次郎さんとの出会い (生後46日目)
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前回のあらすじ
驚きです。和葉ちゃん、依澄ちゃんは有希ちゃんとお知り合いだったのです。でも、何故でしょう?今、とてつもなく嫌な予感するのですが------。
☆☆☆
コンコンとドアのノックが聞こえた。
「和葉お嬢様、依澄お嬢様、南条様がお見えになられました。リビングでお待ちになっています。」
え、メイドさん、今なんて言った?南条様?
(あの和葉ちゃん、南条様て、まさか!)
(ラッキー、そのまさかよ。征次郎さん、明希さんと有希ちゃんがこちらに来たのよ。)
「わかりました。今から向かいます。」
なんというタイミング!
俺が遠方憑依してて、今からここにいるのを知っているんじゃないのか?
そんなことを思ったからか、依澄ちゃんが心配そうに尋ねてきた。
(ラッキー、大丈夫?ちゃんと、フォローしてあげるから安心してね。)
なんか依澄ちゃんが神様に見えるぞ。とうとうリビングに到着してしまった。この扉の向こうに3人がいるのか。そういえば、征次郎さんに会うのは初めてだな、きちんと挨拶しておこう。そして、扉が開いた。
--------しばらくは、和葉ちゃん、依澄ちゃんが誘拐事件の?莖末を話した。当然、俺、カイ達、カラス達による犯人達の撃退作戦の話もしてある。2人とも、俺のことを色々フォローしてくれている。ただ、俺が入りにくい。話すタイミングが掴めないぞ。話が終わり、一息ついたところで征次郎さんが動いた。
(ラッキー、和葉に今憑いているんだね。守ってくれてありがとう。)
(え、わかるんですか。あ、初めまして、征次郎さん、パピヨンのラッキーと言います。)
(こちらこそ、初めまして、南条征次郎だ。)
征次郎さんか、見た感じ、厳格そうな雰囲気を感じるな。
(ラッキー、ある程度、霊力を持っているものならわかるぞ。明希や有希にも見えているよ。)
(え、そうなんですか。有希ちゃん、言ってくれればいいのに。)
(凄く言いづらかったのよ。和葉さんの頭の上にちょこんといるんだもの。ふざけてやっているのかなて思ったわ。)
あれ、依澄ちゃんの目が凄く輝いているんだけど、
(姉さんの頭の上にいるんですか。私も見たいんですけど、征次郎さん可能ですか。)
(ああ、可能だよ。少し待ってなさい。)
すると、征次郎さんが和葉ちゃんと依澄ちゃんの前に来て、手を依澄ちゃんの両目に触れて、何かやったぞ。あ、そうか、霊力をほんの少し流し込んでいるんだ。なるほど、ああすれば、短い間、霊を見ることができるんだな。
(あー、ラッキーが見える。凄く可愛い!抱き締めたい!)
(ちょっと、依澄、目が怖いんだけど、私も見たいのに~。)
征次郎さんが手を和葉ちゃんの目に触れて、霊力を軽く流し込んだ。
和葉ちゃんの頭の上にいるから、鏡越しで俺を見ていた。
(ラッキー可愛い!鏡越しなのがちょっと悔しい。)
(そっか、遠方憑依していた時の自分の状態を確認したことがなかったけど、こうなってたのか。ここから動けないかな、ちょっと試してみます。)
(え、ちょっとラッキー、)
有希ちゃんが何か言いかけてるけど、まあいいか。
お、自分の姿を認識したら、ある程度動けるぞ。この感覚からして動ける範囲は憑依者から半径20m程度か。あ、でも、少し動いただけで自分の霊力が少し消費した。過度に動くのは厳禁だな。
(征次郎さん、ありがとう。自分の姿を認識出来たら、多分憑依者の半径20m程度なら歩けることがわかったよ。て、あれ、みんなどうしたの?なんで、目を見開いているの?この感じ、もしかして、また、俺やちゃったの?)
俺がとことこと歩いてたら、全員驚愕の表情をしていた。一番始めに話し出したのは征次郎さんだ。
(いや、ラッキーよくやってくれた。精霊が森に引きこもって以降、悪霊を浄化もしくは滅する術以外が使用不可能となっているのは明希や有希から聞いているな。私は、そういった術を復元させる研究を行っている。)
そう言えば、前にそれらしいことを聞いたな。
なんか、急に張り詰めた雰囲気になったぞ。
(以前聞いた遠方念話、私はその復元をずっと研究していた。遠距離のどの条件や場所においても連絡可能な手段、それを生後1ヶ月の犬が開発したと聞いた時は、とても驚いたよ。そして、今回の遠方憑依、ラッキーすまないが、君が開発した経緯と取得条件、能力を教えてくれないか。頼む。)
え!、征次郎さんがお辞儀をした。
(征次郎さん、やめて下さい。犬にお辞儀なんてしないで下さい。技術でよければ、なんでも教えますから。)
俺は、遠方憑依について、開発経緯と取得条件、能力について全て教えた。
-------また、この雰囲気だ。俺、またとんでもない事をしたのだろうか。
しばらくの沈黙の後、明希さんが話しだした。
(ふふふ、有希、これじゃあラッキーを怒るに怒れないわね。)
有希ちゃんの顔が赤いぞ。
(うー、ラッキー反則よ。目立つ行動は、あれ程しちゃいけないて言ったはずよ。でも理由が-----、本当に怒れないよ。)
ここで、依澄ちゃんが征次郎さんに質問した。
(ラッキーが遠方憑依で、私達を助けてくれたのは凄く嬉しいんです。でも、陰陽師にとって、この技は、どの程度の価値があるのですか?)
おー、今まさに俺も、それが知りたい!
(あー、すまない。あまりに術の性能が良すぎたものでね。簡単に言うと、遠方憑依は、------現時点で新型の術だ。現在において、新たに考案された術というのは、精霊が関わっていないため、必ずデメリットがある。例えば、霊力を莫大に消費するとかだね。だが、この術はデメリットが殆どなく、メリットの方が多すぎるんだよ。最大のメリットは2つある。1つは憑依者と協力することで、憑依者が使えない陰陽の術を使用可能とすること、もう1つが憑依者からある程度離れて活動することが可能ということだ。)
和葉ちゃんも、遠方憑依の真価を理解したみたいだ。
(そうなると、これって公表しない方がいいのでは?)
(無論だ。現時点で公表するつもりはない。この術は訓練すれば、霊力を扱える者なら誰にでもできるからな。悪用される可能性が非常に高い。だが、使用法を間違えなければ、多くの人々の救いの術ともなる。)
げ、そこまでか!有希ちゃんのことだけしか考えてなかった。
そんな俺を明希さんが微笑ましい表情で見ていた。
(ふふ、ラッキーは本当に有希のことしか考えてなかったのね。)
(あ、はい。有希ちゃんの笑顔が見たかったので、何か出来ることはないかと、ずっと模索して考えたのが遠方憑依なんです。まさか、そこまでの価値があるとは。)
そんな有希ちゃんを見ると、顔を真っ赤にしていた。俺、変なこと言ったか?
和葉ちゃんが呆れた表情で、俺を見て言った。
(ラッキーが前世の姿のままで、私達を助けてたら、間違いなく惚れてたわね。)
(姉さんの言ってることわかるよ。ラッキーが人間だったらて思ったよ。有希ちゃんは、そんなラッキーに凄く愛されてるのね。)
(ふぇ、あ、あのそのありがとうございます。ラッキーもありがとう。)
その言葉、本当に前世の時に聞きたかったよ。
あれ、征次郎さんが腕組みをして何かを考えていた。どうしたんだろう?
(ふむ、今後の行動が決まったな。ラッキー、私達と一緒に有希の両親の行方不明の現場に行ってみないか?)
驚きです。和葉ちゃん、依澄ちゃんは有希ちゃんとお知り合いだったのです。でも、何故でしょう?今、とてつもなく嫌な予感するのですが------。
☆☆☆
コンコンとドアのノックが聞こえた。
「和葉お嬢様、依澄お嬢様、南条様がお見えになられました。リビングでお待ちになっています。」
え、メイドさん、今なんて言った?南条様?
(あの和葉ちゃん、南条様て、まさか!)
(ラッキー、そのまさかよ。征次郎さん、明希さんと有希ちゃんがこちらに来たのよ。)
「わかりました。今から向かいます。」
なんというタイミング!
俺が遠方憑依してて、今からここにいるのを知っているんじゃないのか?
そんなことを思ったからか、依澄ちゃんが心配そうに尋ねてきた。
(ラッキー、大丈夫?ちゃんと、フォローしてあげるから安心してね。)
なんか依澄ちゃんが神様に見えるぞ。とうとうリビングに到着してしまった。この扉の向こうに3人がいるのか。そういえば、征次郎さんに会うのは初めてだな、きちんと挨拶しておこう。そして、扉が開いた。
--------しばらくは、和葉ちゃん、依澄ちゃんが誘拐事件の?莖末を話した。当然、俺、カイ達、カラス達による犯人達の撃退作戦の話もしてある。2人とも、俺のことを色々フォローしてくれている。ただ、俺が入りにくい。話すタイミングが掴めないぞ。話が終わり、一息ついたところで征次郎さんが動いた。
(ラッキー、和葉に今憑いているんだね。守ってくれてありがとう。)
(え、わかるんですか。あ、初めまして、征次郎さん、パピヨンのラッキーと言います。)
(こちらこそ、初めまして、南条征次郎だ。)
征次郎さんか、見た感じ、厳格そうな雰囲気を感じるな。
(ラッキー、ある程度、霊力を持っているものならわかるぞ。明希や有希にも見えているよ。)
(え、そうなんですか。有希ちゃん、言ってくれればいいのに。)
(凄く言いづらかったのよ。和葉さんの頭の上にちょこんといるんだもの。ふざけてやっているのかなて思ったわ。)
あれ、依澄ちゃんの目が凄く輝いているんだけど、
(姉さんの頭の上にいるんですか。私も見たいんですけど、征次郎さん可能ですか。)
(ああ、可能だよ。少し待ってなさい。)
すると、征次郎さんが和葉ちゃんと依澄ちゃんの前に来て、手を依澄ちゃんの両目に触れて、何かやったぞ。あ、そうか、霊力をほんの少し流し込んでいるんだ。なるほど、ああすれば、短い間、霊を見ることができるんだな。
(あー、ラッキーが見える。凄く可愛い!抱き締めたい!)
(ちょっと、依澄、目が怖いんだけど、私も見たいのに~。)
征次郎さんが手を和葉ちゃんの目に触れて、霊力を軽く流し込んだ。
和葉ちゃんの頭の上にいるから、鏡越しで俺を見ていた。
(ラッキー可愛い!鏡越しなのがちょっと悔しい。)
(そっか、遠方憑依していた時の自分の状態を確認したことがなかったけど、こうなってたのか。ここから動けないかな、ちょっと試してみます。)
(え、ちょっとラッキー、)
有希ちゃんが何か言いかけてるけど、まあいいか。
お、自分の姿を認識したら、ある程度動けるぞ。この感覚からして動ける範囲は憑依者から半径20m程度か。あ、でも、少し動いただけで自分の霊力が少し消費した。過度に動くのは厳禁だな。
(征次郎さん、ありがとう。自分の姿を認識出来たら、多分憑依者の半径20m程度なら歩けることがわかったよ。て、あれ、みんなどうしたの?なんで、目を見開いているの?この感じ、もしかして、また、俺やちゃったの?)
俺がとことこと歩いてたら、全員驚愕の表情をしていた。一番始めに話し出したのは征次郎さんだ。
(いや、ラッキーよくやってくれた。精霊が森に引きこもって以降、悪霊を浄化もしくは滅する術以外が使用不可能となっているのは明希や有希から聞いているな。私は、そういった術を復元させる研究を行っている。)
そう言えば、前にそれらしいことを聞いたな。
なんか、急に張り詰めた雰囲気になったぞ。
(以前聞いた遠方念話、私はその復元をずっと研究していた。遠距離のどの条件や場所においても連絡可能な手段、それを生後1ヶ月の犬が開発したと聞いた時は、とても驚いたよ。そして、今回の遠方憑依、ラッキーすまないが、君が開発した経緯と取得条件、能力を教えてくれないか。頼む。)
え!、征次郎さんがお辞儀をした。
(征次郎さん、やめて下さい。犬にお辞儀なんてしないで下さい。技術でよければ、なんでも教えますから。)
俺は、遠方憑依について、開発経緯と取得条件、能力について全て教えた。
-------また、この雰囲気だ。俺、またとんでもない事をしたのだろうか。
しばらくの沈黙の後、明希さんが話しだした。
(ふふふ、有希、これじゃあラッキーを怒るに怒れないわね。)
有希ちゃんの顔が赤いぞ。
(うー、ラッキー反則よ。目立つ行動は、あれ程しちゃいけないて言ったはずよ。でも理由が-----、本当に怒れないよ。)
ここで、依澄ちゃんが征次郎さんに質問した。
(ラッキーが遠方憑依で、私達を助けてくれたのは凄く嬉しいんです。でも、陰陽師にとって、この技は、どの程度の価値があるのですか?)
おー、今まさに俺も、それが知りたい!
(あー、すまない。あまりに術の性能が良すぎたものでね。簡単に言うと、遠方憑依は、------現時点で新型の術だ。現在において、新たに考案された術というのは、精霊が関わっていないため、必ずデメリットがある。例えば、霊力を莫大に消費するとかだね。だが、この術はデメリットが殆どなく、メリットの方が多すぎるんだよ。最大のメリットは2つある。1つは憑依者と協力することで、憑依者が使えない陰陽の術を使用可能とすること、もう1つが憑依者からある程度離れて活動することが可能ということだ。)
和葉ちゃんも、遠方憑依の真価を理解したみたいだ。
(そうなると、これって公表しない方がいいのでは?)
(無論だ。現時点で公表するつもりはない。この術は訓練すれば、霊力を扱える者なら誰にでもできるからな。悪用される可能性が非常に高い。だが、使用法を間違えなければ、多くの人々の救いの術ともなる。)
げ、そこまでか!有希ちゃんのことだけしか考えてなかった。
そんな俺を明希さんが微笑ましい表情で見ていた。
(ふふ、ラッキーは本当に有希のことしか考えてなかったのね。)
(あ、はい。有希ちゃんの笑顔が見たかったので、何か出来ることはないかと、ずっと模索して考えたのが遠方憑依なんです。まさか、そこまでの価値があるとは。)
そんな有希ちゃんを見ると、顔を真っ赤にしていた。俺、変なこと言ったか?
和葉ちゃんが呆れた表情で、俺を見て言った。
(ラッキーが前世の姿のままで、私達を助けてたら、間違いなく惚れてたわね。)
(姉さんの言ってることわかるよ。ラッキーが人間だったらて思ったよ。有希ちゃんは、そんなラッキーに凄く愛されてるのね。)
(ふぇ、あ、あのそのありがとうございます。ラッキーもありがとう。)
その言葉、本当に前世の時に聞きたかったよ。
あれ、征次郎さんが腕組みをして何かを考えていた。どうしたんだろう?
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