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本編
20話 私はメタルリキッドゴーレムと戦います
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私は、メタルリキッドゴーレムの振るう拳による猛攻を防御するか、回避しています。防御する度に、奴の両腕が破壊されるのですが、すぐさま接合し元の形へと再生します。こんな奴、どうやって倒すのですか?
「冒険者の方々が回復するまで、 再生できないくらい徹底的に殴るだけ殴ってやります!!」
私の攻撃手段は、《殴る》以外にありません。奴の再生速度が追いつかないくらい殴り続ければ、その間に冒険者の方々も魔法やポーションなどで回復するはずです。
「あなたの攻撃、受けて立ちましょう。私も、全力で殴らせて頂きます!!」
私の言葉がゴーレムに届いたのか不明ですが、奴は私をロックオンして、徹底的に銀色の弾丸と殴るという連続攻撃を実行し続けているのですが、どういうわけか奴の両腕が私の身体を殴っても途中から破壊されなくなりました。変化したことは、殴る速度が遅くなり、重みが増したくらいです。理屈はわかりませんが、スキル《身体硬健》で破壊されないよう何かしらの工夫を加えたのかもしれません。でも、この手段は私にとって、都合が非常に良いです。速度が遅い分、付け入る隙が生じるのですから。
「精一杯、時間稼ぎをしますからね!!」
私はカウンターの形で、自分の拳をゴーレムの拳にぶつけます。初めは破壊できませんでしたが、小さな銀色の弾幕を無視して、無我夢中に殴り続けること数分、遂に拳を破壊することに成功しました。初めの攻撃との違いは、自分の魔力を体内で循環させて、それを拳に乗っけたことくらいです。どうやらスキルの力に魔力を加えることで、力が大幅に向上するようです。
今の感覚を忘れずに、私は間髪入れずにひたすら同じ力を加えて、両腕・両足・身体を殴り破壊していきます。再生された場合は、その箇所を殴り再度破壊していく。そういった行為を延々と続けていくと、気づいたことがありました。
「ゴーレムの中で、何かが動いています。匂いが一際きついので、その居場所も容易に特定できますね。………そこです!!」
私は、ゴーレムのお腹の中心部付近目掛けて、地面から弧を描くように拳を回転させて、腹を破壊しつつ抉り取り、中にある異様な物体を右手で抜き取りました。その瞬間、何故かゴーレムの動きがピタッと止まり、破壊され飛び散ったものも動かなくなりました。理由は不明ですが、今は抜き取ったものが何か気になります。
「何ですか、これは?」
柔らかく大人の拳大ほどの丸い何かが、ウネウネと動いており、正直気持ち悪いです。しかも、何か細い触手のようなものが無数に出てきて、さっきから私の右手を突っついています。
「お嬢ちゃん、そいつの中に魔力を限界まで込めるんだ!!」
「は?」
元気になったライオン顔の獣人冒険者の男性、この人はさっき私たちの存在を大声で叫び、魔物の注意を自分から反らせた最低野郎の1人です。
「早くやれ!!」
必死の形相で、私に命令してきます。
「わ、わかりました」
意味不明ですが、今は言われた通りにしましょう。私は、限界まで魔力を込めていくと、ウネウネの動きが鈍くなっていきます。
「う…もう限界です」
「よくやった!! あとは、我々に任せろ!!」
男は私から奇妙な物体を奪い取り、自分の魔力をあれに入れていきます。回復した4人の冒険者もやって来て、あのウネウネに自分の魔力を込めていきます。ウネウネの動きがどんどん鈍くなり、最終的には動かなくなって、一つの塊となりました。そして、初めに私に忠告してきた40歳くらいのライオン顔の獣人男性が、真剣な顔でその塊を空に掲げると、弾幕や私の破壊で飛び散った様々な塊が空中に浮遊し液体となって一つに集合していき、直径6メートルくらいの巨大な円形の塊となり、その後固体へと変化すると、獣人男性は鬼気迫る表情で、それをそ~っと地面に置きました。
どういう理屈で動いているのか不明ですが、これで終わりなのでしょうか?
「よし…終わった…これで討伐と掌握の完了だ」
「討伐と掌握の完了?」
ライオンのような獣人男性が言い終えた途端、周囲から歓声が舞い上がりました。生存している5名の冒険者たち、2名が大怪我を負っていましたが、魔法かポーションで全快したようです。あ、さっきの獣人男性がこっちに近づいてきて、1名の見知らぬ人間族の男性がカトレアの方へ行きます。彼女も警戒しているようですが、手足に液体をかけられると、痛みで苦しんでいた顔が少しずつ和らいでいってます。冒険者の男性は、彼女に頭を下げ謝罪しています。
多分、回復薬のポーションを使用してくれたのですね。
「嬢ちゃん、俺は獣人のゴルドと言うんだが、君を囮にして申し訳ない!!」
ゴルド?
あ、この人がリットさんの言っていた要注意人物‼︎
「頭を上げてください。私のスキルがあれば、時間稼ぎくらいならできると思っての行動なんです」
ゴルドさんは、何故か両手で私の両肩をガシッと掴みます。
何を言ってくるのでしょう?
「メタルリキッドゴーレム、自身の身体を自在に変化できる凶悪な魔物で、ゴーレムという名が付いているが、れっきとしたスライム族だ。鉱山内に含まれる金属を次々と吸収していくことで進化した高位のスライムで、今回の強さは間違いなくAランクだ。討伐方法は、《体内の魔石を破壊する》か、《何らかの方法で魔石を抜き取り、暴れる触手を魔力で押さえ込み掌握する》の2つしかない。君は単独で奴と戦い、我々の望む方法で奴を討伐寸前まで追い詰めてくれた。15人いた仲間も5人しか生き残れなかったが、死んだ仲間も、少しは浮かばれるだろう」
Aランク……そんな魔物が鉱山内から生まれたのですか。魔石の摘出に関しては、偶々です。何かが中で蠢いているから、それを取り除けば好転するかもと思いやったことです。《掌握》と言われても、よくわかりませんが、冒険者方の望む方法で討伐できたということなのでしょうか?
「ということは、私は何も知らないまま魔石を抜き取っていたのですか? ウネウネして気持ち悪かったのですが、あれが魔石なんですか?」
「ああ、その通りだ。あのまま放っておくと、触手が嬢ちゃんの体内に入り込み、嬢ちゃんの身体を糧にして、復活しようと目論んでいた。あの時、対処方法を急に叫んじまってすまないな」
だから、あの触手は私の右手を突っついていたのですか!?
この人は、それを注意するため叫んだ。
真意を探ろうにも匂いを巧妙に隠しているせいで、良い人なのか悪い人なのかわからないです。とりあえず、警戒は解かないでおきましょう。
「いえ、緊急事態なのですから仕方ありませんよ」
世の中には、こんな恐ろしい魔物がいるのですね。
「それにしても、嬢ちゃんは子供なのに強い。今はまだチートスキルに振りまわされている印象を受けるが、扱い方をマスターし、心身を限界まで鍛えれば、世界に名を残せるほどの強者になれるぞ」
「私がですか!?」
それは、少し大袈裟な気がします。身体が頑丈になるだけで、世界に名を残せるとは思えません。
「ああ、そうだ。あのゴーレムの放つ《散弾》《大砲》《物理攻撃》といった猛攻撃を百以上もくらっているはずだが、嬢ちゃんの身体には傷一つない。それにな、奴の液体自体が人を簡単に殺せる猛毒だ。触れただけで、皮膚が焼け爛れる程にな。君は、その猛毒にも侵されていない。我々もスキルの詮索はしないが、今後目を付けられるだろうから、行動には注意しろ」
猛毒?
おかしな銀色をしていましたが、あれには毒の成分も含まれていたのですね。スキル《身体硬健》がなければ、即死していたかもしれません。女神様と話し合った時、前世のご主人様のもとへ行くことしか考えていなかったので、当時こんな形で貢献できるとは思いもしませんでした。
「わかりました、気をつけます」
ギルドに明かしているのは、スキル《絶対嗅覚》のみです。今回の件で、絶対怪しまれますから、受付嬢のリットさんにはスキル《身体硬健》のことを言っておいた方がいいですね。
「ところで…だ。ここにあるスライムの身体の取り分なんだが…」
どうしたのでしょう?
さっきまで男らしかった人が、急にしどろもどろになっています。
「取り分? 私はスライム討伐メンバーに入ってませんからいりませんよ?」
そう言うと、彼は申し訳ない顔をしました。
「君が一番の功労者なのに…本当にすまん‼︎ だが、このままでは私の気が済まない。せめて、これだけは受け取ってくれ」
彼は懐から何かを取り出し、私は両手で貰い受けました。
「5万チェスタ(金貨5枚)!? こんな大金、いりませんよ!!」
「受け取ってくれ。ギルドからの支払いもない以上、君だけが損をすることになる。これで、君の冒険服などを新調するといい。さっきの戦いでボロボロになってるぞ」
ボロボロ?
あ、今気づきましたが、旦那様が用意してくれた冒険服がボロボロになっています!!
もらってから1ヶ月も経っていないのに!!
「お金、貰います。これで、もう少し頑丈な服を購入します。あと、私がこの戦闘に関わっていたことを話さないでほしいのです。目立ちたくありません」
Aランクの魔物を討伐寸前まで追い詰めたことが知られれば、絶対騒がれます。今後の生活に、影響を及ぼすでしょう。私は普通に生活したいので、騒動に巻き込まれるのはごめんです。
「そうか……ここの従業員たちには、君が関わっていないよう装うが、冒険者ギルドのギルドマスターには真実を伝えておく。我々も、トップ連中に嘘を言えん。もしかしたら、ギルドの誰かが君に真偽を問いただしに来るかもしれん」
ギルドの人たちにも話してほしくないのですが、ここまで大事になっている以上、仕方ありませんよね。
「わかりました」
まさか、こんな騒動に巻き込まれて、自分のスキルが明るみになるとは思いもしませんでした。これが、悪い方向に進まないといいのですが……。
「冒険者の方々が回復するまで、 再生できないくらい徹底的に殴るだけ殴ってやります!!」
私の攻撃手段は、《殴る》以外にありません。奴の再生速度が追いつかないくらい殴り続ければ、その間に冒険者の方々も魔法やポーションなどで回復するはずです。
「あなたの攻撃、受けて立ちましょう。私も、全力で殴らせて頂きます!!」
私の言葉がゴーレムに届いたのか不明ですが、奴は私をロックオンして、徹底的に銀色の弾丸と殴るという連続攻撃を実行し続けているのですが、どういうわけか奴の両腕が私の身体を殴っても途中から破壊されなくなりました。変化したことは、殴る速度が遅くなり、重みが増したくらいです。理屈はわかりませんが、スキル《身体硬健》で破壊されないよう何かしらの工夫を加えたのかもしれません。でも、この手段は私にとって、都合が非常に良いです。速度が遅い分、付け入る隙が生じるのですから。
「精一杯、時間稼ぎをしますからね!!」
私はカウンターの形で、自分の拳をゴーレムの拳にぶつけます。初めは破壊できませんでしたが、小さな銀色の弾幕を無視して、無我夢中に殴り続けること数分、遂に拳を破壊することに成功しました。初めの攻撃との違いは、自分の魔力を体内で循環させて、それを拳に乗っけたことくらいです。どうやらスキルの力に魔力を加えることで、力が大幅に向上するようです。
今の感覚を忘れずに、私は間髪入れずにひたすら同じ力を加えて、両腕・両足・身体を殴り破壊していきます。再生された場合は、その箇所を殴り再度破壊していく。そういった行為を延々と続けていくと、気づいたことがありました。
「ゴーレムの中で、何かが動いています。匂いが一際きついので、その居場所も容易に特定できますね。………そこです!!」
私は、ゴーレムのお腹の中心部付近目掛けて、地面から弧を描くように拳を回転させて、腹を破壊しつつ抉り取り、中にある異様な物体を右手で抜き取りました。その瞬間、何故かゴーレムの動きがピタッと止まり、破壊され飛び散ったものも動かなくなりました。理由は不明ですが、今は抜き取ったものが何か気になります。
「何ですか、これは?」
柔らかく大人の拳大ほどの丸い何かが、ウネウネと動いており、正直気持ち悪いです。しかも、何か細い触手のようなものが無数に出てきて、さっきから私の右手を突っついています。
「お嬢ちゃん、そいつの中に魔力を限界まで込めるんだ!!」
「は?」
元気になったライオン顔の獣人冒険者の男性、この人はさっき私たちの存在を大声で叫び、魔物の注意を自分から反らせた最低野郎の1人です。
「早くやれ!!」
必死の形相で、私に命令してきます。
「わ、わかりました」
意味不明ですが、今は言われた通りにしましょう。私は、限界まで魔力を込めていくと、ウネウネの動きが鈍くなっていきます。
「う…もう限界です」
「よくやった!! あとは、我々に任せろ!!」
男は私から奇妙な物体を奪い取り、自分の魔力をあれに入れていきます。回復した4人の冒険者もやって来て、あのウネウネに自分の魔力を込めていきます。ウネウネの動きがどんどん鈍くなり、最終的には動かなくなって、一つの塊となりました。そして、初めに私に忠告してきた40歳くらいのライオン顔の獣人男性が、真剣な顔でその塊を空に掲げると、弾幕や私の破壊で飛び散った様々な塊が空中に浮遊し液体となって一つに集合していき、直径6メートルくらいの巨大な円形の塊となり、その後固体へと変化すると、獣人男性は鬼気迫る表情で、それをそ~っと地面に置きました。
どういう理屈で動いているのか不明ですが、これで終わりなのでしょうか?
「よし…終わった…これで討伐と掌握の完了だ」
「討伐と掌握の完了?」
ライオンのような獣人男性が言い終えた途端、周囲から歓声が舞い上がりました。生存している5名の冒険者たち、2名が大怪我を負っていましたが、魔法かポーションで全快したようです。あ、さっきの獣人男性がこっちに近づいてきて、1名の見知らぬ人間族の男性がカトレアの方へ行きます。彼女も警戒しているようですが、手足に液体をかけられると、痛みで苦しんでいた顔が少しずつ和らいでいってます。冒険者の男性は、彼女に頭を下げ謝罪しています。
多分、回復薬のポーションを使用してくれたのですね。
「嬢ちゃん、俺は獣人のゴルドと言うんだが、君を囮にして申し訳ない!!」
ゴルド?
あ、この人がリットさんの言っていた要注意人物‼︎
「頭を上げてください。私のスキルがあれば、時間稼ぎくらいならできると思っての行動なんです」
ゴルドさんは、何故か両手で私の両肩をガシッと掴みます。
何を言ってくるのでしょう?
「メタルリキッドゴーレム、自身の身体を自在に変化できる凶悪な魔物で、ゴーレムという名が付いているが、れっきとしたスライム族だ。鉱山内に含まれる金属を次々と吸収していくことで進化した高位のスライムで、今回の強さは間違いなくAランクだ。討伐方法は、《体内の魔石を破壊する》か、《何らかの方法で魔石を抜き取り、暴れる触手を魔力で押さえ込み掌握する》の2つしかない。君は単独で奴と戦い、我々の望む方法で奴を討伐寸前まで追い詰めてくれた。15人いた仲間も5人しか生き残れなかったが、死んだ仲間も、少しは浮かばれるだろう」
Aランク……そんな魔物が鉱山内から生まれたのですか。魔石の摘出に関しては、偶々です。何かが中で蠢いているから、それを取り除けば好転するかもと思いやったことです。《掌握》と言われても、よくわかりませんが、冒険者方の望む方法で討伐できたということなのでしょうか?
「ということは、私は何も知らないまま魔石を抜き取っていたのですか? ウネウネして気持ち悪かったのですが、あれが魔石なんですか?」
「ああ、その通りだ。あのまま放っておくと、触手が嬢ちゃんの体内に入り込み、嬢ちゃんの身体を糧にして、復活しようと目論んでいた。あの時、対処方法を急に叫んじまってすまないな」
だから、あの触手は私の右手を突っついていたのですか!?
この人は、それを注意するため叫んだ。
真意を探ろうにも匂いを巧妙に隠しているせいで、良い人なのか悪い人なのかわからないです。とりあえず、警戒は解かないでおきましょう。
「いえ、緊急事態なのですから仕方ありませんよ」
世の中には、こんな恐ろしい魔物がいるのですね。
「それにしても、嬢ちゃんは子供なのに強い。今はまだチートスキルに振りまわされている印象を受けるが、扱い方をマスターし、心身を限界まで鍛えれば、世界に名を残せるほどの強者になれるぞ」
「私がですか!?」
それは、少し大袈裟な気がします。身体が頑丈になるだけで、世界に名を残せるとは思えません。
「ああ、そうだ。あのゴーレムの放つ《散弾》《大砲》《物理攻撃》といった猛攻撃を百以上もくらっているはずだが、嬢ちゃんの身体には傷一つない。それにな、奴の液体自体が人を簡単に殺せる猛毒だ。触れただけで、皮膚が焼け爛れる程にな。君は、その猛毒にも侵されていない。我々もスキルの詮索はしないが、今後目を付けられるだろうから、行動には注意しろ」
猛毒?
おかしな銀色をしていましたが、あれには毒の成分も含まれていたのですね。スキル《身体硬健》がなければ、即死していたかもしれません。女神様と話し合った時、前世のご主人様のもとへ行くことしか考えていなかったので、当時こんな形で貢献できるとは思いもしませんでした。
「わかりました、気をつけます」
ギルドに明かしているのは、スキル《絶対嗅覚》のみです。今回の件で、絶対怪しまれますから、受付嬢のリットさんにはスキル《身体硬健》のことを言っておいた方がいいですね。
「ところで…だ。ここにあるスライムの身体の取り分なんだが…」
どうしたのでしょう?
さっきまで男らしかった人が、急にしどろもどろになっています。
「取り分? 私はスライム討伐メンバーに入ってませんからいりませんよ?」
そう言うと、彼は申し訳ない顔をしました。
「君が一番の功労者なのに…本当にすまん‼︎ だが、このままでは私の気が済まない。せめて、これだけは受け取ってくれ」
彼は懐から何かを取り出し、私は両手で貰い受けました。
「5万チェスタ(金貨5枚)!? こんな大金、いりませんよ!!」
「受け取ってくれ。ギルドからの支払いもない以上、君だけが損をすることになる。これで、君の冒険服などを新調するといい。さっきの戦いでボロボロになってるぞ」
ボロボロ?
あ、今気づきましたが、旦那様が用意してくれた冒険服がボロボロになっています!!
もらってから1ヶ月も経っていないのに!!
「お金、貰います。これで、もう少し頑丈な服を購入します。あと、私がこの戦闘に関わっていたことを話さないでほしいのです。目立ちたくありません」
Aランクの魔物を討伐寸前まで追い詰めたことが知られれば、絶対騒がれます。今後の生活に、影響を及ぼすでしょう。私は普通に生活したいので、騒動に巻き込まれるのはごめんです。
「そうか……ここの従業員たちには、君が関わっていないよう装うが、冒険者ギルドのギルドマスターには真実を伝えておく。我々も、トップ連中に嘘を言えん。もしかしたら、ギルドの誰かが君に真偽を問いただしに来るかもしれん」
ギルドの人たちにも話してほしくないのですが、ここまで大事になっている以上、仕方ありませんよね。
「わかりました」
まさか、こんな騒動に巻き込まれて、自分のスキルが明るみになるとは思いもしませんでした。これが、悪い方向に進まないといいのですが……。
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