37 / 37
第37話
しおりを挟む
翌日は師匠の元へ行き、旅の報告と記憶が戻ったこと、そして今後魔剣を広めて行きたいことなどを話した。
「そうか。それは良いことだな」
報告を終えると師匠は言った。
「唯一無二のお前の力を活かせるよう、精一杯頑張るといい」
「はい!」
「私もまだまだ研究したいことがある。お前に負けないよう頑張らないとならないな」
師匠はそう言って目を細めた。
この日は師匠の元に泊まることになった。
日中は私の、そして師匠の研究について互いに意見を交わした。
今夜はまだ王都にいるなら是非出席して欲しいと言われて、ルーカス様と一緒にスラッカ王家主催の夜会へ出ている。
(この間の陛下との食事会といい、こういうこともあるからドレスを持ってきていたのね)
私は魔術師としてこの国に来たつもりで、自分が貴族であることをすっかり忘れていたけれど。
これからはちゃんと、貴族令嬢として――そして王子の婚約者として、自覚を持っていかないと。
「疲れただろう」
一通り貴族たちとの挨拶が終わり、一旦控え室へ戻るとルーカス様が言った。
「いえ、大丈夫です」
「無理はするな。長旅が終わったばかりなのに、ドレスを着て夜会に出てるんだから」
「……ありがとうございます」
優しい言葉に微笑んで答えると、何故かルーカス様は眉をひそめた。
「口調が戻ったな」
「え? ……ああ、さすがにここは王宮なので……」
私は魔術師であると共に、ルーカス様の婚約者として来ている。
ルーカス様は不満そうな顔をしているけれど、公の場なのだから言葉遣いには気をつけないと。
「――まあいい。これからまた変えてもらうから」
「そんなにこの口調は嫌ですか」
「他人行儀だろう」
そうかなあ。
首を傾げた私の髪に、ルーカス様の手が触れた。
「それにしても『青の魔女』は人気だな」
「そう……ですか? 人気というか……まあ、一応この国では名前だけは知られていますから、本物が物珍しいだけでは」
スラッカ王国では、青髪の私が魔術師であることは広く知られている。
だから皆、私を見てみたいのだろう。
大勢の貴族たちが挨拶に来たし、視線も沢山浴びていた。
「それが人気ということだろ」
「そうなんでしょうか」
「何せレベッカは可愛くて強い、俺の自慢の婚約者だからな」
頬に軽くルーカス様の唇が触れる。
「他の者たちが興味を持つのも当然だ。まあ、誰にも渡すつもりはないが」
かあっと赤くなった頬に、もう一度ルーカス様の唇が触れた。
*****
「それでは師匠、また来ます。どうかお元気で」
「ああ。リサも家族と仲良く暮らしなさい」
翌日。最後に師匠と抱擁を交わして塔を出た。
(アレクにも別れの挨拶をしたかったけど)
彼は次の任務の準備があるからと、昨日の夜会にも参加していなかった。
でも、二度と会えないわけではないだろう。
私たちを乗せた馬車は王都を出ると速度を上げた。
(そういえば……結局、この世界とゲームとの関係は分からないのかな)
馬車に揺られながらふと思う。
神様も知らないと言っていた。
どうして私が転生したのか、何か意味があるのか。
(……ま、いいか)
ここがゲームの世界であろうとなかろうと。
どこかに主人公となる少女が生きていても。
私はレベッカ、そして青の魔女リサとしてここで生きていくのだから。
*****
帰国途中、元いたギルドに寄り道をして仲間たちと再会して。
長い旅を終えて、私たちはようやくトウルネン王国へ戻って来た。
半年ぶりの王都へ入る門をくぐる。
「あれ?」
「どうした」
違和感を感じて思わず声が出ると、ルーカス様が聞き返した。
「結界に……隙間があるような」
行きには感じなかったのに。
ルーカス様は目を見開くと、呆れたようにため息をついた。
「時間経過などで結界に隙間が生じることはあるのか」
「いえ、それはあり得ません」
「では人為的か」
「おそらく……」
赤竜事件の犯人は皆捕まったはずなのに。
また別の人間が?
(教会の腐敗はまだあるってことかな)
司祭一人を捕えたところで、すぐ変わるようなものでもないのだろう。
「――この国でも青の魔女の出番はありそうだな」
「そうですね」
せっかく一仕事終えたばかりだけど。
(まあでも仕方ないか)
私の力が役立てるなら、頑張るしかない。
活気のある大通りを抜けて、馬車は王宮へと入っていった。
「やっと帰って来たな」
「はい」
本当にやっとだ。
あっという間のように感じるけれど、それでもやはり長かった。
馬車が停まり扉が開く。
先にルーカス様が下りると私へ向かって手を伸ばした。
その手を取ろうとすると、ルーカス様の手が腰に周り抱き上げられる。
「えっ待っ……!」
「いつもこうしているだろう」
いわゆるお姫様抱っこのように私を抱きかかえてルーカス様は笑った。
……確かに旅の間はこうやって馬車から下ろされていたけど!
ここは王宮だし!
(あれ? というか、そもそもこうやって下りるのって、おかしくない?)
アレクが言っていた、ベタベタしていたってこのこと!?
今更ながら気づいて、急に恥ずかしくなってくる。
「下ろしてくださいっ」
「遠慮するな」
「遠慮じゃなくて……!」
もがいて何とかルーカス様の腕から下りた。
「レベッカ!」
父の声が聞こえた。
「おとう……」
「レベッカ! 無事で良かった!」
ものすごい勢いで走ってきた父に、思い切り抱きつかれる。
「――あなた。そんなに力を入れたらレベッカが窒息してしまいますわ」
呆れたような母の声も聞こえる。
「お母様……ダニエルも」
父の腕から顔を出して、二人の姿を確認した。
家族皆で出迎えに来てくれたの?
「お帰り姉さん」
「怪我はなかった?」
「はい」
家族の顔を見渡して、胸の奥が熱くなる。
「……そうだお父様」
私を抱きしめる力を緩めた父に向く。
「私、思い出したんです。幼い時の記憶を」
「本当か!?」
「はい」
「ああ、それは良かった……」
嬉しそうに頬を緩めて、けれど父はすぐにその顔を曇らせた。
「いや、だが。思い出してしまったのだろう? 辛いことも……」
「……はい。でも、大丈夫です」
確かに、誘拐された時の記憶は、正直忘れていたかったけれど。
家族との思い出が失われたままよりはずっといい。
「そうか。……それでは、本当に『お帰り』だな、レベッカ」
「――はい。ただ今帰りました」
ふと視線を逸せると、私を見守っているルーカス様と視線があった。
その優しい眼差しにまた胸が熱くなる。
本当に、帰ってこられてよかった。
家族、そして好きな人がいるこの国に。
心からそう思って、私は家族たちと抱きしめあった。
おわり
最後までお読みいただき、ありがとうございました
「そうか。それは良いことだな」
報告を終えると師匠は言った。
「唯一無二のお前の力を活かせるよう、精一杯頑張るといい」
「はい!」
「私もまだまだ研究したいことがある。お前に負けないよう頑張らないとならないな」
師匠はそう言って目を細めた。
この日は師匠の元に泊まることになった。
日中は私の、そして師匠の研究について互いに意見を交わした。
今夜はまだ王都にいるなら是非出席して欲しいと言われて、ルーカス様と一緒にスラッカ王家主催の夜会へ出ている。
(この間の陛下との食事会といい、こういうこともあるからドレスを持ってきていたのね)
私は魔術師としてこの国に来たつもりで、自分が貴族であることをすっかり忘れていたけれど。
これからはちゃんと、貴族令嬢として――そして王子の婚約者として、自覚を持っていかないと。
「疲れただろう」
一通り貴族たちとの挨拶が終わり、一旦控え室へ戻るとルーカス様が言った。
「いえ、大丈夫です」
「無理はするな。長旅が終わったばかりなのに、ドレスを着て夜会に出てるんだから」
「……ありがとうございます」
優しい言葉に微笑んで答えると、何故かルーカス様は眉をひそめた。
「口調が戻ったな」
「え? ……ああ、さすがにここは王宮なので……」
私は魔術師であると共に、ルーカス様の婚約者として来ている。
ルーカス様は不満そうな顔をしているけれど、公の場なのだから言葉遣いには気をつけないと。
「――まあいい。これからまた変えてもらうから」
「そんなにこの口調は嫌ですか」
「他人行儀だろう」
そうかなあ。
首を傾げた私の髪に、ルーカス様の手が触れた。
「それにしても『青の魔女』は人気だな」
「そう……ですか? 人気というか……まあ、一応この国では名前だけは知られていますから、本物が物珍しいだけでは」
スラッカ王国では、青髪の私が魔術師であることは広く知られている。
だから皆、私を見てみたいのだろう。
大勢の貴族たちが挨拶に来たし、視線も沢山浴びていた。
「それが人気ということだろ」
「そうなんでしょうか」
「何せレベッカは可愛くて強い、俺の自慢の婚約者だからな」
頬に軽くルーカス様の唇が触れる。
「他の者たちが興味を持つのも当然だ。まあ、誰にも渡すつもりはないが」
かあっと赤くなった頬に、もう一度ルーカス様の唇が触れた。
*****
「それでは師匠、また来ます。どうかお元気で」
「ああ。リサも家族と仲良く暮らしなさい」
翌日。最後に師匠と抱擁を交わして塔を出た。
(アレクにも別れの挨拶をしたかったけど)
彼は次の任務の準備があるからと、昨日の夜会にも参加していなかった。
でも、二度と会えないわけではないだろう。
私たちを乗せた馬車は王都を出ると速度を上げた。
(そういえば……結局、この世界とゲームとの関係は分からないのかな)
馬車に揺られながらふと思う。
神様も知らないと言っていた。
どうして私が転生したのか、何か意味があるのか。
(……ま、いいか)
ここがゲームの世界であろうとなかろうと。
どこかに主人公となる少女が生きていても。
私はレベッカ、そして青の魔女リサとしてここで生きていくのだから。
*****
帰国途中、元いたギルドに寄り道をして仲間たちと再会して。
長い旅を終えて、私たちはようやくトウルネン王国へ戻って来た。
半年ぶりの王都へ入る門をくぐる。
「あれ?」
「どうした」
違和感を感じて思わず声が出ると、ルーカス様が聞き返した。
「結界に……隙間があるような」
行きには感じなかったのに。
ルーカス様は目を見開くと、呆れたようにため息をついた。
「時間経過などで結界に隙間が生じることはあるのか」
「いえ、それはあり得ません」
「では人為的か」
「おそらく……」
赤竜事件の犯人は皆捕まったはずなのに。
また別の人間が?
(教会の腐敗はまだあるってことかな)
司祭一人を捕えたところで、すぐ変わるようなものでもないのだろう。
「――この国でも青の魔女の出番はありそうだな」
「そうですね」
せっかく一仕事終えたばかりだけど。
(まあでも仕方ないか)
私の力が役立てるなら、頑張るしかない。
活気のある大通りを抜けて、馬車は王宮へと入っていった。
「やっと帰って来たな」
「はい」
本当にやっとだ。
あっという間のように感じるけれど、それでもやはり長かった。
馬車が停まり扉が開く。
先にルーカス様が下りると私へ向かって手を伸ばした。
その手を取ろうとすると、ルーカス様の手が腰に周り抱き上げられる。
「えっ待っ……!」
「いつもこうしているだろう」
いわゆるお姫様抱っこのように私を抱きかかえてルーカス様は笑った。
……確かに旅の間はこうやって馬車から下ろされていたけど!
ここは王宮だし!
(あれ? というか、そもそもこうやって下りるのって、おかしくない?)
アレクが言っていた、ベタベタしていたってこのこと!?
今更ながら気づいて、急に恥ずかしくなってくる。
「下ろしてくださいっ」
「遠慮するな」
「遠慮じゃなくて……!」
もがいて何とかルーカス様の腕から下りた。
「レベッカ!」
父の声が聞こえた。
「おとう……」
「レベッカ! 無事で良かった!」
ものすごい勢いで走ってきた父に、思い切り抱きつかれる。
「――あなた。そんなに力を入れたらレベッカが窒息してしまいますわ」
呆れたような母の声も聞こえる。
「お母様……ダニエルも」
父の腕から顔を出して、二人の姿を確認した。
家族皆で出迎えに来てくれたの?
「お帰り姉さん」
「怪我はなかった?」
「はい」
家族の顔を見渡して、胸の奥が熱くなる。
「……そうだお父様」
私を抱きしめる力を緩めた父に向く。
「私、思い出したんです。幼い時の記憶を」
「本当か!?」
「はい」
「ああ、それは良かった……」
嬉しそうに頬を緩めて、けれど父はすぐにその顔を曇らせた。
「いや、だが。思い出してしまったのだろう? 辛いことも……」
「……はい。でも、大丈夫です」
確かに、誘拐された時の記憶は、正直忘れていたかったけれど。
家族との思い出が失われたままよりはずっといい。
「そうか。……それでは、本当に『お帰り』だな、レベッカ」
「――はい。ただ今帰りました」
ふと視線を逸せると、私を見守っているルーカス様と視線があった。
その優しい眼差しにまた胸が熱くなる。
本当に、帰ってこられてよかった。
家族、そして好きな人がいるこの国に。
心からそう思って、私は家族たちと抱きしめあった。
おわり
最後までお読みいただき、ありがとうございました
1,179
お気に入りに追加
2,192
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
お飾り王妃の受難〜陛下からの溺愛?!ちょっと意味がわからないのですが〜
湊未来
恋愛
王に見捨てられた王妃。それが、貴族社会の認識だった。
二脚並べられた玉座に座る王と王妃は、微笑み合う事も、会話を交わす事もなければ、目を合わす事すらしない。そんな二人の様子に王妃ティアナは、いつしか『お飾り王妃』と呼ばれるようになっていた。
そんな中、暗躍する貴族達。彼らの行動は徐々にエスカレートして行き、王妃が参加する夜会であろうとお構いなしに娘を王に、けしかける。
王の周りに沢山の美しい蝶が群がる様子を見つめ、ティアナは考えていた。
『よっしゃ‼︎ お飾り王妃なら、何したって良いわよね。だって、私の存在は空気みたいなものだから………』
1年後……
王宮で働く侍女達の間で囁かれるある噂。
『王妃の間には恋のキューピッドがいる』
王妃付き侍女の間に届けられる大量の手紙を前に侍女頭は頭を抱えていた。
「ティアナ様!この手紙の山どうするんですか⁈ 流石に、さばききれませんよ‼︎」
「まぁまぁ。そんなに怒らないの。皆様、色々とお悩みがあるようだし、昔も今も恋愛事は有益な情報を得る糧よ。あと、ここでは王妃ティアナではなく新人侍女ティナでしょ」
……あら?
この筆跡、陛下のものではなくって?
まさかね……
一通の手紙から始まる恋物語。いや、違う……
お飾り王妃による無自覚プチざまぁが始まる。
愛しい王妃を前にすると無口になってしまう王と、お飾り王妃と勘違いしたティアナのすれ違いラブコメディ&ミステリー
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる